勝部麗子豊中市社会福祉協議会参与兼コミュニティソーシャルワーカー統括

2026年5月20日・第221回国会 衆議院 厚生労働委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 4 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 100 発言)

御紹介をいただきました、大阪の豊中市の社会福祉協議会から参りました勝部といいます。よろしくお願いいたします。

日々、私は現場で、制度のはざまにある、現在の制度では支えることが難しい人たちと向き合っています。そんな中で、これまで、厚生労働省の地域共生の在り方検討会議だったり社会保障審議会などにも現場の立場から参加をさせていただいてきました。

今日は、社会福祉法の改正について三点、意見を述べさせていただきたいというふうに思っています。

まず一点目は、身寄りの問題です。

これまで、育児の社会化ということで保育所ができたり、それから、介護の社会化ということで介護保険制度ができたりということだったんですが、いよいよ身寄りの社会化が法整備されるということで、大いに期待感があります。

今日、資料を入れさせていただいていますが、四ページにあるように、私たちの町では、身寄りに関する検討会を立ち上げさせていただいて、現場で日々、身寄りの課題を抱えている当事者の方々と、どういうふうな身寄りの支援があればいいのかということをずっと話し合ってまいりました。

五ページには様々な意見が出ております。是非御参照いただきたいと思います。

これまで、独り暮らしで身寄りのない人は、入院したいと思っても保証人がなくて入院ができなかったり拒まれたり、また、手術に同意する人がなくて手術を諦めたりという方も多く見受けられました。やっと入院にたどり着いても、ティッシュペーパーを持ってきてください、歯磨き粉がありませんなどと、それぞれいろいろな用事がありますので、保証人に代わる人たちが何とか対応しないといけないということで、介護保険のケアマネジャーさんなどがシャドーワークで多く支えてきたのが現状であります。

私たちも、身寄りがない方で、入院を何とかということで病院にお願いをすると、夜中に譫妄が起きて病院内をうろうろしているので付き添ってくださいなどとすぐ連絡が来たりというのが現状であります。

こういう方々にとって、最期に、死後のときにも、身寄りのない高齢者には、これまでは、民生委員で関わっていた方々やソーシャルワーカーなどが一緒に焼き場についていってお線香を上げてというふうなことで、その人の最期を見届けるということを現場で一生懸命やってまいりました。

ただ、今回、この問題が、個人的な、人としてということに委ねられたことではなくて、制度として対応できることに大きく期待をしていたのですが、少し思っているものと違うなというふうな感覚もあります。

人が亡くなるときどう見送るかというのは非常に尊厳が問われる問題ですが、家族がいなくても地域につながりをつくるとか、あるいは、これまで関わった人たちとどうサポートして支えていくかということは、検討会の中でも私以外の委員からもたくさん意見が出てまいりました。

身寄り問題を死後事務、病院の保証人と矮小化した問題だけで捉えるのではなくて、地域共生社会という大きなビジョンの中で位置づけて、地域の中で多様なつながりをつくっていく延長線上に位置づけてほしいというのを切に願います。

そのためには、二ページにお示ししているような様々な支援策が必要です。

社会福祉協議会が現在行っております日常生活自立支援事業、これは都道府県社協が主体で市町村社協が実施をしているということで、市町村の関与がありません。こういうところに身寄りの問題がそもそもひもづけられていくということでは、責任の問題はどうなっていくのかという非常に不安があります。

さらに、日常生活自立支援事業というのは判断能力の乏しい方々の金銭管理のようなことが主ですが、身寄りのない人たちという問題は、判断能力があっても身寄りのない人たちはたくさんいますので、対象者が大きく増えていくということがあります。

また、二十四時間三百六十五日、入院だったり亡くなるということはいつ起きるか分からないわけですけれども、それが非常に脆弱な補正予算、年間三百万円というふうな内容でこの度の企画が出ております。非正規の職員ではなくて正規の職員、またバックアップできる体制をしっかり整えなければ、このような内容では人材の確保がままならないのではないかというふうなのが現場では大きな声となっております。

また、成年後見の制度がこの度大きく変わりました。一度つけるとずっと終わらないという成年後見から、途中でやめられる、終わることができる成年後見に変わったわけですが、そうなりますと、判断能力が乏しい方々の日々の管理は誰がするのかということで、こちらの事業も日常生活自立支援事業に大きく期待がされているわけです。

介護保険制度が始まってから、この事業、社会福祉協議会が担ってまいりました。一生懸命、脆弱な体制の中で頑張ってまいりましたが、これから増えていく業務量を的確に割り出して、抜本的な人員増や地域間格差などがないように検討いただきたいというふうに思います。

さらに、この問題は、お金のない人たちの問題だけではありません。お金があっても身寄りのない人は都市部にはたくさんいます。仕事を求めて都市部に地方から出てきて、ふるさとには親も亡くなり、つながりも薄い、家族もなく、一人という人たちがたくさんいるわけです。また、親亡き後の引きこもり状態の人や、障害がある息子さんや娘さんを抱えておられる親御さんたち、今日の身寄りなしの問題は社会全体の問題です。

私の町で、独り暮らしの高齢女性が、老後を考えて終身サポートの会社になけなしのお金を委ねて、これでやっと安心だと話してくれました。彼女はやっと見つけた死後の安心にほっとしたのもつかの間で、その会社が倒産。全てのお金を失うこととなりました。一人で生きていくためにはそれなりにお金を備えている方もおられます。やはり、公的な部署が安定的に支える仕組みを望む人が多いです。

今回は、現在お金がある人は公的な制度ではなく民間頼み。しかも、それらの業者に対する自治体の監視や第三者評価などの仕組みも不十分です。半ば、どの業者を選ぶかは一か八かの賭けになります。もし、亡くなった後、契約が不履行になってもチェックができませんし、何も言えないということになります。身寄り問題は低所得の人だけの問題ではなく、多様な課題を抱えている当事者の意見を聞き入れていただいて、更なる検討をしていただきたいというのが切なる願いです。

二点目です。七ページを御覧ください。

重層的支援体制整備事業というのが一気に市町村で広がりました。この度の改正で予算が大きく減少して、自治体で努力してきた職員はかなりの落胆が広がっています。これ以上の予算の軽減がありますと、今まで制度のはざまの問題に対して向き合うために支援会議を行って、どうやって仕組みをつくるかというのを頑張ってやってきた職員たちが、この会議も開くことができなくなって、既存の会議の押しつけ合いになるようなことが起こり得るのではないかと懸念をしています。

生活困窮者自立支援法を主軸にして、同様の断らない支援に取り組むという形に主軸を考えていかれました、一定整理されました。しかし、生活困窮者自立支援法は、生活困窮に陥るおそれのある人たちの世帯と捉えると、またまたここも縦割りが起きる心配があります。

こういう声を上げられない人たちを支える仕組みにするならば、アウトリーチの人材の充実が必要です。この制度は、正規職員の割合も少なく、委託がほとんどで、予算も少なく、人事院勧告上の上乗せもない自治体も多くあります。プロポーザルや入札で委託費も低く抑えられているのが現状です。現場では、三月までは相談員、四月からは相談者に変わるなんてことがまかり通っている、こういう話が日々行われています。

物価高で、食べるものがなく、フードバンクにはコロナ禍以上に生活困窮の人たちがあふれています。是非この事業の予算を充実していただき、この事業がしっかりと充実することで、労働力の不足していながらも社会から取り残されている人たちがたくさんいる日本の起死回生につながるのではないかというふうに思っています。私の町では、この事業で多くの就職氷河期の人たちが社会で活躍できるようになっております。

三点目です。八ページを御覧ください。

介護予防と地域の支え合いを一体的に捉える拠点の運営の新設についてです。

これまで豊中においても、住民主体で様々な介護予防のプログラムを運営してきました。介護予防体操や健康マージャンなど様々です。そうした中で、豊中独自の調査で明らかになったことがあります。誰かのために行う活動は、自分のためだけに行う活動よりもよりモチベーションがあり、継続性があるということです。

認知症の高齢者の集まりに、赤ちゃんボランティアとして子育てサロンの要素を取り入れたり、定年後の男性の居場所で豊中あぐりという共同農園を運営していますが、ここも、不登校の子供たちや外国人、子供食堂との連携など、様々な人たちとの交流をして大きな成果が上がっています。高齢者同士の活動に多世代の交流が加わると、新たな高齢者の存在意義や多様な役割が生まれ、生きがいにもつながっていきます。

地域コミュニティーの担い手が不足すると言われていますが、生活支援コーディネーターが担ってきた介護予防を、多世代交流によって、更に人々に居場所と役割をつくり、一人一人が輝く地域共生社会をつくっていくことが大切だと思います。

どうもありがとうございました。(拍手)

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