吉川洋東京大学名誉教授

2026年3月11日・第221回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 32 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

どうも御質問ありがとうございました。

御質問を私なりに言い換えれば、要するに、プライス、価格が市場で決まるものが、私たちの、まあ括弧付きかもしれませんが、本来のバリューを反映していないということですよね。で、それに関しては有名な文献があるかというようなお話だったかもしれませんが、教科書的なこととしては、市場が失敗するという言い方、マーケットフェイリアというようなことが昔から言われてきて、それは、例えばですが、環境を汚染するような物づくり、そういうものに対してはそれを適当に政府が補正しなければいけないと。どうやって補正するか。税とか、それから、あるいは補助金とか、逆に、というようなことが言われてきたと思うんです。

ただ、それはそれとした上で、御質問の中にもあったかなと思うんですが、一つ重要なものとして、医療、介護、間違いなく今後も伸びていく。ここに関しては、そもそもそこでのプライスというのが公定価格になっているわけですよね。これをどう設定するかというときに、プライスが低過ぎるということで、そこをもう少し上げようというのは、言うのは簡単なんですが、もう一つの重要なファクトとしては、医療ですともう四十兆を超えている、介護だと十四兆とか、それを負担しなければいけないというのは間違いないわけで、いずれにしても、一円でも何かそういうような医療、介護でもサービスが供給されれば、その一円は誰かが何らかの形で負担しなければいけないわけですよね。その負担にみんなが耐えられるのかと。そこで働いていらっしゃる、お話の中にあったいわゆるエッセンシャルワーカーの方々、この方々の処遇が相応のものでなければいけないというのは、それはもちろんそうです。ただし、それを日本国民全体として負担できるのかという問題ももう一つあるわけですよね。じゃ、そこをどうやって決めるのか。それが政府と国会の先生方のお仕事で、これは民間の企業、マーケットでは解決できないということだろうというふうに思います。

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