ということは、金融緩和という手段を通じてインフレに適切に働きかけて、ただ、手段として、直接的に賃金に働きかける手段というのは日銀金融政策の中では持ち合わせていないと。
ですから、それがアコードのパートナーである政府に期待をすることで、政府が、ただ単に企業業績やGDP全体ではなくて、例えば、労働分配率の上昇であったり、又は他国がやっているような様々なインセンティブであったりというようなことを通じて、日銀がやっていることだけでは賃金上昇ということは実現しないけれども、政府がしっかり機能することを期待していらっしゃるというような認識でよろしいんでしょうか。
17植植田和男日本銀行総裁
委員御指摘のように、私ども、二〇一三年からですか、大規模な金融緩和を実施しましたし、政府の様々な取組もありまして、それは我が国経済に強い刺激効果をもたらしたわけでございますけれども、特に二〇一〇年代においては、ベースアップは十分には進まなかったということでございます。
この背景としては、幾つかあると思いますが、一つは、女性やシニア層等に潜在的な労働供給の余地がまだ残っていたということがあるかと思います。それから、長い間、現実の賃金、物価上昇率がゼロ近辺、あるいは場合によってはマイナスにとどまる中で、賃金、物価が上がりにくいということを前提とした慣行や考…
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岡本三成(中道)
ありがとうございます。
総裁がおっしゃるとおり、日銀、政府のアコードの後、じゃ、働いてみようという女性の方や高齢者の方々がいらっしゃって、こういう方々は残念ながら賃金が比較的安いですので、労働供給が増えたということによって全体を押し上げたというところはやはり大きいというふうに私も思っています。
その上で、賃金が上がらない状況の中で、日銀が今追い求めている物価安定というのは、総裁御自身もいろいろなところで発言していらっしゃいますが、賃金上昇を伴う物価安定を目標にしていらっしゃるということになっておりますので、実は、物価の安定そのものもそうですけれども、…
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19植植田和男日本銀行総裁
私ども、金融政策を緩和的に、もちろん今、緩和の度合いは調整しているところでありますが、維持することを通じて、インフレ率が二%の目標に持続的、安定的に到達することを目指しています。もちろん、それが持続的、安定的に実現されるためには、賃金も相応の伸びである必要がございます。
ただ、私どもが賃金に直接働きかけるという手段を持っているわけではございませんので、全般的なインフレ率の上昇の中で賃金も共に上昇していくという状態をつくり出したいなということでございます。
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- (上の発言)
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岡本三成(中道)
ということは、金融緩和という手段を通じてインフレに適切に働きかけて、ただ、手段として、直接的に賃金に働きかける手段というのは日銀金融政策の中では持ち合わせていないと。
ですから、それがアコードのパートナーである政府に期待をすることで、政府が、ただ単に企業業績やGDP全体ではなくて、例えば、労働分配率の上昇であったり、又は他国がやっているような様々なインセンティブであったりというようなことを通じて、日銀がやっていることだけでは賃金上昇ということは実現しないけれども、政府がしっかり機能することを期待していらっしゃるというような認識でよろしいんでしょうか。
21植植田和男日本銀行総裁
実質賃金ということで申し上げれば、やはり、それの中長期における一番大事な決定要因は労働生産性の上昇率ということだと思います。労働生産性はイノベーション等を含む技術進歩で中身は決まってまいりますので、申し上げましたとおり、金融政策では直接に働きかけるということはなかなか難しいものでございます。
ただ、それでは、そこを政府がということになりますと、もちろん政府は様々な財政政策等で労働生産性の上昇率に影響を与えるということがあり得るとは思いますけれども、基本的には、市場経済の動きに沿って労働生産性上昇率が決まってくるということでありますし、もう少し申し上げれ…
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岡本三成(中道)
総裁、ありがとうございます。
私は先日、予算委員会に立たせていただきまして、総理、あと片山財務大臣にいろいろなことを御提案申し上げたんですが、実は、厚生労働省がOECD統計を基に出しているデータがあります。そのデータを見ますと、一九九五年を出発点として過去三十年間を分析すると、労働生産性が一番上がっているのはアメリカ、九五年が一〇〇とすると一五〇なんですね。フランス、イギリスが大体三〇パーぐらい。そして、それより低いところもありますが、日本は何と三八パーです。労働生産性は、OECDのデータを基に厚労省、政府の発表で、決して低くない。
その中で、財務省…
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23植植田和男日本銀行総裁
アコードの扱いそのものについて私から具体的に今日コメントを差し上げるのは差し控えさせていただければと思います。
ただ、その上で、御指摘のあった、実質賃金の上昇率を目標みたいなものにということでございますが、先ほどのやり取りにもございましたように、私ども、金融政策で実質賃金に強い影響を及ぼす労働生産性のところに大きな働きかけをすることは必ずしもできないなと思っておりますので、実質賃金を、あるいはその上昇率を金融政策の目標とすることはなかなか難しいというふうに考えております。
ただ、もちろん、賃金の上昇を伴う形での二%の物価安定目標の持続的、安定的達成、…
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