山中伸介原子力規制委員会委員長

2026年4月2日・第221回国会 参議院 環境委員会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 20 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 186 発言)

お答えをいたします。

委員から御紹介いただきましたWSPEEDI―Ⅱというのは、更に高度化された計算コードでございます。しかしながら、大規模な集団移動という社会的なオペレーションの脆弱性こそがSPEEDI等の計算コードを避難に使用しない決定的な理由でございます。行政が数万人、数十万人という住民を動かす際、情報の修正あるいは二転三転というのは致命的な混乱をもたらします。大規模な避難は、一度開始されると、途中で止めることも急に方向を変えることも極めて困難な、大きな慣性を持った動きでございます。

現在の原災指針におきましては、原子力発電所から五キロ圏、PAZは予防的避難、三十キロ圏、UPZは屋内退避という単純な距離、同心円を基準としている防護措置をとっております。予測で絞り込むのではなく、まず全方位で備える防護措置をとっております。その上で、放射性物質の放出が始まり、実測値、モニタリングという動かぬ証拠に基づいて範囲を特定していくのがオペレーションとして頑健であるという判断でございます。

原子力規制委員会は、不確実な情報で住民を混乱させること自体が防護上のリスクを増大させるという認識でございます。

WSPEEDI―Ⅱは、先生御紹介のように非常に高度なシステムではございますけれども、今どこに逃げるかを決めるための戦術的な道具としては不向きであると原子力規制委員会は考えております。

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