神保謙公益財団法人国際文化会館常務理事・慶應義塾大学総合政策学部教授

2026年3月4日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 26 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 75 発言)

ありがとうございます。

価値の共有、法の支配が極めて維持することが難しくなっている時代背景という前提ではありますけれども、日本にとって法の支配というのは、私は国益そのものと考えています。法の支配、それに基づく国際制度、多国間制度というものがなければ、世界の市場へのアクセス、重要な資源の確保、そしてシーレーンの安定、どれも維持することが難しいと。いろいろその大国が自国中心主義を振りかざしている世界にあったとしても、日本はその法の支配とマルチラテラリズムの中に生きているということはしっかりと守っていかなければいけないということだと思います。

さはさりながら、日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中で、先ほど来議論されております抑止力の関係性というのは常にアップデートしていかなければこれはいけないと。その中で、日本は、まあプランBといいますか、アメリカ以外の手段によってこの抑止力を達成できるかというのが極めて難しいとするならば、アメリカがもしその価値が揺らいだとしても、そのアメリカに手綱を付けて抑止力を我々の国益にとって優位な形で維持し続けなければいけないというのは、これはリアリズムの世界なんだと思います。

ただし、その中で、価値を共有する国々との関係性というものを高めるということは矛盾なく進めていくということが日本にとっては非常に重要なポイントで、安全とかそして生存という点においては、これはもう変えられない制度、立場というものがあるにしても、でも、それでも日本が目指すべき、まさに自由で開かれたその地域制度や市場というものをどうやって確立するか、それがおっしゃったそのアジア政策の意味だというふうに思いますので、田中参考人のおっしゃられたCPTPPは大変重要な二十一世紀の開かれたアジアの制度、経済制度をつくるというときの大きなてこで、しかもこれは中国が参加したがっているという意味においても非常に大きなてこになると思いますし、同時に、岩間参考人がおっしゃられた安全保障上における信頼醸成の制度化づくり、これも非常に重要な視点だと思い、強く賛同する次第です。

前後のやりとり

22の発言を見る

30の発言を見る