西田昌司 (自由民主党)

2026年7月6日・第221回国会 参議院 決算委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 2 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 221 発言)

令和六年度決算外二件を議題として、本日は締めくくり総括質疑を行います。

まず、私が決算委員長として総括的な質疑を内閣総理大臣にいたします。

私は、高市内閣の責任ある積極財政について質問をいたします。

二〇二一年十二月、高市総理が自民党の二度目の政務調査会長になられたとき、財政政策検討本部が発足いたしました。プライマリーバランスにこだわらず、まず政府が積極的に財政出動を行い、経済を活性化させる。そのことにより税収も増え、結果的に財政の健全化につながる。財政再建だけでなく、経済政策全体を議論する組織に改組することを、当時政調会長代理だった私が高市会長に進言したことにより、財政政策検討本部が設置されました。高市会長から私が本部長に任命され、新しい財政政策の在り方についての議論が始まりました。まさに、責任ある積極財政はこの財政政策検討本部に原点があると思っています。

責任ある積極財政を実行する上で一番大切なことは、負債と預貯金の関係を正しく理解することです。政府が国債発行をして予算を執行すれば、その分必ず企業や家計の預貯金が増えます。政府の負債である国債は増えますが、国内で予算を執行している限り、必ず企業や家計など民間部門の預貯金が増えるのです。つまり、政府が国債を発行して予算を執行することは、まさに政府が通貨発行権を行使することなのです。

同じように、企業や家計などの民間部門が銀行からお金を借りれば、企業や家計の負債は増えますが、必ずお金を貸した銀行の預貯金残高が増えます。銀行の預貯金残高が増えるのは、手元にあるお金を銀行に預けるからだとほとんどの人が思っていますが、それは手元のお金が預金に換わっただけのことです。手元のお金と預金の合計額は増えていません。銀行の預金額が増えるのは、誰かがお金を銀行から借りた結果なのです。銀行がお金を貸し出す行為を信用創造と呼びますが、これを英語ではマネークリエーションと言います。まさに、銀行からお金を借りる行為はお金をつくる行為なのです。これと同じく、政府が国債を発行して予算を執行する行為も同じくマネークリエーションなんです。

つまり、民間の負債が増えたり、政府の負債が増えることが、結果的に企業や家計などの民間部門に通貨の供給をすることになるのです。負債である以上、いつかは返済をしなければなりませんが、国債の償還は新たな国債を発行してこれに充当する、いわゆる借換債の発行により行われています。それは基本的に世界共通のルールです。したがって、国債の償還は税金で行われているのではなくて、新たな国債と入れ替えられているだけなんです。自国通貨で発行している国債の償還ができなくなるということは構造上あり得ないのです。

また、借換債と入れ替えているだけですから、国債残高は減りません。先ほど述べたように、新規国債を発行して予算を執行すれば、その分必ず民間の預貯金が増えます。逆に、国債を税金より返済して残高を減らせば、その分必ず民間の預貯金が減ります。預貯金と負債の関係は、国や企業、家計などの負債が増えれば、その分必ず民間の企業や家計の預貯金残高が増えるということが事実なのです。

以上のことは、自民党の鈴木幹事長が財務大臣であったときに、国会での私の質問に対する答弁でも認めている事実であります。

企業や政府が負債を増やすことにより得た資金を支出することにより、誰かの所得が発生しますから、そこに税が課税されます。民間の所得が増加すればするほど、政府に税収が増えます。したがって、民間や政府の負債が増えるほど、民間の誰かの所得が増え、結果的に税収が増えるという因果関係が成り立ちます。

ところが、この三十年ほどの間は、バブルの後の不良債権処理やバーゼル条約の影響を受けて、民間の負債額が急激に減少しました。それにより、経済も極端なデフレ状態に陥り、慢性的な税収不足に見舞われました。その結果、税収不足を補填するため、赤字国債が急激に増加してしまいました。こうした現状に動転をして、与野党共に財政再建を叫び、無駄な予算を削減するという方向に走ったのです。赤字国債を減らすという財政健全化ばかりに目が奪われ、マクロ経済全体に対する配慮が乏しかった、これが失われた三十年の原因なのです。

以上述べてきた私の財政に対する考え方は、単年度のプライマリーバランスにこだわらず、民間の投資を増やし、そのためにも政府の投資を増やすべきだという考え方であり、高市総理の掲げる責任ある積極財政と一致すると思いますが、いかがでしょうか。総理の御所見をお伺いします。

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