2025年11月26日・第219回国会 衆議院 経済産業委員会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 100 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 122 発言)

ミクロの答弁をされたというふうに思っていますけれども、私自身はマクロの視点で捉えたいと思っています。

GDP、GNI、第一次所得収支の推移という資料を配らせてもらっています。大臣、ありますか。

二〇二四年速報値でいきますと、日本人と日本企業が世界のどこであれ稼ぎ出した所得の総和であるGNIが六百四十九兆円、一方、国内で稼ぎ出したというかつくり出した付加価値の総和であるGDP、これが六百八兆円、その差が四十一兆円あるんですね。つまり、所得と付加価値ですから必ずしも一緒ではないんですけれども、実際、日本以外で稼ぎ出した所得が四十一兆円あるということなんですね。

今、何で円安で株価ががんと上がるかというのは、もう大臣とかここにいらっしゃる皆さんには釈迦に説法になりますけれども、今はもう円安になったからといって輸出数量が増えるわけではない。けれども、海外に直接投資をしている、その海外子会社が利益を上げる。仮にトヨタ・アメリカが一万ドルの利益を上げれば、一ドル百円であれば本社の連結決算上百万円の利益として計上できる、これが一ドル百五十円であれば百五十万円で計上できる。円安による帳簿上の水膨れが可能なわけですね。実は、この四十一兆円というGNIとGDPの差は、まさに海外で稼ぎ出しているお金、それが円安によって膨らんでいる。

企業業績は世界中のどこで稼ごうとも企業の業績ですから、そこに対する信認があれば、期待感があれば、将来への期待があれば、株に投資されて上がるのは当然ですけれども、今の日本の実態、現状というのは、この表を見ても分かるように、その海外でもうけた利益が国内の生活者の豊かさにつながらない、安倍総理が目指したトリクルダウンが起こらないというところに最大の問題があって、先ほど言いました、株価高騰と、それから生活実感としての豊かさがないということのギャップだと思っているんですね。

なお、それに加えて、先ほど言った四十一兆円の利益というか差、これは事実上、第一次所得収支、つまり配当と金利収益の和、足し算になっているんですけれども、残念ながら、帳簿上はその利益を計上できても、キャッシュフロー上はほぼ三分の二が再投資されて、日本に舞い戻ってきてはいないんですね。

だから、こういう中で、今言った企業の利益、それも海外で稼いだ利益が幾ら増えても、日本の生活者の豊かさにつながらない。

赤澤大臣がトランプ関税で随分苦労された、そこの御苦労に対しては多としますけれども、政府がやろうとしていることは、GNIを増やすことに一生懸命背中を押しているんですよ。けれども、今言ったように、GNIを幾ら押しても残念ながら広く国内に住む生活者の豊かさにつながらない、この経済構造、産業構造になっている中で、いまだに政府はというか、申し訳ないけれども自民党政権は、企業を後押しすればそれが国益になる、生活者の豊かさにつながると信じ込んでいるのではないか。

もうちょっと言うと、大臣は苦労されましたけれども、トランプ関税、仮に二七・五%のままであれ、頑張ってかち取られた一五%であれ、二・五のままであれ、直接投資しますよ。

日本の高度成長というのはどういう時代だったか。それは、毎年毎年所得が増える、その家計数が増えていたのが日本の高度成長時代ですよね。それを先進国の中で唯一やっているのがアメリカですから。高度成長ではないにしても、移民、その移民の子供たちがつくり出す家計、家庭、貧しいところはやはり物価高に負けている面はありますけれども、それでも所得が増えていく、家計数が増え続けているのがアメリカですから、大臣もさっき言いました、大きなマーケットにどうしても、それを狙っていくという話がありましたけれども、行くんですよね。

もう一つ言うと、私の持論ですけれども、輸出企業というのは社員も経営者もむちゃくちゃ優秀です。ですから、円高耐性ももう備えている。円高になれば直接投資をする。世界中にサプライチェーンを構築して、円高のときはこのベンダーから買う、円安だとこのベンダーから買う。そうやって、どんな状況になろうと必ず生き残っていく、必ず利益を出す、それができる人たちなんですよ。できる企業なんですよ。私もどっぷりその世界に浸っていましたから。そういうところとまたつき合っていましたから。だから、悪いけれども、優秀だからそういうところを後押しする必要は全くないんです。自分で生きていくんです。

だから、政府としてやるべきは、TPP、CPTPP含めて、日本企業が不利にならないイコールフッティングを、これだけは整えていかなければいけないけれども、個別産業、個別業界、個別企業を後押しする必要なんか全くない。そんな暇があったら、もう寝ても覚めても、日本国内の生活者の生活向上に、生活者がどうやったら豊かになるか、そこにあらゆる国家の経営資源を使っていくべきだというのが私の持論であります。

いっぱい質問通告していましたけれども、最初に余計な話をしたこともあって、大臣、いかがですか。

前後のやりとり

96の発言を見る

104の発言を見る