早坂由美子公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会会長

2026年5月20日・第221回国会 衆議院 厚生労働委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 8 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 100 発言)

御紹介にあずかりました公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会の会長の早坂と申します。現場は、相模原市にあります北里大学病院で医療ソーシャルワーカーとして働いております。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

まず、資料を御覧ください。資料は、本文と、あと二枚目は補足資料、参考資料となっております。

初めに、医療ソーシャルワーカーとは、主に医療機関等において患者、家族等の心理的、社会的、経済的課題に対して相談支援を行う社会福祉士等、精神医療分野においては精神保健福祉士であります。厚生労働省の医療施設調査によると、医療機関に所属する社会福祉士の人数は、二〇〇二年の千七百六十人から二〇二〇年には二万二千四百七十一人と、十八年間で十二倍になるほど急増をしている職種です。

医療機関には、介護、障害、生活困窮、子供家庭等といった福祉の各領域で、多様で複雑な問題が日々持ち込まれています。医療ソーシャルワーカーは、医療機関における福祉の窓口としてそれらの対応に当たっています。さらに、治療後は、福祉的支援を受けながら、福祉、介護施設、在宅で自らの望む生活ができるための関わり、医療から福祉につなげる、あるいは、福祉利用者に医療が必要となり、そこに医療を提供する、そしてまた、その人が福祉に戻るという循環を支えるソーシャルワークを行っています。

今回の社会福祉法の一部を改正する法律案について、頼れる身寄りがいない高齢者等、判断能力が不十分な者を対象とする第二種社会福祉事業の新設、成年後見制度の適切な利用の支援、平時からの災害福祉支援体制の整備の三点について意見を申し上げたいと思います。

参考資料は、当協会が二〇二四年三月に厚生労働省に提出した、身寄りのない状態で意思決定が困難な人に生じる社会的問題に関する要望書、及び二〇二五年九月に取りまとめた全国三千の医療機関調査結果の概要です。参考に御覧ください。

意見です。

頼れる身寄りがいない高齢者等、判断能力が不十分な者を対象とする第二種社会福祉事業の新設ですが、頼れる身寄りがいない高齢者の問題は、医療現場でも顕在化し、私たちが日々直面している問題です。

現在の社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業は、利用までに月単位の待機期間があること、また、都道府県及び自治体によって支援の差が大きいことが課題です。そのため、今回の改正で、日常生活自立支援事業の対象者や支援内容の拡大、無料又は低額利用の導入を図ることは望ましいものであり、重要な社会資源の創設と考えますが、より効果的な実施のため、都道府県や自治体が社会福祉協議会の人材確保や財源確保を強力に支援する体制を構築することを望みます。自治体による支援の格差は、医療機関での患者支援の格差にもつながるものです。

また、医療機関としては、事前に日常生活自立支援事業の利用手続ができていない地域住民の救急搬送、急変、死亡時の対応への支援体制の構築を求めたいと思います。例えば、生活保護の対象にならない、適用にならない患者さんの医療費の未払いの問題は、特に急性期の医療機関だけに内包され、いまだ解決されていません。

成年後見制度の適切な利用の支援です。地域権利擁護相談支援センターの法定化。

判断能力が不十分な方への支援体制の整備を図る上で、地域権利擁護相談支援センターが自治体と協働する形の存在として地域に位置づけられることが重要と考えます。判断能力が不十分な方は患者さんが含まれますので、地域の連携体制の中に医療機関が参画することが必要と考えます。

また、医療機関から地域権利擁護相談支援センターに望む機能として、一つは、頼れる身寄りがいない高齢者が判断能力が不十分になる前に、成年後見制度や地域における権利擁護の事業を適切に利用できるように、予防的に支援をしていただきたいと思います。二つ目は、入院中の成年後見の申立てに関わる事案への早急な対応。医療機関では、成年後見人の選定を待つ期間、患者が急性期病院から転院できない現状があります。三番目、成年後見制度につながる前に亡くなった場合に未払いとなる医療費など、後見人が決定するまでの期間の経済的支援を求めたいと思います。

なお、社会福祉法の範囲ではないかもしれないんですけれども、頼れる身寄りがいない高齢者等が判断能力をなくした場合、医療費の支払いが必要であっても、金融機関から本人の預金を引き出すことができない現状があります。本人の資産が本人のために使われるような、金融機関との新たな連携システムの構築を望みます。

三つ目が、平時からの災害福祉支援体制の整備です。

厚生労働省の災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドラインで示されているDWATの活動内容は、平時に医療ソーシャルワーカーが行っている業務と親和性が高く、各都道府県DWATのチーム員に、医療機関に所属する医療ソーシャルワーカーが登録されることを望みます。

また、DWATは各都道府県で組成された公的な災害派遣チームであり、医療機関に所属する福祉職の派遣については、派遣する医療機関のインセンティブを創出し、長期間であっても業務免除として派遣される仕組みの構築を求めたいと思います。

頼れる身寄りがいない高齢者等、判断能力が不十分な方への支援の問題については、医療関係職種間では余り声が上げられていませんが、意思決定の在り方や医療費の未納等、深刻な問題であり、医療機関側での役割分担が定まっていない中で、誰かがやらないといけない業務として医療ソーシャルワーカーが担っているのが実態です。具体的には、衣類をそろえるとか、金融機関に同行するとかそのような、挙げれば、ペットの餌をやりとか、ケアマネさんとか地域包括支援センターと協働して実施をしているという実情があります。

このような問題は、地域の側だけで議論するのではなく、医療の現場の側で生じている課題についても取り上げ、両輪となって支援体制整備を進めることが重要と考えます。医療機関内でこの問題に関わっている職能団体として、医療、福祉の課題解決の場にこのような立場で意見を述べさせていただいたこと、幸いに思います。

それと、資料の方をちょっと一つだけ説明させていただきます。

まず、この参考資料に挙げられているように、社会的課題は主に五つと考えています。

一つが、入院、入所時に身元保証人を書面で求めている。これを、厚生労働省は求めないべきというふうになっていますが、実際には求めているという現状なので、具体的手続の形式及び提示を通知していただけたらと思います。また、それで、実際、保証人がいないと困る業務について、それに対しての対応についても考えていただけたらというふうに、支援体制が必要かと思います。

二番目が、病院の中の臨床倫理委員会の必置。これは医療の問題かと思います。

三番目が、先ほど申し上げたような、金融機関との新たな連携システムの創設です。これも取り組んでいただけたらと思うところです。

四番目の、自治体の公的責任の明文化というところですが、今後、社協の方で、いろいろな制度ができ、活動されたとしても、やはり自治体の公的責任というのは必ずあると思いますので、そこが必要である。ただ、今回このような制度が出てきたことで、一歩進んだなというふうには思っております。

それと最後は、身元保証高齢者サポート事業、今は高齢者等終身サポート事業といいますが、ガイドライン等できましたが、ここは勝部さんがおっしゃっていたように、監督機関の明確化。これがないと、やはりどうしても、良好でない事業者は出てきて、そこに引っ張られる。入院のときに身元保証人がないと入院できないとなると、そちらの方に誘導されるという現状があります。ですので、是非、監督機関の明確化をお願いしたいと思います。

私の話は以上です。ありがとうございました。(拍手)

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