チームみらいの高山聡史です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました内閣提出の刑事訴訟法改正案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)
まず申し上げたいのは、本日、この本会議に再審制度をめぐる二つの改正案が並んで上程されている、その事実の重みです。
再審の手続規定は、昭和二十三年の現行法制定以来、一度も本格的に見直されてきませんでした。七十年以上動かなかった開かずの扉の仕組みが、今現に動こうとしている。その原動力は、無実の罪を背負わされ、人生の大半を奪われてきた冤罪被害者お一人お一人、そして、そうした方々をずっと支えてきた方々の存在にほかなりません。
そして、もう一つの原動力が、与野党の枠を超えて積み上げられてきた議論の力です。与党内でも、国会内でも、立場の異なる議員同士が、冤罪被害者の迅速かつ確実な救済を制度として保障するには何を行うべきか議論を重ね、法案の修正を重ねてきたその過程に対して、敬意を表したいと思います。
その上で、内閣提出案について看過し難い三つの懸念を申し上げます。
第一に、証拠開示の範囲です。
無実を示す証拠が捜査機関の手元に眠ったまま開示されなければ、被告人はそもそも戦うことができません。袴田事件で半世紀以上を要した原因も、証拠開示が遅れたことにありました。内閣提出案では、請求人は証拠の全体像を把握することが難しく、何をどこまで開示するのかが裁判所の裁量に大きく左右されかねません。無辜の被告人を救済するための入口が狭くなりはしないかという懸念に、我々は応える必要があります。
第二に、開示された証拠の目的外利用の扱いです。
内閣提出案は、証拠の目的外利用を罰則をもって禁じています。非公開で行われる再審請求審の閉ざされた手続の中で請求人や弁護人におもしがかかれば、証拠の検証を社会に問うという、冤罪を晴らすために不可欠の営みそのものが萎縮しかねません。冤罪被害者を救うための法改正で冤罪を明らかにする行為を縛ることにならないか、我々は極めて慎重になるべきです。
第三に、再審開始決定に対する検察官の抗告です。
再審を開くという裁判所の判断が抗告によって引き延ばされる、この仕組みこそが救済を遅らせてきた事実に我々は向き合わねばなりません。内閣提出案は、これを原則禁止とした点で一歩前進ではあります。しかし、例外も残しました。この例外が運用次第で抜け道とならないか、我々は注視をしていく必要があります。
最後に、見直し規定について申し上げます。
見直し規定もあるのだから、行き過ぎを避けるために慎重に制度設計して、不十分な点は後から見直しで正せばよいという考えもあるかもしれません。法律は、必ずしも完璧なものではありません。足らざるところや誤りがあれば見直し、よりよく改正すべきものです。
しかし、冤罪によって奪われた人生は二度と取り返すことができないものです。過ぎたるは及ばざるがごとしと申します。行き過ぎはいけません。しかし、その行き過ぎを恐れる余り、足らざる法案にしてしまっては本末転倒であります。
私は、今回の法改正においては、無実の人を一人でも多く救うことこそ第一とすべきだと考えます。法律の行き過ぎは後から正すことができても、奪われた歳月が戻ることはありません。
今回の刑事訴訟法改正は、議論の終着点ではなく、刑事訴訟法がその冒頭で掲げる公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を両立させるための新たな一歩目となるべきものです。今後も真摯な議論がなされることを心からお願い申し上げて、私の討論といたします。(拍手)
16
森英介議長
和田政宗君。
〔和田政宗君登壇〕
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17
和田政宗(参政)
参政党の和田政宗です。
修正された内閣提出の刑事訴訟法改正案に賛成、西村智奈美君外三名提出の刑事訴訟法改正案に反対の立場で討論をいたします。(拍手)
参政党は、何よりも冤罪を生まないこと、そして、冤罪被害に苦しまれている方がいらっしゃれば速やかに救済することが極めて重要だと考えています。
内閣提出法案が十分かといえば、いまだ改善点は様々あります。ですが、再審請求者の手続保障を一歩でも前に進めようという考えから、参政党は、与党と修正協議を行い、修正案を共同提出しました。
刑事訴訟法改正案は、証拠開示のルールや決定日の通知など再審手続規定の整備を行う…
この発言のページ
18
森英介議長
高山聡史君。
〔高山聡史君登壇〕
この発言のページ
- (上の発言)
19
高山聡史(みらい)
チームみらいの高山聡史です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました内閣提出の刑事訴訟法改正案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)
まず申し上げたいのは、本日、この本会議に再審制度をめぐる二つの改正案が並んで上程されている、その事実の重みです。
再審の手続規定は、昭和二十三年の現行法制定以来、一度も本格的に見直されてきませんでした。七十年以上動かなかった開かずの扉の仕組みが、今現に動こうとしている。その原動力は、無実の罪を背負わされ、人生の大半を奪われてきた冤罪被害者お一人お一人、そして、そうした方々をずっと支えてきた方々の存在にほかなりません。
そして、もう一つの原動力が、与野党の枠を超えて積み上げられてきた議論の力です。与党内でも、国会内でも、立場の異なる議員同士が、冤罪被害者の迅速かつ確実な救済を制度として保障するには何を行うべきか議論を重ね、法案の修正を重ねてきたその過程に対して、敬意を表したいと思います。
その上で、内閣提出案について看過し難い三つの懸念を申し上げます。
第一に、証拠開示の範囲です。
無実を示す証拠が捜査機関の手元に眠ったまま開示されなければ、被告人はそもそも戦うことができません。袴田事件で半世紀以上を要した原因も、証拠開示が遅れたことにありました。内閣提出案では、請求人は証拠の全体像を把握することが難しく、何をどこまで開示するのかが裁判所の裁量に大きく左右されかねません。無辜の被告人を救済するための入口が狭くなりはしないかという懸念に、我々は応える必要があります。
第二に、開示された証拠の目的外利用の扱いです。
内閣提出案は、証拠の目的外利用を罰則をもって禁じています。非公開で行われる再審請求審の閉ざされた手続の中で請求人や弁護人におもしがかかれば、証拠の検証を社会に問うという、冤罪を晴らすために不可欠の営みそのものが萎縮しかねません。冤罪被害者を救うための法改正で冤罪を明らかにする行為を縛ることにならないか、我々は極めて慎重になるべきです。
第三に、再審開始決定に対する検察官の抗告です。
再審を開くという裁判所の判断が抗告によって引き延ばされる、この仕組みこそが救済を遅らせてきた事実に我々は向き合わねばなりません。内閣提出案は、これを原則禁止とした点で一歩前進ではあります。しかし、例外も残しました。この例外が運用次第で抜け道とならないか、我々は注視をしていく必要があります。
最後に、見直し規定について申し上げます。
見直し規定もあるのだから、行き過ぎを避けるために慎重に制度設計して、不十分な点は後から見直しで正せばよいという考えもあるかもしれません。法律は、必ずしも完璧なものではありません。足らざるところや誤りがあれば見直し、よりよく改正すべきものです。
しかし、冤罪によって奪われた人生は二度と取り返すことができないものです。過ぎたるは及ばざるがごとしと申します。行き過ぎはいけません。しかし、その行き過ぎを恐れる余り、足らざる法案にしてしまっては本末転倒であります。
私は、今回の法改正においては、無実の人を一人でも多く救うことこそ第一とすべきだと考えます。法律の行き過ぎは後から正すことができても、奪われた歳月が戻ることはありません。
今回の刑事訴訟法改正は、議論の終着点ではなく、刑事訴訟法がその冒頭で掲げる公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を両立させるための新たな一歩目となるべきものです。今後も真摯な議論がなされることを心からお願い申し上げて、私の討論といたします。(拍手)
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森英介議長
これにて討論は終局いたしました。
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森英介議長
これより採決に入ります。
まず、日程第二、西村智奈美君外三名提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。
本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
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森英介議長
起立少数。よって、本案は否決されました。
次に、日程第三、内閣提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
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