海渡雄一弁護士

2026年5月19日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 63 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 94 発言)

御質問ありがとうございます。

情報に関して正確な認識を持つということは主権者としても非常に大事なことだと思いますし、小さい頃からそういう点をきちんと教育した方がいいと思うんですけれども、私は、やっぱり歴史の正確な事実というものを教育の場で教えるということがとても大事なのではないかと思います。

とりわけて言うと、日本の場合は、戦前に誤った戦争を起こしてしまったという歴史があるわけで、そして、その出発点であった満州事変において国家が謀略的に戦争を開始して、そのことについて国民に知らせないで国民全体を欺いたという事実、これは非常に重要なことだというふうに思います。そういったことをきちんと教えていくということが、戦争が起きようとしているときに、それに対して国民が正確な事実に気付くことができるかどうかという点において、すごく大事なのではないかと思います。

モデルということのお話があったんですけれども、そういう面でいうと、ドイツにおける歴史教育というのは僕は非常に重要だと思います。ドイツでは、高等教育のレベルですけれども、ナチズムが勃興してから日々刻々どういうことが起きたのかということを克明に教えて、このときあなたは主権者としてどういうことができたと思うかという教育をしているんですね。これは非常に重要な教育で、同じようなことが日本で起きようとしたときに、主権者としてナチスのような人権侵害体制ができることを止められるかということを教育しているんだと思います。

もう一つ、その外国の影響力ということがその政治決定に反映してはいけないということは、私はそれはそのとおりだと思います。そのことに絞った制度をつくるということがあった場合、外国代理人の規制制度というものが恐らく次に出てくると思うんですけれども、諸外国の例を見ると、ロシアなどは非常に広範なことをやって、それによって表現の自由を完全に侵害した状態になっていますし、アメリカやイギリスやいろんな国の制度を調べました、フランスなども調べましたけれども、いずれもどれも広過ぎるというふうに僕は思っています。

その中で、一つ非常に参考になるのは、ドイツはまだこの制度をつくっておりませんけれども、ドイツも検討しているEUの指令で、民主主義防衛パッケージというのがあります。これは、政治的な行為に限って外国のロビー活動について透明性を確保するという制度で、民主主義の防衛パッケージについては是非検討してみていただきたいというふうに思います。

以上です。

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