水島治郎千葉大学大学院社会科学研究院教授

2026年5月27日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 46 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

ありがとうございました。当事者からいろいろコメントをいただけるのは幸いでございます。

なるほどと思いました。どちらかといえば、移民よりもアンチグローバリズムの、特に多国籍企業の問題性を重視するのは、ヨーロッパではどちらかといえば左派ポピュリズムの強いところで、右派ポピュリズムはとにかくやはり排外主義が非常に強いというところがあるので、ちょっとお話ししていて、参政党さんについてはそういうことなのかなというところも思ったところでございます。

それから、御指摘幾つかいただきましたが、ありがとうございます。

EUに関してなんですけれども、EUは規制の帝国とも言われますが、EUそのものが社会政策を行って、富裕層からお金を取って貧困層に配分するという仕組みを持っているわけではないです。EUはあくまで、そういった仕組みは国ごとにシステムを維持した上で、その上で全体としての枠組み、例えば様々な差別禁止であるとかを掛けていくんですが、EUがお金を右から左に引っ張ってくるのとはちょっと違うんです。

他方で、EUはもちろん都市政策などいろんな形でお金を配分しているんですが、社会政策の点では、その点ではちょっと弱いです。その結果、近年の、先ほどからお話ししているような都市間格差、都市と地方との格差など様々な格差が見える中で、EUというのはむしろ上から様々な規制を掛けてきて庶民をいじめるものだという意識も出てくる。例えば、脱炭素化でEV推進というものは、EVが買えないと困っちゃうわけですね。そうすると、庶民層からすると、むしろEVというのは上から、何というか、理想を押し付けて庶民を苦しめているように見える面もある。その辺りのギャップがやはり近年の、まあブレグジットにしろ、それ以外のアンチEU的な庶民の動きや政党の動きにつながっているということを見るところであります。

ただ、私、その中でも、ある言葉がヨーロッパで言われていて、世界の終わりか今月の終わりかという言い方があるんですね。これどういうことかというと、エリートは、世界の終わり、例えば地球環境の破壊を見る。でも、庶民は、もうそれよりも今月の終わり、要するに、様々な家賃とか水道代、ガス代、電気代の請求書が今月に来て、今月をしのげるかどうかというところで困っている。その、何というかな、見方の違いを表すような言葉なんですけれども、その双方が分裂している状況は非常に残念であると思います。むしろ、その中で必要なことは、様々な、エリートと大衆といった分断ではなくて、相互の間はダイアログや意思決定におけるインクルージョンを進めていく、それが恐らく必要だろうと思っております。

その中で、特にインターネットというのは、やはり庶民の言葉をそのまま伝える上では非常に有効な手段でもあり、例えばEUレベルで、インターネットを使って、しばらく前に、夏時間を廃止するかどうかというようなEUレベルのアンケート的な投票を行ったということもありまして、実はヨーロッパの中では夏時間は意外に評判悪いんですね。

やっぱり、そういった様々な形で人々の意向を酌み取っていくようなシステムをつくっていかないと大きなまとまりは維持できないだろうと思っております。

以上です。

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