原田秀一 (国民民主党)

2026年6月10日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 7 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 23 発言)

国民民主党・新緑風会の原田秀一でございます。

これまでの調査会における各参考人の皆様からの大変示唆に富む御所見と活発な議論を踏まえ、本年のテーマである「現下の国際情勢と世界の安定に向けた日本外交」について意見を表明いたします。

これまでの議論を通じて確認されたのは、世界が歴史的な転換期の混沌の中にあり、日本はこれまでの既成概念が通用しない情勢に置かれているという厳しい現実であります。米国が世界秩序を単独で支える時代が終わり、世界のパワーバランスの構造が変化する中で、新たな秩序を模索する動きは不可逆となっています。

これまでの調査会の中では、抑止力の重要性が再認識される一方で、抑止一辺倒に偏ること、あるいは武力の不均衡がエスカレーションを誘発する危険性についても指摘がありました。これらを踏まえれば、安全保障上の空白を生じないよう、我が国が一定の防衛力を強化していく方向性そのものは適切であるものの、米国の力の減少をそのまま日本が全て肩代わりする必要もないと考えます。このところ、防衛政策に関する議論も盛んですが、費用対効果を含め、冷静な議論を国会中心に行われる必要があると考えております。

また、防衛力の在り方を議論するプロセスにおいては、民主的な情報開示と国民の深い理解が不可欠です。我が国の安全保障に関する情報開示は諸外国に比して少なく、国民の理解という言葉がお題目にすぎないのではないかという懸念も感じます。安全保障、国防に関してこそ民主的統制は重要であり、国民への誠実な情報開示と対話を政府に強く求めたいと思います。

次に、外交について申し上げます。

米国の不可逆的な変化に対応するためには、我が国自身が多層的な外交関係を構築していく必要があり、この多層的外交に当たって三つの点が重要と考えます。

第一に、我が国の安全保障の大原則は、引き続き日米同盟基軸であるべきと考えます。

ただし、米国に盲従するのではなく、米国第一主義の下で価値の共有が揺らぐ中にあって、我が国の国益をしっかり守りながら、より対等な関係へと同盟関係を深化させなければなりません。

第二に、価値や利害を共有する国々、特にミドルパワー諸国との連携強化です。

世界的なパワーバランスの変化の中、米国中心のハブ・アンド・スポーク型の関係に依存せず、韓国、オーストラリア、ASEAN、さらにはカナダ、欧州、グローバルサウス諸国も含め、重層的な関係を構築する必要があります。CPTPPのような多国間枠組みを戦略的に活用しながら、経済と安全保障の両面で主導権を発揮していくことが求められると考えます。

第三に、脅威の抑止の対象と想定する近隣諸国に対しても、衝突回避はもちろん、互恵関係の構築を粘り強く図ることが必要です。国益を見据えればこそ、外交による平和の維持が不可欠です。

また、政治や安全保障の対立がいかなる状態であれ、民間や経済の交流に影響させない在り方を模索することも極めて重要です。

我が国が歩んできた平和国家としての道のりと蓄積は脱ぎ捨てるべき殻ではなく、他国にはまねできない我が国のブランドであると考えます。この資産を生かしながら、引き続き自由で開かれた国際秩序や法の支配を掲げ、外交力を発揮していくことこそが世界の安定に向けた日本の外交の役割である、このことを申し上げまして、私の意見といたします。

ありがとうございました。

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