大内伸哉神戸大学大学院法学研究科教授

2026年3月11日・第221回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 92 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

ありがとうございます。大変重要な御質問だと思います。

私の考えを言いますと、今、プラットフォームのことをおっしゃいましたけれども、社会の中にまた新たな支配従属構造というのが出てきているような気もします。それは、圧倒的なやっぱり経済的、社会的力をやっぱりプラットフォームは持っていて、しかしこれをどういうふうに見ていくのか、どう捉えていくのかというのは大変難しくてですね。まあ労働法の立場からは、従来の労働法のアナロジーでこれ新たな企業という、新たな社会的権力で、これが第一次産業革命以降に出てきた企業の新しいバージョンと、そのアナロジーでやっていこう、だからこれは使用者、労働者で捉えようというのは一つの考え方としてはあるのかもしれませんが、やはりそこはちょっと違うのではないかというふうに個人的には思っています。

というのは、もう全然構造も違いますし、働く側も、例えば工場労働とやっぱり違う、ギグワーカーになってくるとやっぱり自律性も、自由な判断という要素もあるわけですよね。労働者にしてしまうと、労働者だけで終わらなくて、例えば雇用保険、そしてさらに社会保険と、全部実質上付着してくるところがあって、それって本当にニーズに合っているんだろうかという問題もあります。それはしかし、労働者側がどう判断するかはあるんですが。

言いたいことは、従来の枠で何とか収めて扱おうという労働者概念の拡張です、例えば、使用者概念の拡張というようなことじゃなくて、全く新しいその支配従属構造に合った別のモデルというのは考えていってもいいのではないかと。それは決して、だから労働法の伝統的なモデルとは違い、取引をどうやったら公正な取引ができるかとかいうような形で、新しい発想で、言わば第三というか第二というか、労働法とは別の、従来の労働法とは別のバージョンの何かこういうものを考えていくべきじゃないかと個人的には思っています。私はそういう研究もしているということでございます。

取りあえず、今のところはそういうことです。

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