福田徹 (国民民主党)

2026年3月9日・第221回国会 衆議院 予算委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 105 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 553 発言)

ありがとうございます。

人生会議は大切なもので、政府も推進していることが確認できました。

私たち国民民主党は、人生会議の制度化という政策を掲げています。

一点、最初に確認しておきたいのは、人生会議について話をすると、医療費削減のために命を選別するのか、こういうお声をいただきますが、私の意図は全く違います。私は、人生会議は医療費削減のものでは決してなく、本人が望む最期を迎えるために、本人の幸せのために行うものだと確信しております。私、ずっと救急医として人の最善の最期に向き合い、悩み、支えてきた人間です。全く医療費削減のためではないということだけ、まず御理解ください。

その上で、人生会議について、令和四年度調査で、一般国民の間では、人生会議についてよく知っているは五・九%、聞いたことはあるがよく知らない、知らないを合わせると九三・六%と、ほとんど知られていない現状で、更なる周知が必要です。

一方で、数少ないものの、人生会議を知っていて、本人の最期の迎え方の意思を持っていても、それが実現されないということが全く珍しくありません。例えば、救急医療に携わっていてよく出会う状況を御紹介します。

高齢者施設の入所者で、本人は、自分が最期を迎えるときは蘇生行為などしてほしくないという意思をしっかり示していらっしゃる。今は、入居時に書面を作成することもよくあります。ただ、ある夜、夜勤スタッフが見回りをしていて、その方が心肺停止となっている。もうスタッフは頭がパニックです、どうすればいいんだろうと。でも、たしかこの方は蘇生希望はなかったんじゃないか。急いで情報ファイルを開けてみるけれども、あのあったはずの紙がないみたいなの。

書面があったとしても、これは本当に救急車を呼ばなくていいの、何かあったら責任を追及されるんじゃと。例えば施設長とかに電話しようとしても、夜中だとつながらない。こういうことはよくあるんですよね。それで、もう救急車を呼ぶしかないと。夜勤スタッフというのは、こうやってすごく大変な思いをしているんです。

特に日常からその施設で働いているような方というのは、入所者のことをよく知っていて、もうちょっと落ち着いて対応できるかもしれないけれども、今はスポット勤務のスタッフの方もいっぱいいらっしゃる。こうやって本人の意思があっても、それが実現しない、望む最期を迎えられないケースというのが山ほどあります。

私たち病院の医療者も、簡単ではありません。

現在、日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本循環器学会、日本緩和医療学会で、救急・集中治療における生命維持治療終了、差し控えに関する四学会合同ガイドライン、これを作成中です。今は、医療機関では、二〇一四年に公表された救急・集中治療における終末期医療に関するガイドラインを参考にしています。ただ、今でも現場では不安だという声が多いです。

一つは、対象となる救急、集中治療における終末期の定義が、集中治療室等で治療されている急性重症患者に対して適切な治療を尽くしても救命の見込みがないと判断される時期とされたため、自宅や高齢者施設で徐々に体が弱くなっているほとんどのケースと違っている点です。

もう一つ大事なのが、法的な責任を問われる懸念が払拭できなかった点です。そもそも、学会が作ったものですので、法的に担保されていません。このガイドラインには、本人の事前指示がある場合、それを尊重することを原則とするとあります。当然そうだと思います。

では、この事前指示が法的に担保されているのかが問題になります。本人の意思があったとしても、周りにいる御家族が違う場合もあります。突然、ふだん周りにいない遠い親戚や知人が入ってくることもあります。様々な複雑な事情とリスク回避で、本人の意思から外れて、これくらいやっておこうという医療が行われています。私もやっていました。日本中で行われていると思います。

本人の意思が、そのときの空気で飛ばされてしまうんです。空気で飛ばされないように、本人の意思を支えられるのは、もう法しかないと思うんですよね。

何度も繰り返します。決して医療費の話ではないです。全ての人が望む最期を迎えることを支えたい、そういう話です。本人は頑張っています。周りの家族も頑張っています。それを支える医療者や介護者もみんな頑張っています。その上で、国も頑張りたい、そういうところなんです。国も責任を持って、人間の最期にそろそろ向き合う時期なんじゃないかなと思っております。

お聞きします。

全ての人が望む最期を迎えるための、それを支えるための人生会議の法制化や本人の意思を法で認めること、これを検討しませんでしょうか。

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