この難民の問題も非常に大きな問題で、今御指摘になったチェコだけではなくて、ドイツとかポーランドはそれこそ百万人以上の難民を受け入れています。
その心を痛めるというのは非常に分かるんですけど、でも、少し冷徹なことを申し上げますと、難民に対する周辺国の感情は去年ぐらいから変わってきています。それはどういうことかというと、最初の一年目には、その難民は非常に同情すべきであり、もうあらゆることをしていきたいというふうな雰囲気で、世論調査やっても難民に対する支持率は非常に高かったんですけれども、去年の秋ぐらいから下がっています。やはりそろそろ、もうその難民のためのコストが、結局、本来国民の社会福祉に与えられるものであったはずだという意識から難民の施策に対する反発が起きていますし、実際ヨーロッパで御承知のようにポピュリズムが盛り上がっている、そのポピュリズムの一要因には、そうした排外主義的な、つまり難民も含めて、こんな問題は早く解決してもらいたいし、だから、その意味ではさっさと停戦してほしいというような、そういう世論につながっていくのかなと思いますけれども、そういうその流れというのもあるのも事実なんですね。
この公正な和平というものを進めるために重要なことは、今はそういう被害が大きくなっていて、これが、要するに国際社会がそれを認容できるかどうかという問題が大きいと思うんです。もし認容できるんだったら、いつまでも戦って、そして正義を目指せばいいわけですよ。でも、実際には、今申し上げましたように、最も身近な国で、本来ウクライナを応援している国までもが世論調査にするとやっぱり変化が起きていると。やっぱり潮目というのがあるわけですね。
それで、その人道支援にしても何にしてもやっぱりコストが掛かりますから、その周辺の、ウクライナ周辺の国ですら少しずつやっぱりちょっと態度に変化が生じている状態ですから、そうしますと、公正さを追求、一〇〇%追求するというだけでは解決にならないという雰囲気があって、それが例えば今回のトランプさんの、手法はともかく、停戦を求めるという声を言わば押し上げているんではないかなというふうに思います。その手法には、先ほど申し上げましたような大国主義的な、パワーポリティクスのような手法というのが目立っていて、それはそれでいろいろ問題はあるかもしれませんけど、でも、これが停戦ができれば、それは、今はそれが一番重要ではないかという流れというのがあります。
ウクライナの関与ですけれども、これはウクライナが関与しなければ解決しないと、私もそう思いますが、最初の枠組みにはもうウクライナは多分入ってこないと思いますので、恐らく米ロでつくった枠組みをウクライナに半ば強要するというスタイルになるんではないかと思います。歴史的にはそういう例は幾らでもあります。先ほど言いました第二次世界大戦の後にも、東ヨーロッパのほとんどの国は自らが関与しないところで運命が決められていくわけですし、あるいは一九三八年のチェコはヒトラーとそれからフランス、イタリアなどによって運命を決められてしまいました。
僅かな例外は、実はさっき申し上げたフィンランドなんですね。フィンランドは、完全にスターリンの支配の下でなされたわけではなく、フィンランドなりのステーツマンシップを生かして、非常に狭い自主的中立という道を選んで、その結果、政治的には部分的に屈辱的だったかもしれないし、領土も割譲したけれども、でも、生き延びるのに成功したし、幸福度、今世界で幸福度ナンバーワンかツーですよね、フィンランドって。そういう国になったという、そういう例もあるので、ここが難しいところで、やっぱり我々が認容できる犠牲というのは人道的にもそれは限りがあるわけですから、停戦の時期というのは近いと思います。
その停戦が今トランプさんがやっているような手法しかないとすれば、ヨーロッパがそれに代わるもっと公正な代案が出せないとすれば、少なくとも当面トランプさんの手法に一定の期待をするというのは決して不誠実ではないと思います。
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岩渕友(共産)
ありがとうございます。
次に、三人の参考人に同じことをお聞きしたいんですけれども、先ほどのお話で、広瀬参考人から、犠牲者が死者、負傷者合わせて百万人を突破したというふうにありました。非常に甚大な犠牲、被害になっていると思うんですね。
実は、昨年、海外への派遣でチェコに行ったときに、ウクライナから避難をしている子供たちなどの支援をしているユニセフの施設を視察したんです。そのときに、避難してきたときの経験であるとか、子供たちから、ウクライナにいたときはもうサイレンが頻繁に鳴って、本当に落ち着かなくて、いろいろ考えて眠ることもできないような状況だったと、で…
この発言のページ
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猪口邦子(自民)
広瀬参考人からですね。
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56
岩渕友(共産)
はい、広瀬参考人から順番にお願いします。
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- (上の発言)
57広広瀬佳一防衛大学校人文社会科学群教授
この難民の問題も非常に大きな問題で、今御指摘になったチェコだけではなくて、ドイツとかポーランドはそれこそ百万人以上の難民を受け入れています。
その心を痛めるというのは非常に分かるんですけど、でも、少し冷徹なことを申し上げますと、難民に対する周辺国の感情は去年ぐらいから変わってきています。それはどういうことかというと、最初の一年目には、その難民は非常に同情すべきであり、もうあらゆることをしていきたいというふうな雰囲気で、世論調査やっても難民に対する支持率は非常に高かったんですけれども、去年の秋ぐらいから下がっています。やはりそろそろ、もうその難民のためのコストが、結局、本来国民の社会福祉に与えられるものであったはずだという意識から難民の施策に対する反発が起きていますし、実際ヨーロッパで御承知のようにポピュリズムが盛り上がっている、そのポピュリズムの一要因には、そうした排外主義的な、つまり難民も含めて、こんな問題は早く解決してもらいたいし、だから、その意味ではさっさと停戦してほしいというような、そういう世論につながっていくのかなと思いますけれども、そういうその流れというのもあるのも事実なんですね。
この公正な和平というものを進めるために重要なことは、今はそういう被害が大きくなっていて、これが、要するに国際社会がそれを認容できるかどうかという問題が大きいと思うんです。もし認容できるんだったら、いつまでも戦って、そして正義を目指せばいいわけですよ。でも、実際には、今申し上げましたように、最も身近な国で、本来ウクライナを応援している国までもが世論調査にするとやっぱり変化が起きていると。やっぱり潮目というのがあるわけですね。
それで、その人道支援にしても何にしてもやっぱりコストが掛かりますから、その周辺の、ウクライナ周辺の国ですら少しずつやっぱりちょっと態度に変化が生じている状態ですから、そうしますと、公正さを追求、一〇〇%追求するというだけでは解決にならないという雰囲気があって、それが例えば今回のトランプさんの、手法はともかく、停戦を求めるという声を言わば押し上げているんではないかなというふうに思います。その手法には、先ほど申し上げましたような大国主義的な、パワーポリティクスのような手法というのが目立っていて、それはそれでいろいろ問題はあるかもしれませんけど、でも、これが停戦ができれば、それは、今はそれが一番重要ではないかという流れというのがあります。
ウクライナの関与ですけれども、これはウクライナが関与しなければ解決しないと、私もそう思いますが、最初の枠組みにはもうウクライナは多分入ってこないと思いますので、恐らく米ロでつくった枠組みをウクライナに半ば強要するというスタイルになるんではないかと思います。歴史的にはそういう例は幾らでもあります。先ほど言いました第二次世界大戦の後にも、東ヨーロッパのほとんどの国は自らが関与しないところで運命が決められていくわけですし、あるいは一九三八年のチェコはヒトラーとそれからフランス、イタリアなどによって運命を決められてしまいました。
僅かな例外は、実はさっき申し上げたフィンランドなんですね。フィンランドは、完全にスターリンの支配の下でなされたわけではなく、フィンランドなりのステーツマンシップを生かして、非常に狭い自主的中立という道を選んで、その結果、政治的には部分的に屈辱的だったかもしれないし、領土も割譲したけれども、でも、生き延びるのに成功したし、幸福度、今世界で幸福度ナンバーワンかツーですよね、フィンランドって。そういう国になったという、そういう例もあるので、ここが難しいところで、やっぱり我々が認容できる犠牲というのは人道的にもそれは限りがあるわけですから、停戦の時期というのは近いと思います。
その停戦が今トランプさんがやっているような手法しかないとすれば、ヨーロッパがそれに代わるもっと公正な代案が出せないとすれば、少なくとも当面トランプさんの手法に一定の期待をするというのは決して不誠実ではないと思います。
58小小泉悠東京大学先端科学技術研究センター准教授
確かに、一つの冷徹なリアリズムとしてそういうことになってしまうというところもあると思いますが、さっき申し上げたように、ウクライナには受け入れないという選択肢もあるんですよね。アメリカから支援が来ない状態で抵抗を継続するということは、言われたらそういう戦略を作ると思います、ウクライナ軍は。
なので、仮にウクライナが、そのトランプのつくろうとしている平和、これは私は平和というよりウクライナへの降伏の強制だと思いますけど、ウクライナに対する降伏の強制にウクライナ自身が同意したんだったらしようがないと思いますけれども、そうでない場合というのは、やはり依然として…
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猪口邦子(自民)
では、酒井参考人ですが、恐縮ですが、時間の関係もございますので、簡潔によろしくお願いします。
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60酒酒井啓亘早稲田大学法学学術院教授
ありがとうございます。じゃ、簡潔に。
国際法の立場からすると、公正さというのは、まさにその違法な武力行使によって得られた果実というのはこれは無効だということにならざるを得ないと思います。
それから、ウクライナ市民、あるいは人民の意思を無視した形での和平合意というのは、あるいは停戦合意というのは、これもまた、自決権の否定というところまで言うかどうかはともかくとして、やはり真正な意思というものをないがしろにするものだというふうに言わざるを得ないというふうに思ってはいます。
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