山崎正恭議員の御質問にお答えいたします。
まず、個人情報保護に対する認識についてのお尋ねがありました。
御指摘のありましたEUでは、EU基本権憲章等において個人データの保護に関する権利が明記されていると承知しております。
我が国では、個人情報保護法第三条において基本理念が規定されています。この基本理念について、同法に基づき閣議決定された個人情報の保護に関する基本方針では、個人情報が個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が個人として尊重されることを定めた憲法第十三条の下、慎重に取り扱われるべき旨を定めたものであるとお示ししております。本法案は、この基本理念を踏まえた上で所要の改正を行うものです。
なお、日本とEUの間では互いのデータ保護制度を同等と認める相互認証の枠組みを構築しており、個人情報保護法は、EUの一般データ保護規則に基づき、欧州委員会により、十分な保護水準を確保しているとの認定が得られております。
次に、同意要件緩和の基準についてお尋ねがありました。
事業者が個人データを第三者に提供する場合等には、原則として本人の同意を取得する必要があります。本法案においては、この本人同意の原則は維持しつつ、本人の意思に反しないため権利利益が害されないことが明らかである場合には、本人同意を不要とすることとしております。
そのような場合として、本法案では、契約の履行のために必要やむを得ないことが明らかである場合と委員会規則で定める場合を規定しております。
この必要やむを得ないとは、必要性があり、かつ、他の手段によっては契約の目的を達成することができない場合に限定する趣旨であり、その旨は個人情報保護委員会においてガイドライン等で明確にしていくものと承知しております。
また、委員会規則で定める場合については、個人情報保護委員会において、本人の意思に反しないことが明らかな場合に限定して規定を整備するものと承知しております。例えば、本人の望む契約の締結に先立って個人データを第三者に提供すること等が必要やむを得ないことが明らかである場合が考えられると承知しております。
事業者が本規定に基づき第三者提供を行う場合等には、委員会規則やガイドライン等を踏まえ、要件への該当性について慎重に判断することが求められます。個人情報保護委員会においても、その遵守状況について適時の把握に努め、違反が認められた場合には必要な監督を行い、本人の権利利益保護を適切に図っていくものと承知しております。
次に、AIによる差別的取扱いのリスクについてお尋ねがありました。
個人情報保護法は、個人情報の取扱いに関する一般法であり、AIの開発や利用についてもその限りにおいて規律されます。同法では、事業者が違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用することは禁止されていますが、AIの開発や利用における個人情報の取扱いに関してもこの規定は適用されます。
例えば、開発について言えば、違法な差別が誘発されるおそれがあるAIモデルを、そのようなおそれを予見しつつ、個人情報を用いて作成し公開すること、利用について言えば、性別、国籍等により正当な理由なく本人に対する違法な差別的取扱いを行うために、個人情報をAIモデルに入力することは、いずれも現行法の規定に基づいて違法になり得るものと考えております。
また、統計作成等の特例の対象となるAI開発等の範囲は、委員会規則、ガイドライン等で定めることとしておりますが、御指摘の御懸念も踏まえつつ、個人情報保護委員会において適切に検討していくものと承知しております。
加えて、同委員会においては、技術の進展等に伴い新たに生じる違反行為に迅速かつ適切に対応するため、専門性を有する人材の育成、確保に努めるなど、更なる執行体制面の強化に不断に取り組んでいるものと承知しております。
次に、子供の個人情報に係る利用停止等についてお尋ねがありました。
利用停止等については、令和二年改正において要件が緩和され、違法に個人情報が取り扱われている場合に加え、本人の権利利益が害されるおそれがある場合等にも請求できることとなりました。
さらに、本法案においては、本人の権利利益により配慮すべき子供の個人情報について、御指摘のとおり、原則として無条件で利用停止等を請求できることとしております。
利用停止等については、子供の個人情報に係るものも含め、個人情報保護委員会において、引き続き、必要な周知啓発等を行うなど、より実効的に請求できる環境の整備を推進していくものと承知しております。
次に、課徴金制度における本人の数に係る要件についてお尋ねがありました。
本人の数が一千人を超えない場合であっても、違反行為の是正に係る勧告、命令等には本人の数に係る要件はありませんので、個人情報保護委員会において、これらの監督権限の適切な行使を通じて、本人の権利利益保護を適切に図っていくものと承知しております。
それを前提に、今回導入する課徴金制度においては、違反行為の抑止の必要性がより高い事案に対し、迅速、機動的な対応を確保する観点から、違反行為に係る本人の数によって課徴金納付命令の対象を限定することとしております。
その上で、大規模事案として個人情報保護法上の漏えい等の報告対象となる基準が一千人であること等を踏まえ、本人の数が一千人超の場合を課徴金納付命令の対象としたものです。
また、本法案附則第十四条において、本法案の施行後三年ごとに見直しを検討する旨が規定されており、個人情報保護委員会による権限行使の状況も踏まえ、同委員会において対象要件の見直し等を継続的に検討していくものと承知しております。
次に、本法案において団体訴訟制度の導入を見送った理由についてお尋ねがありました。
個人情報保護委員会においては、既存の適格消費者団体の活用を念頭に、団体訴訟制度の導入を検討してまいりました。
検討の結果、個人情報保護法は個人の権利利益を保護するものである一方、適格消費者団体が利益を擁護するのは消費者であるため、団体訴訟制度の対象となり得る違法な個人情報の取扱いの範囲について引き続き法制的な整理が必要であること、消費者団体等からは、個人情報の取扱いの態様等が外部から明らかではないため、適格消費者団体にとって事実関係の把握が容易でない場合も多いといった実務上の課題に対処する必要性を指摘する意見もあったこと等を踏まえ、団体訴訟制度の導入については見送ることとしました。
一方で、個人の権利利益の保護を図ることは重要であり、個人情報保護委員会においては、消費者団体等との連携を強化すること、一般の個人からの相談を受け付ける窓口の活用を促進すること、適正な監督権限の行使により迅速な違法行為の抑止を図ること等により、個人の権利救済が適切に図られるよう取り組んでいくものと承知しております。
次に、委員会の執行体制と独立性についてお尋ねがありました。
個人情報保護委員会は、いわゆる三条委員会であり、強い独立性を有した組織です。
現行法においても、同委員会において、法律上問題が見られた場合には指導等の権限行使を行うなど、適時適切に対処していると承知しております。
今回の改正法案に対応するため、同委員会において、専門性を有する人材の育成、確保や、更なる執行体制面の強化を図るなど、準備を進めていると承知しております。
次に、国等データ活用事業指針についてお尋ねがありました。
デジタル行政推進法等改正案においては、民間事業者等が国等の保有するデータを活用して国民の利便性向上を図る事業について認定制度を創設することとしており、これに関し、内閣総理大臣が重点分野等の重要事項について定めた国等データ活用事業指針を策定することとしております。
重点分野を含め、本指針の策定に当たっては、我が国におけるデータ利活用の促進に資するものとなるよう、データの安全管理にも留意しつつ、今後、有識者等の意見や実際のニーズ等を幅広く丁寧にお伺いするなど、透明性を確保しながら検討してまいります。
次に、デジタル人材の育成についてお尋ねがありました。
御指摘のデジタル社会の実現に向けた重点計画では、重点政策として女性デジタル人材育成の推進を盛り込み、女性のデジタルスキルの習得支援や就労支援等を推進しています。
また、昨年六月に新・女性デジタル人材育成プランを策定し、デジタルスキルを生かした女性活躍の様々な具体的な姿を示しつつ、それぞれに対応した支援メニューを提示するとともに、柔軟な働き方の推進など必要な施策を盛り込み、取組を進めているところです。
引き続き、デジタル社会の実現に向けた重点計画等に基づき、女性を含めたデジタル人材の育成、確保に取り組んでまいります。(拍手)
3
松本尚(自民)デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障)
情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案及び個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
まずは、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
デジタル技術の急速な進展に伴い、データの利活用に対する需要が高まっていることを踏まえ、国の行政機関等の保有するデータを活用し、行政手続に関連する国民の利便性の向上を図るため、所要の規定を整備する必要があります。
次…
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4
森英介議長
ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。山崎正恭君。
〔山崎正恭君登壇〕
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5山山崎正恭(中道)
中道改革連合・無所属の山崎正恭です。(拍手)
冒頭、昨日の三陸沖を震源とする地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
気象庁及び内閣府防災は、今回の地震を受け、北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表しています。私自身、我が国で暮らす皆様の命を守るため、正確な情報を収集し、全力で行動してまいる所存です。政府におかれましても、最優先で、徹底した対策を行っていただくよう強く求めます。
改めまして、ただいま議題となりました情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案、個人情報の保護に関する法律等…
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- (上の発言)
6
松本尚(自民)デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障)
山崎正恭議員の御質問にお答えいたします。
まず、個人情報保護に対する認識についてのお尋ねがありました。
御指摘のありましたEUでは、EU基本権憲章等において個人データの保護に関する権利が明記されていると承知しております。
我が国では、個人情報保護法第三条において基本理念が規定されています。この基本理念について、同法に基づき閣議決定された個人情報の保護に関する基本方針では、個人情報が個人の人格と密接な関連を有するものであり、個人が個人として尊重されることを定めた憲法第十三条の下、慎重に取り扱われるべき旨を定めたものであるとお示ししております。本法案は、この基本理念を踏まえた上で所要の改正を行うものです。
なお、日本とEUの間では互いのデータ保護制度を同等と認める相互認証の枠組みを構築しており、個人情報保護法は、EUの一般データ保護規則に基づき、欧州委員会により、十分な保護水準を確保しているとの認定が得られております。
次に、同意要件緩和の基準についてお尋ねがありました。
事業者が個人データを第三者に提供する場合等には、原則として本人の同意を取得する必要があります。本法案においては、この本人同意の原則は維持しつつ、本人の意思に反しないため権利利益が害されないことが明らかである場合には、本人同意を不要とすることとしております。
そのような場合として、本法案では、契約の履行のために必要やむを得ないことが明らかである場合と委員会規則で定める場合を規定しております。
この必要やむを得ないとは、必要性があり、かつ、他の手段によっては契約の目的を達成することができない場合に限定する趣旨であり、その旨は個人情報保護委員会においてガイドライン等で明確にしていくものと承知しております。
また、委員会規則で定める場合については、個人情報保護委員会において、本人の意思に反しないことが明らかな場合に限定して規定を整備するものと承知しております。例えば、本人の望む契約の締結に先立って個人データを第三者に提供すること等が必要やむを得ないことが明らかである場合が考えられると承知しております。
事業者が本規定に基づき第三者提供を行う場合等には、委員会規則やガイドライン等を踏まえ、要件への該当性について慎重に判断することが求められます。個人情報保護委員会においても、その遵守状況について適時の把握に努め、違反が認められた場合には必要な監督を行い、本人の権利利益保護を適切に図っていくものと承知しております。
次に、AIによる差別的取扱いのリスクについてお尋ねがありました。
個人情報保護法は、個人情報の取扱いに関する一般法であり、AIの開発や利用についてもその限りにおいて規律されます。同法では、事業者が違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用することは禁止されていますが、AIの開発や利用における個人情報の取扱いに関してもこの規定は適用されます。
例えば、開発について言えば、違法な差別が誘発されるおそれがあるAIモデルを、そのようなおそれを予見しつつ、個人情報を用いて作成し公開すること、利用について言えば、性別、国籍等により正当な理由なく本人に対する違法な差別的取扱いを行うために、個人情報をAIモデルに入力することは、いずれも現行法の規定に基づいて違法になり得るものと考えております。
また、統計作成等の特例の対象となるAI開発等の範囲は、委員会規則、ガイドライン等で定めることとしておりますが、御指摘の御懸念も踏まえつつ、個人情報保護委員会において適切に検討していくものと承知しております。
加えて、同委員会においては、技術の進展等に伴い新たに生じる違反行為に迅速かつ適切に対応するため、専門性を有する人材の育成、確保に努めるなど、更なる執行体制面の強化に不断に取り組んでいるものと承知しております。
次に、子供の個人情報に係る利用停止等についてお尋ねがありました。
利用停止等については、令和二年改正において要件が緩和され、違法に個人情報が取り扱われている場合に加え、本人の権利利益が害されるおそれがある場合等にも請求できることとなりました。
さらに、本法案においては、本人の権利利益により配慮すべき子供の個人情報について、御指摘のとおり、原則として無条件で利用停止等を請求できることとしております。
利用停止等については、子供の個人情報に係るものも含め、個人情報保護委員会において、引き続き、必要な周知啓発等を行うなど、より実効的に請求できる環境の整備を推進していくものと承知しております。
次に、課徴金制度における本人の数に係る要件についてお尋ねがありました。
本人の数が一千人を超えない場合であっても、違反行為の是正に係る勧告、命令等には本人の数に係る要件はありませんので、個人情報保護委員会において、これらの監督権限の適切な行使を通じて、本人の権利利益保護を適切に図っていくものと承知しております。
それを前提に、今回導入する課徴金制度においては、違反行為の抑止の必要性がより高い事案に対し、迅速、機動的な対応を確保する観点から、違反行為に係る本人の数によって課徴金納付命令の対象を限定することとしております。
その上で、大規模事案として個人情報保護法上の漏えい等の報告対象となる基準が一千人であること等を踏まえ、本人の数が一千人超の場合を課徴金納付命令の対象としたものです。
また、本法案附則第十四条において、本法案の施行後三年ごとに見直しを検討する旨が規定されており、個人情報保護委員会による権限行使の状況も踏まえ、同委員会において対象要件の見直し等を継続的に検討していくものと承知しております。
次に、本法案において団体訴訟制度の導入を見送った理由についてお尋ねがありました。
個人情報保護委員会においては、既存の適格消費者団体の活用を念頭に、団体訴訟制度の導入を検討してまいりました。
検討の結果、個人情報保護法は個人の権利利益を保護するものである一方、適格消費者団体が利益を擁護するのは消費者であるため、団体訴訟制度の対象となり得る違法な個人情報の取扱いの範囲について引き続き法制的な整理が必要であること、消費者団体等からは、個人情報の取扱いの態様等が外部から明らかではないため、適格消費者団体にとって事実関係の把握が容易でない場合も多いといった実務上の課題に対処する必要性を指摘する意見もあったこと等を踏まえ、団体訴訟制度の導入については見送ることとしました。
一方で、個人の権利利益の保護を図ることは重要であり、個人情報保護委員会においては、消費者団体等との連携を強化すること、一般の個人からの相談を受け付ける窓口の活用を促進すること、適正な監督権限の行使により迅速な違法行為の抑止を図ること等により、個人の権利救済が適切に図られるよう取り組んでいくものと承知しております。
次に、委員会の執行体制と独立性についてお尋ねがありました。
個人情報保護委員会は、いわゆる三条委員会であり、強い独立性を有した組織です。
現行法においても、同委員会において、法律上問題が見られた場合には指導等の権限行使を行うなど、適時適切に対処していると承知しております。
今回の改正法案に対応するため、同委員会において、専門性を有する人材の育成、確保や、更なる執行体制面の強化を図るなど、準備を進めていると承知しております。
次に、国等データ活用事業指針についてお尋ねがありました。
デジタル行政推進法等改正案においては、民間事業者等が国等の保有するデータを活用して国民の利便性向上を図る事業について認定制度を創設することとしており、これに関し、内閣総理大臣が重点分野等の重要事項について定めた国等データ活用事業指針を策定することとしております。
重点分野を含め、本指針の策定に当たっては、我が国におけるデータ利活用の促進に資するものとなるよう、データの安全管理にも留意しつつ、今後、有識者等の意見や実際のニーズ等を幅広く丁寧にお伺いするなど、透明性を確保しながら検討してまいります。
次に、デジタル人材の育成についてお尋ねがありました。
御指摘のデジタル社会の実現に向けた重点計画では、重点政策として女性デジタル人材育成の推進を盛り込み、女性のデジタルスキルの習得支援や就労支援等を推進しています。
また、昨年六月に新・女性デジタル人材育成プランを策定し、デジタルスキルを生かした女性活躍の様々な具体的な姿を示しつつ、それぞれに対応した支援メニューを提示するとともに、柔軟な働き方の推進など必要な施策を盛り込み、取組を進めているところです。
引き続き、デジタル社会の実現に向けた重点計画等に基づき、女性を含めたデジタル人材の育成、確保に取り組んでまいります。(拍手)
7
森英介議長
これにて質疑は終了いたしました。
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8
森英介議長
本日は、これにて散会いたします。
午後二時六分散会
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出席国務大臣
国務大臣 松本 尚君
出席副大臣
内閣府副大臣 今枝宗一郎君
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