岸真紀子 (立憲民主党)

2026年3月31日・第221回国会 参議院 総務委員会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 9 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 231 発言)

私は、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、沖縄の風及びチームみらい・無所属の会の各派並びに各派に属しない議員齊藤健一郎君の共同提案による自立した安定的な財政運営を実現するための地方税財政制度の構築等に関する決議案を提出いたします。

案文を朗読いたします。

自立した安定的な財政運営を実現するための地方税財政制度の構築等に関する決議(案)

地方公共団体が人口減少の下で疲弊する地域経済の現状を克服し、個性豊かで活力に満ちた地域社会を創造するために、政府は、自立した安定的な財政運営が可能となる地方税財政システムの確立を始め、次の諸点について格段の努力をすべきである。

一、交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額については、前年度の地方財政計画の水準を下回らないよう、予見可能性を持って安定的に確保するとともに、物価高への対応に要する経費、社会保障関係費その他拡大する行政需要に合わせて拡充を図ること。

二、専門人材を始め、地方公共団体における人員確保が困難となっている状況を踏まえ、将来にわたって、行政サービスが持続可能な形で提供されるよう、地方公務員の人員確保や専門性向上に係る必要な財政措置その他の支援に万全を期すこと。特に、会計年度任用職員を含む地方公務員の人件費については、民間給与の上昇等の動向を踏まえ、その増加に要する財源を確実に措置するとともに、会計年度任用職員の給与改定の遡及等が確実に行われるよう徹底すること。また、会計年度任用職員制度の導入の趣旨を十分に踏まえ、地方公共団体において任用・勤務条件等に係る適正な取扱いが図られるよう、実態を把握しつつ適切な助言を行うこと。

三、地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、引き続き、地方税等と併せ必要な総額の充実確保を図るとともに、臨時財政対策債に依存しない財政運営の確立を目指すこと。また、今後、財政収支に大幅な不足が生じる場合には、地方交付税の法定率の引上げを行い、安定的に総額を確保すること。

四、地方交付税の原資となる税収の見積りに当たっては、特に減額による混乱を回避するため、正確を期すよう、万全の努力を払うこと。また、税収の見込額が減額される場合においては、地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、国の責任において十分な補填措置を講ずること。

五、地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立し、安定的で充実した財源を確保できる地方税制の構築を図ること。また、減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、代替の税源の確保等の措置を講ずるほか、税負担軽減措置等については、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう慎重に対処すること。とりわけ固定資産税は、市町村の基幹税目であることを踏まえ、納税者の税負担にも配慮しつつ安定的税収の確保に努めること。

六、行政サービスの地域間格差が過度に生じないよう、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向け、地方公共団体の行財政の実態を踏まえ、適切な偏在是正措置を早急に講ずること。併せて、国と地方公共団体の適切な役割分担の下、国から地方への税源移譲を進めるなど、地方公共団体が担う行政サービスに見合った財源の充実確保を図ること。

七、ふるさと納税制度に関しては、応益性や負担分任性など地方税の性格に配慮するとともに、税制を通じて寄附者がふるさとを応援するという制度本来の趣旨に沿った適切な運用に向けた取組を進めること。また、寄附の募集や返礼品等に係る情報を掲載するポータルサイトの運営事業者に対して地方公共団体が支払う手数料等が増加していることに鑑み、できる限りその縮減を図りつつ、健全な運用に向けた取組を進めること。

八、昨今の金利上昇の影響にも留意しつつ、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、万全の財政措置を講ずること。また、引き続き、臨時財政対策債や交付税特別会計借入金といった特例的な債務残高の縮減に努め、地方財政の健全化を進めること。

九、地方債については、財政力の弱い市町村が円滑に資金を調達できるよう、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うこと。

十、国際情勢の影響等により更なる物価高騰も懸念される中、地方公共団体の官公需における価格転嫁の取組が適切に進むよう、必要な一般財源を確保するとともに、経済・物価動向等に応じて、必要がある場合には、迅速かつ適切に追加的な財政措置を講ずること。また、指定管理者や委託事業者が物価高騰に対応し、安定的な業務運営を行うため、指定管理料や契約金額の見直し等が適切に実施されるよう、必要な措置を講ずること。

十一、地方公共団体が維持管理する施設・インフラについては、今後とも老朽化に伴う更新需要の増大が見込まれており、近年の事故等を踏まえ、住民生活の安全確保を最優先する観点から、点検・調査、修繕、更新・老朽化対策に要する経費に関し、確実かつ安定的に財源を確保すること。

十二、地方公共団体情報システムの標準化については、標準準拠システムへの移行が完了するまでに要する経費を全額国費で支援するとともに、移行完了後の運用経費等についても、見積精査支援の拡充等を行うほか、移行の実態を踏まえて適切な財政措置を講じ、地方公共団体の運用経費等の負担を抑制すること。また、行政サービスの利便性向上及び行政運営の効率化を実現するため、デジタル技術・AIの活用により自治体DXが積極的に推進できるよう、財政措置を始めとする必要な支援を講ずること。

十三、東日本大震災の被災地方公共団体に対しては、その復旧・復興事業の着実な実施を図るため、引き続き、所要の震災復興特別交付税額を確保する等万全の支援措置を講ずること。また、近年、住民生活の安全・安心を脅かす自然災害等が多発している状況を踏まえ、事前防災の視点も含めた防災・減災の推進及び被災地の復旧・復興のための十分な人的・財政的支援を行うこと。

右決議する。

以上でございます。

何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

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