庭田幸恵 (国民民主党)

2026年6月2日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 66 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 225 発言)

おはようございます。国民民主党・新緑風会、庭田幸恵でございます。

質問の機会をいただき、ありがとうございます。

さて、私は、一九九〇年代に航空会社で国際線に乗務し、その後、観光案内、インバウンド応対などのサービスの現場に経営者として二十年近く携わってまいりました。振り返ってみると、一九九〇年代は機内アナウンスはレディース・アンド・ジェントルマンで始まっていたのが、今はジェンダー平等ということで、オールパッセンジャーズというふうに時代の変化を感じております。

その時代の変化の中で強く感じてきたことがございます。それは、社会には心を削りながら成り立っている仕事があるということでございます。例えば、介護、保育、看護、教育、そして今言った接客やコールセンターやカスタマーサポート、現代社会はこうした人と接する仕事によって多くは支えられています。

一九八三年、アメリカの社会学者アーリー・ホックシールドという方は、こうした働き方を感情労働というふうに定義をしております。感情労働とは、自分の感情を調整しながら、接する相手に安心感や信頼感など適切な感情状態を生み出す労働とされております。

昨今、AIが登場し、肉体労働や頭脳労働の一部がテクノロジーに置き換えられていく一方で、この感情労働の重要性は、私はますます増していくのではないかと感じております。しかし、感情労働の従事者は、バーンアウト、うつ病などの精神疾患、またモチベーション低下など、精神的な負担が大きいとされています。現在の日本の労働政策は、労働時間、生産性、人手不足といった観点を中心に組み立てられているのではないかと考えております。本日は、AI時代における人の感情を支える仕事について伺っていきたいと思っております。

さて、医療や介護の現場では、十分かどうかはさておき、医師の働き方改革が進められ、処遇の改善や人材の確保に向けた制度的な手だてが講じられてきております。しかし、今私が申し上げました感情労働の分野、接客、観光業、宿泊、飲食、カスタマーサポートといったこのサービスの現場はどうでしょうか。そこでは、常に自分の感情とは別に、笑顔でいること、これが日本では求められてきたのではないでしょうか。

私も会社経営の中で企業研修もしておりまして、笑顔は口角を上げれば一円も掛からない、一円も掛からないおしゃれであるというふうに長年指導をしてきましたし、またクレームの対応では、相手の怒りをまずは一旦、自分の感情はさておき、冷静に受け止める、また相手の不安を安心に変えましょうと長年スタッフに指導をし、理不尽な要求にもサービスの現場では丁寧に対応することを指導して求めてまいりました。

例えば、私の地元富山では、冬の観光現場で、雪や寒さ、交通機関の遅れ、外国人観光客の不安対応が重なります。本当に多くの外国人観光客の方が富山を訪れています。おいしい海鮮を求め、雪の世界遺産、五箇山を見に来る方々を笑顔で迎える一方で、現場のスタッフは、寒さ、混雑、列車の遅れ、クレーム対応などを同時に担っております。これはもはや単なる接客ではないと個人的には感じております。地域観光を支える感情労働そのものでございます。

制度上、労働時間、賃金、生産性、人手不足の問題としては扱われても、感情を使い続けることによる労働負荷そのものは十分に評価されていないのではないかとふと気が付いて、これを改善しなくてはならないと私はこの国会にやってまいりました。私は、感情労働を研究してきたわけではございません。感情労働で給料をもらってまいりました。

そこで伺います。

政府は、医療や介護における働き方改革、処遇改善を進める一方で、今言っている感情労働、接客、観光、宿泊、飲食、コールセンターなど、感情労働による負荷が大きいとされるサービス業について、労働時間や生産性だけでは測れない労働負荷をどのように認識し、どのように分析をされているのでしょうか、お答えください。

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