高橋基樹京都大学名誉教授/神戸大学名誉教授

2025年5月9日・第217回国会 参議院 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 70 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 89 発言)

お答えします。

私は、ODAについての考え方は先ほど池上委員がおっしゃったとおりで、国益にも様々な、精神的な、あるいは名誉、そういったものを重んじる国益から非常に物質的な国益まで様々なものがあると思いますけれども、まずODAで達成すべきは、日本国憲法に書いてあるとおり、国際社会における名誉なんだというふうに思います。

ですから、中には、日本に全く役に立たないといいますか、持ち出しの援助、実際にそれは技術協力であり無償資金協力として行われているわけで、基本的にそこがひも付きでやられていない部分はたくさんございます。むしろ、これは先生方のお怒りを買うかもしれませんが、協力隊員でさえ、場合によっては優秀なアフリカ人を協力隊員として別の国から例えばマラウイに送る、そういったことも、アフリカ人を別のアフリカの国に送るといったような形での非常に懐の深い援助をつくっていく。これ自体が、先ほど申し上げたとおり、実は巡り巡って日本の利益に返ってくるということが重要で、最強のパスポートというのは、私は、日本の名誉というものがある程度受け入れられている、戦争してこなかった国、アフリカについては害をもたらさなかった国、しかもODAでいいことをしてくれている国というパーセプションは非常にございます。通関をするとき、入管の手続をするときも、JICAの名前を出し日本というふうに言えばそれは通してくれる。単に日本人が犯罪をしないということだけではないと思います。こういったものこそ、まず大事にすべきことであります。

ただ、社会の現実として、やはり日本の企業と一緒にやっていかなきゃいけないとか、そういう要請は現実にはあり、私の教え子もたくさん企業さんに就職してODAの仕事に携わったりしますから、現実にはそれはなかなか難しい面があるかと思いますが、まずその本義、人間としての共感のために援助をするということは忘れてはならないというふうに思います。

お答えになっていれば幸いです。

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