新藤義孝 (自由民主党)

2026年6月4日・第221回国会 衆議院 憲法審査会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 2 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 27 発言)

自由民主党の新藤義孝です。

本日は、国民投票に関して私なりの意見を述べたいと思います。

まず、投票の外形的事項でございますけれども、既に公職選挙法で措置されている三項目の事項、開票立会人の規定整備、投票立会人の要件緩和、そしてFM放送による広報について、これは速やかに国民投票法に反映させるべきと考えております。

この三項目案は、二〇二二年の四月に自民、維新、公明、有志の四会派で提出いたしましたけれども、二〇二四年十月の衆議院解散により廃案になっております。この内容は四年前の公選法改正の審議の際にも特に異論はなく成立したものであります。現在、この三項目の改正案の法案提出に向けて準備を進めております。提出され次第速やかに法案審議に入ること、これをまず提案をしたいと思います。

次に、投票の質に関する事項でございます。CM規制の問題です。

国民投票法制定時の基本的な考え方は、国民投票は国民主権最大の発露の場であり、国民投票運動はできるだけ自由にというものでございました。この点は当時の民主党の皆さんが強く主張されたことでもあり、法案の重要なポイントになっています。この考え方に基づいて、CM規制については、法規制をできるだけ避け、自主規制によって国民投票の公平公正を確保する、このような整理がなされました。現行法においては、放送CMについてのみ、期日前投票が始まる投票期日二週間前から勧誘CMを禁止すること、これで決着をしたわけであります。

加えて、放送法四条の政治的公平、意見が対立している問題についての多角的論点の提示などの下で、放送事業者の自主規制に委ねることとされております。既に、放送CMの受け手側の自主規制として、放送事業者のCM考査ガイドラインが整備されております。特定の広告主のCMが一部の時間帯に集中して放送されることがないよう特に留意するといった形で、質も量も要素とした自主規制が盛り込まれていることが憲法審の質疑の中で確認をされております。

となると、論点として残るのは、広告の出し手側である私たち政党による取組の在り方ということになるわけです。この点については、政党間の自主規制に関する申合せなどによって十分な担保がなされるよう今後議論を深めていきたいと考えております。

次に、CMに関してでありますけれども、ネットCMの問題もございます。

市場規模においては既にネットCMが放送CMを上回っておりまして、極めて大きな影響を持つようになっています。しかし、その規制の在り方、そもそも規制できるかどうかについては大きな課題があると思われます。

まず、放送CMとは異なりまして、全ての放送事業者が加盟している民放連のような業界団体は存在しておりません。放送法の規定による自主規制といった枠組みもないわけです。そのような状態において、果たして有効な法規制が可能か、どのような規制手段であれば真っ当な者の表現の自由を侵さずに規制ができるのか、引き続き慎重な検討が必要ではないか、このように思っています。

さらに、大勢の人々が多様な情報を個人単位で発信できるのがネットの特徴であり、問題はCMのみに限りません。ネット空間においては、個々人の自由な意見表明を保障しつつ、SNS上での偽情報や誤情報、それによる誹謗中傷、生成AIによるディープフェイク、閲覧数稼ぎ目的の過激な投稿などの弊害に対処していかなくてはなりません。

憲法審では、これまでの討議の中で、ネットCMの取扱いだけではなく、ネットを通じた国民投票運動の在り方、ファクトチェックと言われるネット情報の正確性担保などについて幅広く議論を行ってまいりましたけれども、様々な意見の中には、自主的な取組に委ねてほしい、効果的なフェイクニュース対策は難しいなどといった意見が多く見られました。

これらについては、国民投票独自の問題というよりも、頻繁に行われている通常選挙においても検討が必要な問題であります。現在、超党派の議員で構成される選挙運動に関する各党協議会でその方策について議論がなされております。そこでの議論も参考にしながら、ネット情報の特性を踏まえた国民投票運動への関わりについて、この憲法審においても引き続き議論を深掘りしてまいりたい、このように考えています。

次に、資金規制の問題です。

国民投票運動に関しては、その支出が一定額を超える団体について届出制を導入するとか、その支出金額の上限を設定したり収支報告書の提出を義務づけるなどの法的規制を行うべきといった、いわゆる資金規制を唱える意見があります。

団体の届出制については、国民投票運動はなるべく自由にという投票法の基本理念と対立し、国民投票法の骨格を変更するような意見とも言えるわけであります。また実務的にも、全国にまたがる大小様々な団体からの届出を受理して収支報告書のチェックをするという膨大な事務を誰がどのように担っていくのか、運用面での問題もございます。

このように、資金規制については様々な課題があり、理念的にも実務的にもかなりの困難が伴うものも想定されますけれども、いずれにしても、この点については引き続き慎重な議論が必要と考えております。

国民投票においては、一般の選挙や住民投票には見られない特別な組織として、国民投票広報協議会が設けられることになっています。この組織が、憲法改正の国民投票に関する正確な情報を提供するための公的広報機関の役割を担うわけであります。発議される憲法改正の議論に関与した衆参の国会議員とこれを支える事務局によって構成されるもので、その果たす役割は極めて大きな意義があります。

憲法改正案に関する正確で公正中立な知識を国民の皆さんにいかにして提供するか、広報協議会にはどのような活動をさせるのか、その具体的な内容を詰めていくことは極めて重要です。そのために、広報協議会規程や事務局規程などを定めなければなりません。大半は事務的な規程の整備であり、国民投票に関する当然の環境整備として、これらも早急に詰めるべきではないかと考えているわけであります。

以上、国民投票についての私なりの総括的な意見を述べてまいりました。

まずは、投票環境整備の外形的事項である三項目の国民投票法改正案について、賛同会派とともに法案提出の準備を進めております。法案が提出されたならば次回の審査会で速やかな審議を行うよう、先ほどの幹事会で提案をさせていただきました。詳細は、筆頭間協議を行い、幹事会で御相談をさせていただきますが、各会派の皆様にも何とぞ御賛同のほどよろしくお願いしたいと思います。

同時に、投票の質に関する事項につきましては、一般選挙と同様に、国民の意識や社会情勢の変化を踏まえ常にアップデートしていく必要があるわけであります。この点について今後憲法審査会において更に議論を深めていくことをお約束いたしまして、私の発言といたします。

ありがとうございました。

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