細谷雄一慶應義塾大学法学部教授

2025年2月26日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 52 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございました。

今御指摘いただいた点は、いずれもごもっともかと存じます。やはり、力によって現状変更し、その領土が拡大するということは、国際社会が認めるということあってはならないと。それは、ウクライナとロシアの二国間の問題ではなくて、やはり戦後の国際秩序の根幹を大きく崩壊させてしまうかもしれないということは先ほど申し上げたとおりでございます。

しばしば指摘されるのは、今回の動きというものが、一九三八年のミュンヘン、これはチェコスロバキアの小国の意向を無視して大国だけで領土を変更した、あるいは一九四五年のヤルタ、これもまたロシアとアメリカがヨーロッパの運命を、まあイギリスが参加していたとはいえ、大国主導で決めていくと。こういったことを防ぐということが戦後八十年の日本の平和国家としての歩みだったんだろうと思います。やはり、これは戦争の反省に基づいて日本がそのような役割を担ってきた。

日本の役割として私が申し上げたいのは、やはり日本は国際社会で信頼されているというのはいろいろなところで感じております。つまり、国連の中でも何が正しいのかということがよく分からないような状況になっている、その中で多くの国々が恐らく日本の行動というのを見ているんだろうと思います。英語でインターナショナル・グッド・シチズンシップというのがありまして、良い市民というもの、国際社会で良識に基づいて正しい判断をすると。少なくとも日本は多くの世論調査でそのように見られているという結果もございますので、日本はやはり軍事力というものが限られていながらも平和国家として国際法に基づいて行動するという意味で、ヨーロッパの多くの国々と連携しながら、やはり法の支配、国際社会における法の支配というものを今後も擁護するために積極的な役割というものが重要になってくるんだろうというふうに考えております。

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