伊勢崎賢治 (れいわ新選組)

2026年6月10日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 15 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 23 発言)

れいわ新選組、伊勢崎賢治です。

先般、我が国の東アジア外交、とりわけ日朝関係の第一人者である和田春樹東大名誉教授を本調査会にお招きし、大変示唆に富むレクチャーをいただきました。この場をお借りして深く感謝申し上げます。

和田先生の御知見、そしてそこでの議論を踏まえ、東アジアの安定、そして長年の最重要課題である拉致問題の解決に向け、我が国が取るべき現実的な外交アプローチについて意見を述べさせていただきます。

現在、日朝関係は緊迫した東アジア情勢の中で膠着状態にあります。北朝鮮側は拉致問題単独の交渉には応じない姿勢を崩しておりません。こうした中、拉致問題の解決を真に進めるためには、二〇〇二年の日朝平壌宣言の原点に立ち返り、日朝国交正常化交渉の再開という大きな対話の枠組みをまず軌道に乗せ、その交渉プロセスの中で拉致問題の解決を強く求めていくことこそが極めて現実的なアプローチであると考えます。

また、交渉を有利に進め、国際社会の広範な支持を得るためには、リアリストとしての冷徹なシミュレーションと国際人権基準への合致が不可欠であります。

第一に、我が国独自の制裁措置が、北朝鮮の一般市民に対する集団懲罰、ジュネーブ諸条約で厳禁されているこのコレクティブパニッシュメントとみなされ、グローバルサウスを始めとする国際世論を敵に回すことがあってはなりません。人道支援や医療物資の除外手続など、市民の生活に不要な打撃を与えない配慮を行っていることを日本政府は国際社会へより明確に発信すべきであります。

第二に、朝鮮学校の高校無償化除外の問題であります。

国連の人種差別撤廃委員会や社会権規約委員会からも、これが差別的であり、教育を受ける権利を侵害しているとの懸念や勧告が累次出されております。子供には罪はないという国際社会の絶対的な原則に照らし、この措置を再考することは、日本の外交的道義性を高め、来る国交正常化交渉を有利に運ぶための強力な外交カードとなり得ます。

最後に、本調査会の今後に対する具体的な提案を申し上げます。

日朝交渉のような極めて機微で複雑な外交課題に関し、本調査会が単なる政府方針の追認や現状の批判にとどまるべきではありません。今後は、歴史的経緯や国際人権基準、そして安全保障のリアリズムを融合させた多角的な議論を行うため、僣越ではございますが、日朝交渉、東アジア安定化に向けた超党派の特別作業部会、ワーキンググループを本調査会の下に設置することを提案いたします。

この調査部会において、和田先生を始めとする外部の有識者や国連、国際機関の実務経験者を交え、制裁緩和のタイミング、人道支援の在り方、朝鮮学校問題の解決策など、政府が公式には描きにくい具体的な交渉シナリオのシミュレーションを不断に行い、政府に対して超党派の建設的かつ具体的な外交オプションを提言していくべきだと思います。

拉致被害者の御家族が高齢化する中、一刻の猶予も許されません。僣越ではございましたが、対話の扉を開くための英断を求め、私の発言といたします。

ありがとうございました。

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