平井伸治全国知事会副会長/鳥取県知事

2026年4月15日・第221回国会 参議院 憲法審査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 24 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 86 発言)

本日は、こうして、長浜会長の下、憲法審査会に私ども全国知事会を呼んでいただきまして、誠にありがとうございました。

日頃は、中西議員、古賀議員、岩本議員、古庄議員、そして吉田議員、小沢議員、川合議員、谷合議員、また片山議員、安達議員始め、この審査会の皆様にいろいろと御審議をいただき、特に今日からこの審議が活発化するということになり、我々地方団体も、新しい世の中をこの憲法の下で改正をしながらつくっていくのかな、どんな議論があるのかと非常に期待をしているところでございます。是非、私どものそうした意見も聴取をしていただきまして、忌憚のない意見交換、今後、地方側ともできるようにお願いを申し上げたいというふうに思います。

今、裁判のお話がございましたけれども、実は裁判が大分入れ替わってきているんですね。元々、昭和五十八年四月二十七日の大法廷判決がありまして、それが我が国の参議院議員のリーディングケースだったと言われています。そのときに言われていたのが、歴史的、さらには政治的、経済的、社会的な単位として都道府県というものを単位に選挙をすることはそれは合理性があると、立法裁量として認められるということでございました。

また、憲法上、半数改選が参議院について定められていますので、偶数の配分をしなきゃいけないと。この偶数の配分というのは、昭和二十一年、参議院議員選挙法が日本国憲法と併せまして提案をされるという際に、大村当時の内務大臣が提案理由説明をしています。それは、人口をある程度考慮をしながら二人から八人とし、そして偶数を配分すると、これを半数ずつ改選するという、そういうものをつくったわけですよね。

これがやはり影響するわけでありまして、どうしても一定程度、人口の比例の原則というのは後退せざるを得ないと昭和五十八年の大法廷でははっきり言っていたんです。その後、平成二十四年の判決がありまして判例が変更になったようでありますが、ただ、令和五年、先ほど解説がいただきましたけれども、その昭和五十八年のベースに戻ってきているということです。

それはなぜか。それは、例えば徳島県さんは、ここのところずっと参議院の選挙の投票率が最下位になってしまっている。私ども山陰も、島根県さん、そして私ども鳥取県、大体一、二、三位ぐらいを争っていたんです。ところが、今ではもう全国平均並みに鳥取県なんかも落ちている。なぜか。それは、これは私たちの代表じゃないですよというふうに感じるようになってしまったからなんですね。

こういう残念な状況をやはり一刻も早く解消するために地方単位、都道府県単位のことをやるべきではないかというふうに我々は考えました。累次にわたりまして全国知事会では決議を行い、この度、令和七年七月二十四日にもそういう決議をいたしました。

そして、皆様のお手元の方に冊子をお配りをしていますが、これはできたばかりなんですけれども、この度、研究会、民主主義と地方自治の確立に向けた研究会というのをやりまして、その研究の状況、結果を一ページ目、二ページ目に詳細、詳細といいますか、概要だけ書いてあります。また御覧をいただければと思いますけれども。

今日のテーマは、下の方にございますこの参議院合区選挙区についてのものでございます。これは、国会図書館におられた大山礼子先生始め、学識経験者にも入っていただきまして議論を重ねた結果であります。その結論として、ここに書いてありますが、我が国の民主主義、地方自治というのはやはり都道府県を単位として発展してきたということです。これ、歴史が古く、明治二十三年の府県制から始まっているわけです。

この府県制は、なぜ当時都道府県つくることになったのか。それは、モッセの提案に基づいて山形有朋卿が、日本で選挙をやる、衆議院の選挙をやるためにはまず地方自治をつくらなきゃいけないと、みんなで議論をして、そういう固まりをもって、単位をつくってやろうと、そのために府県制というのをつくったということです。これが何と、一貫して当時から今まで一寸も変わらずにその都道府県の区画があるわけですね。

この都道府県の区画に基づいて、例えばPTAの連合会が組織されたり、あるいはJAが組織されたり、商工会関係も労働関係もそうです、みんなここで意見集約して国会へぶつけようということをやるわけです。ですから、都道府県単位の代表でなければ民意がつながらない、糸が切れたということになる。このことが私どもの深い憂慮なんです。そういう意味で、都道府県単位として今日まで発展してきた、合区対象県では声が届けにくい、届かない、こういうことをここで述べております。

地方においては人口減少が進んでいます。令和七年の国調に基づいた次のことを考えようというときに、今回までは我々、島根、鳥取、徳島、高知だったんです。これは人口少ないところだったんです。次から出てくるのは、人口が多いところが横にいるんですよね。この合区って本当にできるのかなということになってきます。そして、我々のところも、もう既に無効票も増えているから何とか回復してくれという強い意思がございます。そのことを是非お酌み取りをいただき、合区の解消にいち早く進んでいただきたい。そういう意味で、憲法論も含めて議論をしていただきたい。もし憲法論が難しくとも、現行公職選挙法に基づく選挙で、最高裁の判例が変わっていますので、踏み出せるはずだろうというふうに思っております。

そして、下の方に、一番下に書いてありますが、この議論に当たっては、地方自治の章、第八章を是非議論していただけると有り難いと思います。その中にございます地方自治の本旨というのがまだ十分明確ではない。特に財政の問題とか行政執行の問題、これを、地方制度調査会でも今議論が始まっていますが、国と地方とどういうふうに事務分担をするかというのを決められるんだと思います。その事務分担をした地方のところ、これを各都道府県、各市町村がそれぞれ公平に財政を執行して行政を執行できるようにする必要があると。こういう財政保障ということ、自律権ということを是非もっと明確に書いていただきたい。それが書かれることによって地方が強くなるということがあります。

そういうことと併せて、最初に大村大臣が参議院議員選挙法で選挙制度を提案したときに明確におっしゃっているのは、都道府県の代表と、当時は職能代表です、全国区、これの組合せで民意を反映するんだということで当時議論を提唱されて今の参議院議員選挙制度が仕上がってきています。これ、その前にGHQと一緒に日本国憲法を作るとき、日本政府側は、上院の方については、これは地方代表と全国代表、職能代表にしたいということを言ったんですが、これ憲法に明記されなかったんです。憲法にはただ、衆参の両院ということと、全国民を代表して選挙で選ぶということまで書かれていますけれども、この地方代表という一言は残念ながら明文化はされなかった。しかし、それがそのまま実は参議院議員選挙法の提案に結び付いているわけですよね。以来、ずっと都道府県単位で選挙を行ってきた、それが我が国の民主主義の健全な発展に我々も貢献してきたというふうに思っています。

そして、そういう意味で、我々、都道府県の知事の間でいつも議論するんですが、是非、参議院は、ドイツだとかアメリカだとか、フランスだとかもそうです、州だとか、ラントだとか、そうしたところと結び付きながら、地方の声を代表していただきたい。地方の府としてのそうした権限行使を参議院の枠組みの中で是非実行していただけないだろうか。これは、GHQに持ちかけた日本国憲法の最初の日本政府の提案の中にもそういうことは実は入っていたわけでございます。

そういうような歴史のある問題でございますが、私は、三年前もこの場に呼ばれました。で、結局進まなかったので、是非、今度こそ、次は令和七年の国調に基づいてもっと厄介なことになりますので、根本的な解決をこの合区問題で図っていただきたいというふうに思います。よろしくお願い申し上げます。

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