システム改革以前に予見できなかった事象に対応するという意味でも、今回の法改正の内容というのは、その流れと軌を一にしているものだと私は評価をさせていただきたいと思います。
その上で、安定供給に関して、本当にこれがこの十五年間で盤石なものになったか。私はそうじゃないと思っています。当初から申し上げましたが、やはり発電所は、基本的には送電線と一体として開発をし、地理的に分散させて、そして、テクノロジー、発電技術も分散させておくということが肝要ではないか、かつ、資本力のある、資本調達コストの安い人たちが安定的に安価な電源を造っていくというのが国民生活にとっては最適な解なんだろうと私は思っておったのですが、今回の法改正がなされて、悪質な事業者が撤退するということは必要であります、このまま、小売事業者に供給義務を課して、最終的には送配電会社に最終責任を負わせておくというこのままの仕組みで本当にいいのかなという思いもあるわけであります。
また、供給責任は、エリアごとの責任がなくなりまして、容量市場などに電源確保が委ねられた結果、電源の価格水準は不安定になっておりまして、電源確保の責任の所在、それ自体が不明確になっています。
限界費用で形成される卸売電力市場、これも当初は、旧一般電気事業者が一割マーケットに出しなさいということで、限界費用だけで出させられた、燃料代だけで出させられた。設備費用は回収できていなかった。そのコンペンセーションとして、次は、じゃ、容量市場を入れますということでありますが、容量市場は、価格水準が必ずしも十分でなかったりボラティリティーがある。そういった中で、固定費の回収不足も課題になっております。
小売事業者は短期的な収益志向となる一方で、発電事業者は、長期間にわたる巨額の電源開発や燃料調達のインセンティブを失って、電源投資に対するリスクテイクが今困難になっています。結果として、需給逼迫や価格変動によって需要家がリスクにさらされていると私は承知しています。
経済産業省としてどのように認識しておられるか、また、今後の基本方針をお示しいただきたいと思います。
3
工藤彰三(自民)
質疑の申出がありますので、順次これを許します。河野義博君。
この発言のページ
4
河野義博(中道)
中道改革連合の河野義博です。(発言する者あり)鈴木義弘先生より、義博、頑張れと。ありがとうございます。私、自称ヨシヒロ二号でございまして、一号の先輩の質問をいつも勉強させていただいております。ありがとうございます。
今回の電気事業法改正、東日本大震災以降の一連の電力システム改革の足らなかった部分を補うという意味で、それぞれ必要な法改正だと思いますし、その内容に関しては全てもっともだと思っておりますし、法案の中身自体には私は当然賛成でございます。
その中で、まず、ちょっと大臣と幾つか論議させていただきたいと思っておりますが、この一連の電力システム改革が…
この発言のページ
5
赤澤亮正(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
おはようございます。
東日本大震災以降、安定供給の確保、それから電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大といった三つを大きな目的として、小売の全面自由化は二〇一六年、そして発送電分離は二〇二〇年といった電力システム改革を行ってまいりました。これにより、広域融通による安定供給の確保や、料金メニューの多様化による需要家の選択肢拡大などは図られてきたと考えています。
一方で、世界的な脱炭素化の流れ、あるいはDX、GX、さらにはAXの進展により電力需要の増加が見込まれるといった、電力システム改革をやった当初、必ずしも想定していなかった変…
この発言のページ
- (上の発言)
6
河野義博(中道)
システム改革以前に予見できなかった事象に対応するという意味でも、今回の法改正の内容というのは、その流れと軌を一にしているものだと私は評価をさせていただきたいと思います。
その上で、安定供給に関して、本当にこれがこの十五年間で盤石なものになったか。私はそうじゃないと思っています。当初から申し上げましたが、やはり発電所は、基本的には送電線と一体として開発をし、地理的に分散させて、そして、テクノロジー、発電技術も分散させておくということが肝要ではないか、かつ、資本力のある、資本調達コストの安い人たちが安定的に安価な電源を造っていくというのが国民生活にとっては最適な解なんだろうと私は思っておったのですが、今回の法改正がなされて、悪質な事業者が撤退するということは必要であります、このまま、小売事業者に供給義務を課して、最終的には送配電会社に最終責任を負わせておくというこのままの仕組みで本当にいいのかなという思いもあるわけであります。
また、供給責任は、エリアごとの責任がなくなりまして、容量市場などに電源確保が委ねられた結果、電源の価格水準は不安定になっておりまして、電源確保の責任の所在、それ自体が不明確になっています。
限界費用で形成される卸売電力市場、これも当初は、旧一般電気事業者が一割マーケットに出しなさいということで、限界費用だけで出させられた、燃料代だけで出させられた。設備費用は回収できていなかった。そのコンペンセーションとして、次は、じゃ、容量市場を入れますということでありますが、容量市場は、価格水準が必ずしも十分でなかったりボラティリティーがある。そういった中で、固定費の回収不足も課題になっております。
小売事業者は短期的な収益志向となる一方で、発電事業者は、長期間にわたる巨額の電源開発や燃料調達のインセンティブを失って、電源投資に対するリスクテイクが今困難になっています。結果として、需給逼迫や価格変動によって需要家がリスクにさらされていると私は承知しています。
経済産業省としてどのように認識しておられるか、また、今後の基本方針をお示しいただきたいと思います。
7
赤澤亮正(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
恐らく委員との共通認識は、エネルギー、特に電力の安定供給は国家の生命線であるということだと思います。その上で、委員と、需要家の負担を極力抑えるという問題意識も共通しているつもりでございます。
電力システム改革後は、小売電気事業者が供給能力の確保義務を負うとともに、一般送配電事業者が最終的な需給バランスを維持する義務を負うということで、委員が御指摘のような電力の安定供給を担保する仕組みといたしました。
一方、小売全面自由化後の市場取引の拡大や再エネの導入拡大が進んでいく中で、発電事業者にとっては電源投資の回収について予見性を確保しにくいとの課題が顕在化…
この発言のページ
8
河野義博(中道)
従来、地域の旧一般電気事業者が電源投資をしてきたわけであります。今回、それがもうできなくなっているからこういう支援措置が必要になっているんだということは、是非認識を共有していただきたいなと思っています。
送電網も同様の課題があります。
本来、先ほど申し上げましたが、電源開発と送電網整備というのは、私は一体として行われるべきだと考えます。電力システム改革による発送分離の結果、レベニューキャップシステムによって送配電会社に収入が保障されているにもかかわらず、資金調達が困難になっている、だから、このような支援のスキームが必要となっているというふうに私は承知…
この発言のページ
9
赤澤亮正(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
再エネの導入拡大やデータセンターによる電力需要増大に対応するため、送電網設備の重要性がこれまで以上に高まっています。
こうした中で、送配電事業者は、送電網増強のための追加的な投資資金が必要になっております。こうした投資は、レベニューキャップ制度により運転開始後に託送料金として回収することになっておりますが、費用回収までに長期間を要するため、建設期間中の資金調達に課題があると認識をしております。
こうした背景を踏まえ、これまでより踏み込んだ国の対応が必要との認識の下で、今般の電気事業法改正案では、資金調達の円滑化に向け、財政投融資を活用し、送電網整備を…
この発言のページ