私は、ただいま可決されました金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、日本共産党、れいわ新選組及び社会民主党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 本法による暗号資産取引の投資者保護の強化とそれを前提とした暗号資産の譲渡による所得の申告分離課税の対象化が国として暗号資産投資にお墨付きを与える意図ではないことについて、国民に対して十分な周知を行うとともに、本法による規制及び申告分離課税の対象が暗号資産取引の一部にとどまり、規制の及ばない暗号資産取引が引き続き存在することについて国民の理解促進に努め、国民の暗号資産取引に係る金融リテラシー向上に努めること。
二 暗号資産の大部分には裏付け資産が無いという商品特性を踏まえ、暗号資産取引業者が適合性原則の遵守の実効性を確保できるよう、自主規制機関と連携したガイドライン等の整備を通じて、利用者がリスクを十分に理解した上でリスク負担能力の範囲内で取引を行える環境の確保に努めること。
三 無登録業者による詐欺的被害から国民の財産を守るため、金融庁と警察庁の連携を一層強化するとともに、国民に対する十分な啓発に努めること。加えて、新たに措置される証券取引等監視委員会の犯則調査対象拡大及び裁判所への緊急差止命令の申立てに係る体制整備に努めること。
四 本法による暗号資産及び有価証券の不公正取引規制並びに無登録業者に対する対応措置の実効性を確保するため、証券取引等監視委員会における高度化システム投資等を通じた体制強化を進めるとともに、特に暗号資産取引において同委員会と業界との連携の強化に努めること。
五 課徴金制度については、機動的な執行に努めるとともに、今後の実施状況等も踏まえ、課徴金の算定方法を含む制度全般の在り方について、引き続き実効的な抑止効果をもたらすよう検討を進めること。
六 本法で措置されるスタートアップ企業のIPOまでの資金供給を円滑にするための措置に加え、M&A及びMBOに係る資金供給を促進するための環境整備について更なる検討を行い、必要に応じた措置を講ずること。
七 潜在的特定投資家制度については、特定投資家への移行手続を経ていない一般投資家に対してプロ向けの商品を案内するものであることを踏まえ、金融商品取引業者による投資家の意思の確認やその理解度に応じた説明義務等が果たされるよう、自主規制機関と連携して制度の適切な運用に努めること。
八 特定非財務情報の開示及び監査証明に係る制度に関し、時価総額五千億円未満のプライム市場上場企業への適用拡大を検討するに当たっては、企業の開示状況や投資家のニーズ等を踏まえて慎重に検討すること。
九 欧州連合のオムニバス指令等、国際的な開示制度における緩和及び簡素化の動向を注視し、我が国の制度が国際水準と比較して過度な負担とならないよう、適用対象・開示項目、第三者保証制度の範囲及び水準等の在り方について、不断の見直しを行うこと。
十 将来情報及びスコープ3等に係るセーフハーバー・ルールの適用範囲を予見可能な形で明確化し、法的安定性を確保する観点からその運用状況を検証の上、必要に応じ課徴金納付命令の免責範囲を含めた対応を検討すること。
十一 スコープ3開示及び検討課題とされるその保証制度の導入に伴い、バリューチェーンに含まれる他社のうち特に中小企業等に過度な負担が転嫁されないよう、データ要求の適正化及び合理的な推定値の活用を周知するとともに、中小企業等に取引上の不利益が生じないよう、関係省庁が連携すること。
十二 特定非財務情報監査証明業者が企業のバリューチェーン全体にわたる情報に接し得ることに鑑み、当該監査証明業者を通じて企業秘密、技術情報、取引先情報を含む業務上知り得た秘密その他の重要情報が流出することのないよう、特定非財務情報監査証明業者の登録及び監督に当たっては、その業務管理体制及び情報管理体制の適切性を確認するとともに、必要に応じ、資本関係、実質的支配関係その他の支配・影響関係についても十分留意すること。また、将来的に認定特定非財務情報監査証明業協会を通じた監督・規律の枠組みを活用する場合には、利益相反、監督の形骸化、業界団体による参入障壁化等が生じることのないよう、透明性・公正性を確保した適切な運用に努めること。
十三 地方財務局は、多様化する金融取引に対する利用者保護や、小中高校生を中心にした金融教育などを各地で展開しているが、本法改正等による厳格な監督や、近年の金融機関からの法令照会や許認可業務の増加などに対応するため、機構定員を含めた体制整備を着実に進めること。
十四 本法附則第九十二条の検討に当たっては、デジタル技術の進展スピードが極めて速いことや暗号資産に係る国際的な制度整備が流動的である状況を踏まえ、本法施行後五年を待たず、本法による改正後の各法律の施行の状況等を勘案し、必要に応じて制度の見直しを検討すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
175
小池晃(共産)
私は、日本共産党を代表して、金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
本法案に反対する第一の理由は、暗号資産を金融商品取引法の対象に改定し、株式や債券、投資信託などと同様に国民の資産形成のための投資対象として扱うことが不適切だからであります。
暗号資産は、法定通貨ではなく、裏付け資産を持っていないことなどから、価格が大きく変動する傾向があります。暗号資産そのものを否定するものではありませんが、国民の経済活動にどのような価値を生み出すのか未知の段階であり、一般の投資家が判断することは難しく、現状はあくまで…
この発言のページ
176
宮本周司(自民)
他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
この発言のページ
177
宮本周司(自民)
多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、森君から発言を求められておりますので、これを許します。森ゆうこ委員。
この発言のページ
- (上の発言)
178
森ゆうこ(立憲)
私は、ただいま可決されました金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、日本共産党、れいわ新選組及び社会民主党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 本法による暗号資産取引の投資者保護の強化とそれを前提とした暗号資産の譲渡による所得の申告分離課税の対象化が国として暗号資産投資にお墨付きを与える意図ではないことについて、国民に対して十分な周知を行うとともに、本法による規制及び申告分離課税の対象が暗号資産取引の一部にとどまり、規制の及ばない暗号資産取引が引き続き存在することについて国民の理解促進に努め、国民の暗号資産取引に係る金融リテラシー向上に努めること。
二 暗号資産の大部分には裏付け資産が無いという商品特性を踏まえ、暗号資産取引業者が適合性原則の遵守の実効性を確保できるよう、自主規制機関と連携したガイドライン等の整備を通じて、利用者がリスクを十分に理解した上でリスク負担能力の範囲内で取引を行える環境の確保に努めること。
三 無登録業者による詐欺的被害から国民の財産を守るため、金融庁と警察庁の連携を一層強化するとともに、国民に対する十分な啓発に努めること。加えて、新たに措置される証券取引等監視委員会の犯則調査対象拡大及び裁判所への緊急差止命令の申立てに係る体制整備に努めること。
四 本法による暗号資産及び有価証券の不公正取引規制並びに無登録業者に対する対応措置の実効性を確保するため、証券取引等監視委員会における高度化システム投資等を通じた体制強化を進めるとともに、特に暗号資産取引において同委員会と業界との連携の強化に努めること。
五 課徴金制度については、機動的な執行に努めるとともに、今後の実施状況等も踏まえ、課徴金の算定方法を含む制度全般の在り方について、引き続き実効的な抑止効果をもたらすよう検討を進めること。
六 本法で措置されるスタートアップ企業のIPOまでの資金供給を円滑にするための措置に加え、M&A及びMBOに係る資金供給を促進するための環境整備について更なる検討を行い、必要に応じた措置を講ずること。
七 潜在的特定投資家制度については、特定投資家への移行手続を経ていない一般投資家に対してプロ向けの商品を案内するものであることを踏まえ、金融商品取引業者による投資家の意思の確認やその理解度に応じた説明義務等が果たされるよう、自主規制機関と連携して制度の適切な運用に努めること。
八 特定非財務情報の開示及び監査証明に係る制度に関し、時価総額五千億円未満のプライム市場上場企業への適用拡大を検討するに当たっては、企業の開示状況や投資家のニーズ等を踏まえて慎重に検討すること。
九 欧州連合のオムニバス指令等、国際的な開示制度における緩和及び簡素化の動向を注視し、我が国の制度が国際水準と比較して過度な負担とならないよう、適用対象・開示項目、第三者保証制度の範囲及び水準等の在り方について、不断の見直しを行うこと。
十 将来情報及びスコープ3等に係るセーフハーバー・ルールの適用範囲を予見可能な形で明確化し、法的安定性を確保する観点からその運用状況を検証の上、必要に応じ課徴金納付命令の免責範囲を含めた対応を検討すること。
十一 スコープ3開示及び検討課題とされるその保証制度の導入に伴い、バリューチェーンに含まれる他社のうち特に中小企業等に過度な負担が転嫁されないよう、データ要求の適正化及び合理的な推定値の活用を周知するとともに、中小企業等に取引上の不利益が生じないよう、関係省庁が連携すること。
十二 特定非財務情報監査証明業者が企業のバリューチェーン全体にわたる情報に接し得ることに鑑み、当該監査証明業者を通じて企業秘密、技術情報、取引先情報を含む業務上知り得た秘密その他の重要情報が流出することのないよう、特定非財務情報監査証明業者の登録及び監督に当たっては、その業務管理体制及び情報管理体制の適切性を確認するとともに、必要に応じ、資本関係、実質的支配関係その他の支配・影響関係についても十分留意すること。また、将来的に認定特定非財務情報監査証明業協会を通じた監督・規律の枠組みを活用する場合には、利益相反、監督の形骸化、業界団体による参入障壁化等が生じることのないよう、透明性・公正性を確保した適切な運用に努めること。
十三 地方財務局は、多様化する金融取引に対する利用者保護や、小中高校生を中心にした金融教育などを各地で展開しているが、本法改正等による厳格な監督や、近年の金融機関からの法令照会や許認可業務の増加などに対応するため、機構定員を含めた体制整備を着実に進めること。
十四 本法附則第九十二条の検討に当たっては、デジタル技術の進展スピードが極めて速いことや暗号資産に係る国際的な制度整備が流動的である状況を踏まえ、本法施行後五年を待たず、本法による改正後の各法律の施行の状況等を勘案し、必要に応じて制度の見直しを検討すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
179
宮本周司(自民)
ただいま森委員から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
この発言のページ
180
宮本周司(自民)
全会一致と認めます。よって、森委員提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、片山内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山内閣府特命担当大臣。
この発言のページ
181
片山さつき(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
この発言のページ