吉田宣弘 (中道改革連合)

2026年4月16日・第221回国会 衆議院 本会議 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 26 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 32 発言)

中道改革連合の吉田宣弘です。

私は、中道改革連合・無所属を代表し、ただいま議題となりました防衛省設置法改正案について質問いたします。(拍手)

まず冒頭、本改正案を所管する防衛大臣及び防衛省も大いに注視していると推察される、ホルムズ湾の封鎖等イラン情勢の緊迫化が国民の生命や健康に深刻な影響を及ぼしかねないという観点から、医療用品の供給の確保について質問いたします。

とりわけ、人工透析は透析患者が命をつなぐ大切な医療です。人工透析の結果、排液が発生します。この排液は適切に処理される必要があり、通常は医療廃棄物として管理されます。しかるに、人工透析の排液を回収する容器は、日本国内のシェア七割をタイ製のものが占めている、イラン情勢の緊迫化でタイへのナフサ供給が今月半ばで終了する可能性もあるとの状況をお聞きいたしました。結果、排液回収容器が日本に輸入できず、透析治療に支障が出る可能性が危惧されています。

今、現場に必要なのは、ナフサを原料に製造される製品です。特に、医療用の製品の不足は国民の命に直結します。政府として、医療用製品の不足が生じないように、ナフサを原料とした製品、特に透析用の医療用品の確保にも注意を払うべきと考えますが、上野厚労大臣の見解をお聞かせください。

次に、核兵器拡散抑止は、日本の防衛政策、ひいては今後の防衛省設置法の在り方にも大いに影響があると推察されます。

この点、核拡散防止条約、NPT再検討会議が四月二十七日からニューヨークの国連本部で始まります。直近の再検討会議は二回連続で最終文書を採択できずに決裂しており、国連の中満軍縮担当上級代表・事務次長は、今回も成果文書を出せなければ条約の空文化が始まる可能性があると危機感を示しているとのことでございます。

しかし、報道によると、今回の会議には高市総理や茂木外務大臣も出席を見合わせるとのことでございます。二〇二二年には運用検討会議に岸田総理が、二〇二五年には運用検討会議準備委員会に岩屋外務大臣が出席されているので、残念であります。

そこで、今回行われる再検討会議に対する政府の認識と、総理も外務大臣も出席を見合わせ、外務副大臣の出席にとどめる理由についてお聞かせください。

次に、防衛装備品の移転について、改定が予定されている国家安全保障戦略と関連して質問いたします。

小泉防衛大臣は、安全保障委員会における大臣所信の中で、三文書を前倒しで今年中に改定しますと述べられました。前回の改定から三年と四か月しか経過していませんが、改定の背景となる我が国を取り巻く安全保障環境に対する防衛省の認識は、前回改定時と比べてどのように変化しているのでしょうか。お答えください。

次に、小泉防衛大臣は、防衛装備移転は、力による一方的な現状変更を抑止し、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出する重要な政策的手段であり、防衛産業の成長にも資するものですとお述べになりました。

では、防衛装備品移転は、なぜ力による一方的な現状変更を抑止することになるのか、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出することになるのか、防衛産業の成長にも資することになるのか、答弁を求めます。

中道改革連合としても、防衛装備移転は、インド太平洋地域の平和と安定に資する重要な政策手段となり得ると認識をしております。しかし、完成品の移転は地域の抑止バランスや緊張に直結するため、武力紛争当事国への移転を可能とする例外規定を設ける場合、その基準や例示は厳格であるべきであり、専守防衛の中で論理的整合性を保ちつつ積み上げてきた我が国の安全保障政策とは、これからもその整合性を保ち続けていかなければなりません。

また、政府は、防衛装備移転三原則において、国際連合憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念及びこれまでの平和国家としての歩みを引き続き堅持すると明記しています。

今般、防衛装備移転三原則の運用指針の一部である、いわゆる五類型を撤廃する議論が防衛省及び関係省庁の中で検討が進められているとお聞きをしております。

そこで、先日、中道改革連合、立憲民主党・無所属、公明党は、防衛装備移転三原則の運用指針の見直し及び厳格化に関する提言を政府に提出いたしました。

現行の五類型は、主にシーレーン防衛を始め海洋安全保障を念頭に、インド太平洋地域の平和と安定を図るための政策手段として設定されたものと承知をしております。五類型を撤廃することは、この設定された枠組みからより広範な防衛装備移転へと、目的が拡大、変容する可能性があります。

そこで、なぜこのような可能性を含む装備移転が必要なのか、これまでの憲法の平和主義の理念との論理的な整合性は保てるのか、また、国連憲章を遵守するという平和国家としての基本理念にかなうのか、これら必要性、正当性は事前に国会において国民の皆様に説明されるべきと考えますが、防衛大臣から受け止めを伺いたく存じます。

さらに、新たに殺傷能力の高い武器を移転する場合は、閣議決定という行政府全体で責任を負うのみならず、立法府の政治的判断も仰ぐべきと考え、アメリカのFMS、対外有償軍事援助の手続を参考に、一定の額を超える案件については国会への事前通知を検討すべきとの内容がさきの提言の中に含まれています。

政府が検討している事後通知では、国会の関与とは言えないのではないでしょうか。政府は、一定の額などの条件を上回る武器移転の際の国会に対する事前通知について、どう考えていますか。受け止めと、今後、事前通知の検討を行うかどうかについて、答弁を求めます。

次に、適法に行われた防衛装備品の移転であっても、譲受け国において、我が国の平和国家としての理念にそぐわない行為に用いられる可能性を論理的には否定できません。また、防衛産業の健全な成長は我が国の継戦能力強化のために必要ではございますが、国民の皆様に疑義を生じせしめるような政官業の関係は抑止されなければなりません。

そこで、防衛装備品の移転については、その高度な秘匿性に十分配慮しつつも、政官業の適切な距離感の下、移転判断の根拠やプロセスを可能な限り可視化し、事後的な検証を可能にする情報公開の仕組みを整えるべきと考えますが、防衛大臣から受け止めを伺いたく存じます。

次に、昨年、サイバー対処能力強化法及び同整備法が成立し、本年十月一日から施行されます。サイバー対処能力強化法では、サイバーディフェンスはもとより、いわゆるアクティブサイバーディフェンスが任務として認められています。

そこで、サイバーディフェンスはもとより、アクティブサイバーディフェンスには高度なサイバー技術が必要であると推察されますが、本改正案では、自衛隊サイバー防衛隊がどのように措置されているのか、また、対応する自衛官の人材育成はどうなっているのか、将来必要とされる有能なサイバー人材をどのように確保しようとしているのかについて、防衛大臣の答弁を求めます。

次に、本改正案では、司令部を那覇市に置く陸上自衛隊第一五旅団を第一五師団に改編するとお聞きをしております。自衛隊は、できる限り地元住民の御理解と応援を得られるように努めなければなりません。

この点、防衛省は、第一五旅団の師団化に備え、沖縄県うるま市に訓練場の整備を行おうとしておられたそうですが、地元のお声に配慮して、令和六年四月に計画を撤回したとお聞きをいたしました。今般の師団化により訓練需要が増加すると予想されますが、地域住民の皆様の懸念を払拭し、御理解と応援をいただくために、どのように取り組んでいくのかについて答弁を求めます。

宇宙は、軍事的な戦略の対象に限定されたものではなく、国家の安全保障そのものに関わる重要性を有しています。例えば、国民の皆様が日々活用されている位置情報システム、GPSや、気象通信衛星情報に基づく天気予報、災害監視など、国民の皆様の生活や産業活動に不可欠なインフラでもあります。宇宙の重要性は、宇宙空間の安定的な利用を確保するため、国家安全保障戦略に位置づけられていることからも分かります。

この点、本改正案では、航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編及び宇宙作戦集団の新編が講じられていますが、宇宙の重要性に鑑みると、宇宙への国防の取組は、航空自衛隊だけで担うのではなく、陸自、海自始め防衛省全体を挙げて取り組むべき分野であると感じております。

そこで、このような重要性に鑑みつつも、宇宙防衛について、航空宇宙自衛隊改編と宇宙作戦集団を新編する意義について答弁を求めます。

言うまでもなく、自衛官は、国民にとって尊い、本当に尊い存在でございます。であればこそ、自衛隊の政治的中立について国民の皆様が不安に感じるようなことを政府は厳に慎まれなければなりません。

今般、自民党大会で陸上自衛隊の女性隊員が制服を着て国歌を歌唱する場面があったとのことでございます。

自衛隊法六十一条で自衛隊員の政治的行為が制限されている規定や、同法施行令八十七条で公私の影響力を利用することが禁止されている規定に抵触するおそれがあり、自衛官及び自衛隊がこれまで積み重ねてきた国民の皆様に信頼していただくための努力に傷がつきかねない事態だと思いますが、小泉大臣の答弁を求めます。

また、小泉大臣は、当該隊員の自民党大会への参加について事前に知り得る立場であり、参加の是非を判断し得る立場であったと考えますが、これを知った時点で何ら問題意識を持たなかったのか、見解をお聞きいたします。

中道改革連合は、平和の理念の下、憲法の平和主義に基づく専守防衛を基本に、日米同盟と平和外交を軸とした、国民の平和と安全を守る現実的な外交防衛政策を進めるために全力で取り組んでまいりますこと、このことを国民の皆様に固くお約束申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣小泉進次郎君登壇〕

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