おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。
袴田事件では事件から五十八年、福井事件では事件から三十九年を経て、ようやく袴田さんと前川さんの無実が証明されました。日野町事件では、事件から四十二年、無期懲役で服役中に阪原さんが亡くなった後に再審公判が開始されました。
共通するのは、捜査機関による証拠の捏造、検察官の証拠隠し、再審開始決定に対する検察官の抗告の繰り返しにより、国家による重大な人権侵害が生じているというのが再審の実態です。非常救済手続である再審法が、内容も、その運用も機能していないということです。
膨大な時間の経過は冤罪被害者の人生を葬り去ります。袴田さんは死刑囚として長い拘禁生活の弊害で精神を病み、前川さんも、その家族も被害者遺族も、取り返しのつかない失意と絶望の人生を送り、阪原さんは、無実を訴えながら、冤罪が晴れることなく獄中で亡くなりました。
今日は六十年巌さんと闘ってきたお姉さんのひで子さんもお見えですが、袴田さんが、死刑囚として、世界で類のない、長時間かかってようやく雪冤を晴らしたのが一昨年。死刑囚の冤罪の救済にここまで長くかかったのはなぜなのか、どうすれば無辜を早く確実に救済できるのか、これが再審法改正の出発点であり、立法事実です。
私は、再審法改正は、右も左もない、イデオロギーを超えた社会正義の実現であるという確信の下、取り組んでまいりました。
自民党内における議員と法務省刑事局との激しい議論、そして法務省の三度の修正を経て、抗告の原則禁止を刑訴法本体に盛り込んだ改正案が政府案として審議入りしました。
昭和三十七年、衆議院法務委員会再審制度調査小委員会で再審法改正が議論され、刑訴法の大家である松尾浩也参考人が、再審開始決定に対する検察官側からの不服申立てを禁止すべきであるとして、具体的には現行四百五十条の中から四百四十八条一項を削除すれば足ると述べられてから、何と六十三年を費やして、ようやくこの松尾案を盛り込んだ改正案が政府から提出されております。
議論に参加してきた者として、この歴史的な再審法改正の質疑に立てることに、委員長、理事の皆様、同僚議員に感謝いたします。
大臣に伺います。本改正の立法事実は何ですか。
3井井上英孝(維新)
次に、お諮りいたします。
本日、最高裁判所事務総局刑事局長平城文啓君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言のページ
4井井上英孝(維新)
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
この発言のページ
5井井上英孝(維新)
これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。
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- (上の発言)
6
稲田朋美(自民)
おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。
袴田事件では事件から五十八年、福井事件では事件から三十九年を経て、ようやく袴田さんと前川さんの無実が証明されました。日野町事件では、事件から四十二年、無期懲役で服役中に阪原さんが亡くなった後に再審公判が開始されました。
共通するのは、捜査機関による証拠の捏造、検察官の証拠隠し、再審開始決定に対する検察官の抗告の繰り返しにより、国家による重大な人権侵害が生じているというのが再審の実態です。非常救済手続である再審法が、内容も、その運用も機能していないということです。
膨大な時間の経過は冤罪被害者の人生を葬り去ります。袴田さんは死刑囚として長い拘禁生活の弊害で精神を病み、前川さんも、その家族も被害者遺族も、取り返しのつかない失意と絶望の人生を送り、阪原さんは、無実を訴えながら、冤罪が晴れることなく獄中で亡くなりました。
今日は六十年巌さんと闘ってきたお姉さんのひで子さんもお見えですが、袴田さんが、死刑囚として、世界で類のない、長時間かかってようやく雪冤を晴らしたのが一昨年。死刑囚の冤罪の救済にここまで長くかかったのはなぜなのか、どうすれば無辜を早く確実に救済できるのか、これが再審法改正の出発点であり、立法事実です。
私は、再審法改正は、右も左もない、イデオロギーを超えた社会正義の実現であるという確信の下、取り組んでまいりました。
自民党内における議員と法務省刑事局との激しい議論、そして法務省の三度の修正を経て、抗告の原則禁止を刑訴法本体に盛り込んだ改正案が政府案として審議入りしました。
昭和三十七年、衆議院法務委員会再審制度調査小委員会で再審法改正が議論され、刑訴法の大家である松尾浩也参考人が、再審開始決定に対する検察官側からの不服申立てを禁止すべきであるとして、具体的には現行四百五十条の中から四百四十八条一項を削除すれば足ると述べられてから、何と六十三年を費やして、ようやくこの松尾案を盛り込んだ改正案が政府から提出されております。
議論に参加してきた者として、この歴史的な再審法改正の質疑に立てることに、委員長、理事の皆様、同僚議員に感謝いたします。
大臣に伺います。本改正の立法事実は何ですか。
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平口洋(自民)法務大臣
お答えをいたします。
罪を犯していない人が処罰されることはあってはならず、仮に犯人でない人を有罪とする確定裁判があれば、速やかに救済されなければならないところでございます。
しかしながら、近時、再審無罪判決の確定までに相当な長期間を要し、再審請求者等に大きな負担を生ずる事態となった事件があり、そうした事態の原因に関し、いわゆる証拠開示に多くの時間を要しているといった指摘や、再審開始決定に対する検察官の不服申立てが長期化の原因となっているといった指摘などがあるものと承知をしております。
本法律案は、こうした事態や様々な指摘を真摯に受け止め、再審制度が…
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8
稲田朋美(自民)
私がなぜ立法事実にこだわってきたかというと、改正の立法事実が袴田さんや前川さんのような冤罪被害者の早期、確実な救済に資する法改正を行うことにあるということを確認することによって、今よりも悪くなることがあってはならない、そのことは法解釈、そしてその運用に通底する真理であるということを明確にする必要があるからです。
法制審の議論において、弁護士の委員らは立法事実を明確にすべきと主張していましたが、明らかにはなっていなかった、立法事実に対する思い入れが余りにもなかった。これは本当に残念でした。
今回の法改正及びその運用において、改正後、憲法の精神にのっとっ…
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平口洋(自民)法務大臣
お答えをいたします。
本法律案は、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するようにするため、刑事訴訟法を改正して誤判からの確実な救済と手続の円滑、迅速化を図るものでありまして、再審制度を大きく前進させるものであると考えております。
本法律案による改正後の規定の解釈、運用については、こうした改正の趣旨を踏まえて適切に行われることが重要であると考えております。
本法律案が改正法として成立した場合には、裁判所や検察庁等の関係機関に対し制度の趣旨や内容を十分に周知し、適正な運用の確保に努めていきたいと考えております。
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