小幡績慶應義塾大学大学院教授

2026年3月10日・第221回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 14 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 188 発言)

御質問ありがとうございます。

一つ目の御質問に関しては、理論的には全くそのとおりなんですけれども、現実的に、やはり、ないんじゃないかなと思うんですよ。

基金とかファンドとかは、言い方を悪く言えば、補正のときに金額合わせで膨らませてやって、後でいいものを入れようということだと思うんですけれども、結局、ファンドや基金の事後の議論を見ると、うまくいっていないか、全く支出されていない。つまり、いい案件があれば今までの枠組みでもできたはずなので、ということは、政府主導でできる案件はやはり余りないんじゃないか、特に大きな案件では。

つまり、それはなぜかというと、先ほど申し上げたのと同じなんですけれども、やはり、担い手が自ら育ってこないと、そこに乗せるということができないということで、結局、やはり複数年度は、理論上はもちろんそのとおりなんですが、現在の日本でそれをやる力はないし、目利き力ということに関して言えばもっとないので、私はかなり、相当悲観的でいます。

二つ目の話は全く逆で、全くそのとおりなんですけれども、だから、TSMC化というのは問題がちょっとあって。やはり、地方創生という響きはいいんですけれども、実際には地方の止血をしなきゃいけないという。

もう地域社会が壊れている中で、東京とか、TSMCもそうですけれども、高度な産業や都市部での経済発展というのはやはり各地域の基盤の上に成り立っていて、いいとこ取りというかクリームスキミング、上澄みだけを、華やかな大都市という舞台で経済的な効率性で成長を謳歌するということになっていますので。日本の多様性というのも、地方の多様性、地方出身者が都市部に集まることで発展している、いろいろなアイデアが出るということがあると思いますので、地方の社会基盤の整備に一番お金は使っていただきたいと思います。

そのときに、ただ、国としてTSMCをやることに対しては一点問題がありまして、かつて、どこの工場と言うのは語弊がありますが、東北地方にエレクトロニクス系の工場を、パソコンでもいろいろな半導体でも造った場合に、五年ぐらいでやはり時代遅れになるんですね。五年後もその工場が勝ち続けるかどうかというのは何とも言えないので。一旦そこに工場を造って、みんなが、地域がそこに地域の命運を預けても、例えば、そこのメーカーサイドとしては、五年になったら山形は撤退しますとか、仙台は撤退しますとか、そういうことになってしまうので。

やはり、ボトムアップで地域から出てきた、自ら、地元の人、地元の意見、地元のプレーヤーがお金が足りない、助けてほしいというものを各地方自治体が支援する、そういうような、手間暇かけることが重要だと思うんですよ。日本の政策で一番重要なのは、政策はお金を突っ込めば自動的にできるような錯覚に陥っていますけれども、効率性を重視しますから。やはり、手間暇かけるということが重要だと思います。

済みません、長くなりました。

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