大門実紀史 (日本共産党)

2026年7月16日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 33 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 203 発言)

私もそう思うんですね。人が何かを愛する気持ち、愛というものは人に強制できるものなのかと、そもそもですね。もしも人に愛が強制されたら、この世の中に片思いがなくなりますよね、ですよね。だから無理なんですよ。やっぱり、無理に愛を押し付けるというのは無理なんですね。

そういう点からいきますと、日本をいい国にするしかないと、みんなに愛される国にするしかないということに尽きると、政治家の役割はですね、ということに思うわけでありまして、何らかのそういう、愛を押し付けようというか、国家が醸成しようということがこの法案のやっぱり背景に、動機に見え隠れするものですから、そもそも違うんではないかというふうに思うわけでございます。

さらに、これまでの衆参における本法案の審議も同じような質疑が繰り返されているんですけれども、要するに、反対する野党は、罪刑法定主義、明確性の原則に反する、立法事実も定かでない、表現の自由、内心の自由を制約して、それを侵害するおそれがあると。つまり、憲法三十一条、二十一条、十九条ですかね、に抵触する憲法違反だというふうなことを指摘してきているわけであります。それに対して、発議者の方はもう曖昧模糊とした答弁を繰り返しておられて、かみ合わないというか、議論にならないんですね。

それはなぜかというと、この法案そのものが、立法事実、対象物、処罰の範囲、もうあらゆるものが曖昧過ぎて、そもそも刑罰を科す法案、刑罰を科す法案としての体を成していないと。通れば、これ憲法違反をことごとく引き起こすような危険なものだということだと思います。

したがって、この法案は、日弁連とか各地の弁護士会だけじゃなくて、もう本当に立場が違うんですけど、刑法学者の方々も、そのいろんな立場の方、憲法学者の方からも、押しなべて憲法違反、違憲ということが指摘されております。それは、やっぱり本法案の内容の何もかもが曖昧で主観的で、さっき申し上げました憲法三十一条ですかね、罪刑法定主義、明確化の原則に反しているということになると思うんですよね。

これがもし通ったら非常に危険なことが起こるということも含めて、刑法学者の方々、憲法学者の方々が、こぞってと言っていいほどやめるべきだとおっしゃっているわけで、こんな、こういうの余り見たことないですよね。日弁連や弁護士さんが猛反対というのはもう民主主義守るというのありますけど、立場の違う刑法学者の方、憲法学者の方々がほとんどみんなこれをやめるべきだとおっしゃっているのはちょっと前代未聞ではないかと思います。

参考人質疑で、資料を配りましたけれども、木下昌彦神戸大大学院教授が、もう本当にここまで指摘されるのかということをおっしゃっております。本法案は我が国の憲法法理によって合憲性を肯定することは困難であり、逆に、本法案を合憲にしようとすれば、これが合憲ならば、従来の表現の自由に関する憲法法理をほぼ解体する必要があると、解釈を全部覆さなきゃいけないと。また、本法案は、単なる新法制制定にとどまるものではなく、憲法改正と同じ効果を持つと。全部覆すわけですからね、憲法改正と同じ効果を持つというふうに、本法案の違憲性とともに法案の成立がもたらす危険性を指摘されております。

これだけの指摘をされた例は私、今まで聞いたことがございませんが、発議者は、この本当に刑法学者を代表しての、憲法学者を代表しての指摘だと思いますが、どう受け止めておられますか。

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