全然明確にはならないんですよ。そして、こんな条文を置いている刑罰法規はほかにないということが今答弁がありました。
刑罰法規には条文としてはないけれども、恐らく裁判例ではこういう言い方しているものがあるじゃないかと、それが立法者のこういう条文を盛り込んだ趣旨でもあろうと思うのですが、しかし、判例が同様の文言を使うのは、条文のそのままでは憲法違反の疑いがあるので合憲的に判断しようと、条文を言わば限定で解釈しようとするような場合です。こういう文言を初めから入れているのは、そもそもこの法案が極めて違憲性が高いということを発議者自身がお認めになっているからにほかなりません。
アメリカの連邦最高裁は、一九八九年、国旗冒涜罪による国旗の焼却が罪に問われたテキサス対ジョンソン事件で、社会が単にその思想自体を不快、不愉快だと感じるというだけで表現を禁止してはならないとして違憲判決を下しました。欧州人権裁判所は、二〇一八年、国王夫妻の写真を燃やした者を王室侮辱罪で処罰したスペイン政府を欧州人権条約違反とした判決の中で、表現の自由は、好意的に受け止められるものや無害又は無関心とみなされる情報や思想だけでなく、不快感を与え、衝撃を与え、動揺させたりする情報や思想にも適用される、これが多元主義、寛容、そして開かれた精神が要求するものであり、これらがなければ民主的な社会は存在しないと述べています。
一方、香港が中国に返還された一九九七年、中国政府は、中国の国旗法の規制を香港にも適用しました。中国国旗を公然と焼いたり落書きしたりして侮辱する行為を罰則で取り締まるもので、中国政府は、こうした行為を民族の感情を傷つけると批判しました。二〇一九年には大規模なデモで、それでも中国国旗を焼いたり海に捨てたり国章に黒ペンキを掛ける、そうした抗議が相次いで、中国政府は、翌二〇年、香港国家安全維持法で抗議活動それ自体を実質的に違法化してしまいました。
これは通告しておりませんが、各党の発議者に伺います。今私が紹介した各国の例を聞いて、率直に言ってどうお感じになりますか。
219
勝目康(自民)
これはあくまで例えばということでございますが、ちょっと比較的に申し上げますと、国旗に何か汚物で書くという行為と、あるいは一般に市販されているマジックで文字を書く、この行為を比べてみれば、通常は、後者というのは人に不快、嫌悪の情を催させる程度が前者よりも低いと考えられるわけでございます。
したがいまして、こうした行為につきましては、それだけでは処罰対象とはならないこととしまして、より限定的にこの処罰対象を画すものということでございます。
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220
山添拓(共産)
通常は低い、高いと。これでは、私は、やはり適用する側の恣意的な判断によって幾らでも広がり得るだろうと、摘発の段階、それから起訴するかどうかの段階、有罪とするかどうかの段階、どの段階でも際限なく広がり得るものだと思います。
法案の二条二項は、こうした行為に該当するかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うとしています。
構成要件該当性、つまり刑罰法規の違反に当たるかどうかの判断基準としてこういう文言を設けている例はどのようなものがあるでしょうか。
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勝目康(自民)
例をということでございますけれども、刑罰法規としてこのような文言を置いている例はないということでございますけれども、この条文の文言を御説明をさせていただきますと、この行為者自身とか、あるいはこれを見た方が現実に不快感、嫌悪感を覚えたか否かということではなくて、あくまで一般通常人というものを基準として、損壊行為がどのような流れの中で、どのような物体を用いて、そしてどのような場所で行われたかと、こうした様々な客観的事情を総合的に勘案をして社会通念によって判断をされるということ、このことを明確にしたものでございまして、あくまでこの一般的、客観的な視点から判断さ…
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- (上の発言)
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山添拓(共産)
全然明確にはならないんですよ。そして、こんな条文を置いている刑罰法規はほかにないということが今答弁がありました。
刑罰法規には条文としてはないけれども、恐らく裁判例ではこういう言い方しているものがあるじゃないかと、それが立法者のこういう条文を盛り込んだ趣旨でもあろうと思うのですが、しかし、判例が同様の文言を使うのは、条文のそのままでは憲法違反の疑いがあるので合憲的に判断しようと、条文を言わば限定で解釈しようとするような場合です。こういう文言を初めから入れているのは、そもそもこの法案が極めて違憲性が高いということを発議者自身がお認めになっているからにほかなりません。
アメリカの連邦最高裁は、一九八九年、国旗冒涜罪による国旗の焼却が罪に問われたテキサス対ジョンソン事件で、社会が単にその思想自体を不快、不愉快だと感じるというだけで表現を禁止してはならないとして違憲判決を下しました。欧州人権裁判所は、二〇一八年、国王夫妻の写真を燃やした者を王室侮辱罪で処罰したスペイン政府を欧州人権条約違反とした判決の中で、表現の自由は、好意的に受け止められるものや無害又は無関心とみなされる情報や思想だけでなく、不快感を与え、衝撃を与え、動揺させたりする情報や思想にも適用される、これが多元主義、寛容、そして開かれた精神が要求するものであり、これらがなければ民主的な社会は存在しないと述べています。
一方、香港が中国に返還された一九九七年、中国政府は、中国の国旗法の規制を香港にも適用しました。中国国旗を公然と焼いたり落書きしたりして侮辱する行為を罰則で取り締まるもので、中国政府は、こうした行為を民族の感情を傷つけると批判しました。二〇一九年には大規模なデモで、それでも中国国旗を焼いたり海に捨てたり国章に黒ペンキを掛ける、そうした抗議が相次いで、中国政府は、翌二〇年、香港国家安全維持法で抗議活動それ自体を実質的に違法化してしまいました。
これは通告しておりませんが、各党の発議者に伺います。今私が紹介した各国の例を聞いて、率直に言ってどうお感じになりますか。
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勝目康(自民)
改めてでありますけれども、その内容について私どもとして構成要件該当性を判断することはないということでございます。
その上で、様々なこの表現行為があるわけでございますが、これは衆議院においてこの委員会への提出資料としてこの違法性阻却事由の考え方あるいは事例についてペーパーを出させていただいております。違法性阻却事由というのは、この全体の個別性が非常に強い中で、なかなかこの類型化するのが難しいということはこれまでも御答弁をさせていただいているところでございますが、そうした中にあって、違法性が阻却される可能性がある場合、逆に違法性が阻却されない可能性がある場…
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224飯飯泉嘉門(国民)
今のお話をお聞きして、中国の場合の保護法益は国家的保護法益、今回のこの処罰法につきましては社会的保護法益ということで、根本的に保護法益が違うと、こうした印象を持ったところであります。
以上です。
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225
豊田真由子(参政)
他国の事案の受け止めということでございますが、今種々御答弁ございましたが、やはり各国それぞれ同じような処罰の法案に、法律に見えましても、その個別の事案の背景、あるいはその法案自体、法律自体の、あるいは国自体の歴史、文化、国民感情、様々だと思いますので、立法府、日本国の立法府の一員として他国の例についてコメントすることは差し控えたいと思います。
我が法案に関しての考え方は発議者同じでございます。
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