佐藤淳法務省刑事局長

2026年6月2日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 166 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 169 発言)

お答えいたします。

過去の個別の再審事件における検察官の不服申立てにつきまして、十分な根拠があったか否かについて一概にお答えすることは困難であるということはどうか御理解いただきたいと思いますけれども、少なくとも、十分な根拠としてここに条文で上がっていることでいえば、例えば、当たらないということが明らかな事例といたしまして、原決定の結論に影響しない証拠評価あるいは事実認定の誤り、決定の総体に関しては誤りがあるとしても、それは結論に影響することに十分な根拠があるということをしなきゃいけないものでありまして、そういう原決定に影響しないものについては十分な根拠として許されないことは明らかになるだろうというふうに思います。

それから、福井女子中学生事件については、第一次再審請求審におきましては客観的証拠とその評価が主な争点となりまして、再審開始決定におきましては、客観証拠や主要関係者の供述等を総合的に評価した結果、関係者供述の信用性に疑問が抱かれ、請求人が犯人であると認めるには合理的な疑いが生じたなどと判示された一方で、あの例のテレビ番組の放送日に関する捜査報告書につきまして、従前の検察官の主張、立証の内容とそごしていたにもかかわらず、開示等の適切な是正措置が取られていなかったことが明らかとなっており、仮に適切な是正措置が取られていたとすれば、それを契機として主要関係者の供述の信用性が中心的な争点となり、ひいては有罪認定に動揺が生じたなどとして再審開始決定がなされていた可能性もあるというふうに考えられるところであります。

このような、再審請求審におきまして、その供述内容が客観的事実とそごすることが判明したことなどによって、確定判決が前提とした関係者の供述の信用性判断に疑義が生じて、ひいては有罪認定に動揺が生じる事態となれば、これに基づく再審開始決定につきまして、検察当局において、十分な根拠があるかを検討して、その結果、十分な根拠がないとして不服申立てをしないこともあり得ると考えられるところでございます。

すなわち、個別の事案について直ちに仮定的なことを申し上げるのは困難でありますけれども、福井事件のような経過をたどって、このような最後の再審開始決定が確定した事案につきまして、今の目線でこの法案に従えば、不服の申立てがされないこともあり得るだろうということを答弁しているということでございます。

前後のやりとり

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