宮田昌彦一般社団法人日本医療機器産業連合会副会長

2026年4月16日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 9 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 124 発言)

よろしくお願いいたします。

日本医療機器産業連合会副会長並びに日本医療機器テクノロジー協会会長の宮田昌彦でございます。

本日は、このような機会をいただき、厚生労働委員会委員の皆様にお礼申し上げます。

お手元にあります資料に従いまして御説明をさせていただきます。

二ページ目をお開きください。

一般社団法人日本医療機器産業連合会は、多種多様な医療機器を製造、販売する、企業約四千社を会員とする二十の業界団体により構成される組織であり、医療機器、医療技術のイノベーションと安定供給を通じて、世界に優れた医療機器テクノロジーを提供し、国民福祉の向上と医療機器産業の発展に寄与することを目的としております。会員二十団体は三ページ目に記載されておりますので、御参照ください。

四ページ目をお開きください。

医療機器は百万品目以上あり、カテーテル、生体モニター、内視鏡、画像診断システム、コンタクトレンズ、SaMDなど、大きさも多種多様でございます。

石油関連原料などは医療機器の様々な用途で使用されており、原材料、部品、容器などの機器そのもの又は一部に使用されているもののほか、医療機器を製造する際の燃料、医療機器の品質を保持するための包装素材、エチレンオキサイドガスのように医療機器の殺菌、滅菌に使用するもの、イソプロパノールのように医療機器の消毒に使用するもの、液体ヘリウムのように装置の冷却に使用するものなど、幅広い用途がございます。

五ページ目をお開きください。

医療機器の原材料の例としては、今回は血液透析について御説明いたします。

血液透析は、腎臓の機能が低下した患者さんの血液を体外で浄化する治療でございます。ダイアライザーと呼ばれるフィルターを用い、内部の中空糸によって老廃物を取り除きます。ダイアライザーに加えて、透析用血液回路や透析針など、治療に必要な全ての医療材料がいわゆるディスポーザブル、使い捨てとなっており、再利用はできません。

国内では約三十三万人の患者さんが治療を受けており、年間約五千百万回分の安定供給が必要でございます。血液透析は代替となる治療手段がなく、仮にこれらの供給が絶たれた場合には患者さんの生命に直結する治療であるということを是非とも御理解いただきたいと思います。

六ページを御覧ください。

血液透析に必要な医療材料の原材料について御説明いたします。

表に示しますとおり、ダイアライザー及び透析用血液回路のそのほとんどがナフサを原料とするプラスチック材料によって製造されています。各メーカーでは原材料や製品の在庫確保に最大限努めており、現時点では直ちに大きな、直ちに医療現場に大きな影響が生じることはございません。しかしながら、今後、必要な原材料や製造用物資の供給が停止した場合には製品が製造できなくなり、現在確保している在庫以降の供給が困難となるおそれがございます。

さらに、ダイアライザーの生産拠点は主に国内ではありますが、透析用血液回路については、製造拠点の多くがタイ、ベトナム、中国にございます。そのため、日本国内のみならず、これら海外製造拠点におけるナフサの確保状況についても継続的に注視していくことが必要であるという状況でございます。

このように、血液透析関連製品はサプライチェーン全体で影響を受けやすく、医療現場や患者様の方々に不安を広げかねない状況であるというふうに認識しております。

七ページを御覧ください。

中東情勢の変化に伴う医療機器供給への影響に関する調査について説明いたします。

調査は、医機連の会員団体のうち、ディスポーザブル医療機器や単回使用の医療材料を扱う製造販売業者三百八社を会員とする団体である日本医療機器テクノロジー協会、MTJAPANが実施いたしました。令和四年の薬事工業生産動態統計によりますと、国内の医療機器市場は約四・二兆円ですが、このうち、MTJAPAN関連の医療材料は約一・九兆円あり、国内医療機器市場の約四五%を占めております。

中東情勢の影響に関する調査は、厚生労働省、経産省から、三月から四回にわたって石油関連原料の需給状況及び医療機器業界への影響度等に係る調査が実施されました。

MTJAPANとしても、会員の実態を把握しておく必要があると判断し、緊急調査を実施いたしました。約千三百の機能区分に分類される医療材料を更に二百八十五に大分類したカテゴリーを使用して、四つの項目について調査を行いました。その結果、六十三社から百八十二の製品カテゴリーの回答が得られました。製品カテゴリーのカバー率は約六四%です。回答企業は少なかったものの、主要企業から回答をいただき、製品カテゴリーの現状は把握できるものと判断しております。

九ページ目を御覧ください。

調査結果を示します。

百八十二の製品カテゴリーのうち、八九%、百六十二の製品カテゴリーで原油由来原材料が使用され、六六%、百二十の製品カテゴリーでサプライヤーからの供給懸念の連絡がありました。四九%、八十九の製品カテゴリーでは半年以内に医療現場へ影響があるとの懸念があり、六四%、百十六の製品カテゴリーではサプライヤーから値上げの要請があったことが明らかになりました。

現在は、在庫によって医療現場への影響は顕在化しておりません。しかしながら、今後供給停止になれば、半年以内に製品の安定供給が懸念されます。また、国内のみならず、海外製造拠点でのナフサを含む原材料の確保が必須であります。

加えて、原材料のみならず、滅菌工程に必要なガスや包装資材に対しても調達の懸念が生じてきております。さらには、中東経由のリスクの高まりから輸入品への懸念も生じております。

十ページを御覧ください。

医機連としましては、これまで厚生労働省、経産省が四回にわたって実施した石油関連原料の需給状況及び医療機器業界への影響度等に係る調査について、会員団体を通じて調査票を配付するとともに、速やかな回答を促す活動を、官民一体となって状況の把握に努めてきたところでございます。

今後の対応としては、政府の調査に加えて、業界としても独自にアンケート調査を実施し、需給状況や医療現場への影響度等の把握に努めるとともに、明らかになった課題があれば業界としての考え方を取りまとめ、政策提言を含めた情報発信をしていきたいというふうに考えております。

また、厚労省及び経産省が三月三十一日に、中東情勢に影響を受ける医薬品、医療機器、医療物資等の確保対策本部を設置したことを受けて、政府との連携の強化及び業界における情報共有の強化を図るために、新たに、関係する会員団体を構成員とする連絡協議会を設置いたしました。

連絡協議会においては、行政による調査への協力、石油関連原料の需給状況や医療現場への影響に係る情報の共有、抽出された課題の整理、課題に対するための政策提言などを行うとともに、業界としての活動につなげていきたいというふうに考えております。

十一ページ目を御覧ください。

医療機器業界が使用する石油関連原料の使用量は、他の業界と比較して決して大量ではないものと考えられますが、医療機器等は医療現場における診断、治療等の医療の提供において必要不可欠なものであり、その供給に支障が生じることは、医療そのものが提供できなくなり、国民の皆様の健康や生命に関わる重大な問題になります。

医療機器等の安定供給のために、医機連では四つの御提案を申し上げます。

まず一つ目。ナフサなどの石油関連原料の供給については、医療機器等の安定供給に支障が生じないように、医療機器業界に優先的に供給していただくようにお願いを申し上げます。また、原材料価格の上昇は医療機器等の製造コストの上昇につながり、ひいては医療機器業界や医療機関の経営への影響や診療報酬への影響も懸念されますので、石油関連原料の調達コストが上昇しないよう、政府に取組をお願いいたします。

二つ目。医療機器等は様々な部品、材料によって構成されており、サプライチェーンが国境を越えて複雑化する中で、石油関連原料の安定供給については、国内の製造拠点のみならず、海外製造拠点も含めて御検討いただければと思います。

三つ目。石油関連原料の安定供給に関しては、医療機器等の部品や素材だけではなく、梱包資材や滅菌工程など、製造工程全体を含めた影響についても御留意いただきたく存じます。

最後、四つ目。政府の御説明では、石油や石油関連原料については当面の供給量が確保されているということでございます。しかしながら、報道やサプライヤーからは石油関連原料の供給懸念や価格引上げについての言及があり、医療現場を始め需要側に不安が生じております。このため、従来どおりの供給量が確保され、かつ価格が不当に引き上げられることがないようにお願いを申し上げます。また、供給不安により過剰な発注など、医療機器等の流通に混乱が生じないよう丁寧な情報を国民に発信していただくことも非常に重要であるというふうに考えます。

医機連といたしましては、医療機器等が医療現場に安定的に供給できるよう、業界を挙げて政府と連携して取り組んでまいりますので、委員の皆様の御指導、御支援をよろしくお願いいたします。

以上です。

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