池上甲一近畿大学名誉教授

2025年5月9日・第217回国会 参議院 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 66 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 89 発言)

まず、後段の海外の研究者の評価ですが、十分その全体について見ているわけではありませんのでちょっと不十分ではありますけれども、一応、今日の資料の、どこだったかな、ODAの評価のところを少し説明、追加させていただいております。デレク・ホールさんとそれから岡田佳奈さんとかの研究を、ちょっと今見当たりませんけれども。要するに、日本のODAが一つは企業の開発、企業の進出の受皿になっているといいますか、ODAが主導して、で、企業進出をする、そういう前提をつくっているという見解ですね。十九ページですね。

日本の企業はなかなか、特に農業関係に進出、投資をしたがらない、アフリカは一番したがらないわけですけれど、その理由として、リスク回避とか、もちろんインフラ、JICAの行う事業を請け負うということをやるわけですけれど、自分で投資するということはなかなかしない。そういう中で、代わりの部分が決定的に欠けているので、そこをODAが先にやって、それが整えば企業が出てくるという、そういう見方をしておられます。そのODA主導型のやっぱり海外の農業投資になっているのではないかという見方でございますね。それでいいか悪いかということはまあ別ですけれども、現実の問題としてODAが行われていないとなかなか出ていきにくい。

それから、ODAがどうしても経済インフラに偏っているということの一つ裏打ちするというか、背景になっているということを考えると、その部分はやっぱり見直す必要があるかなと。やっぱり社会的な開発とか、それから、最近では増えているマルチセクターですね、への投資とかということを考えていくと、やっぱり経済インフラ重視というのは少し考え直す必要があるだろうというふうに思っております。

それから、最初の方のその飢餓の問題というのは、非常に複合的な要因があるので簡単にはお答えできないし、その処方箋がすぐ出るというものでもないということを前提にしていただきたいと思います。

一つは、やっぱり平和ですね、一番大事なことは。やっぱり紛争かあるいは準紛争のところは非常に多くて、それが民族間対立とか宗教間対立とかいうことを引き起こしている。で、いろんな国内難民、越境難民が増えていて、もう耕したくても耕せないということ、そういう状況になっていて、どうしても緊急援助に頼らなければいけないような状況が生み出されている。

それからもう一つが、やはり自分たちのところで干ばつに強いような作物をずっと作ってきたんだけれども、そこのところが食糧援助とかで米とか小麦とかに置き換わっていってしまったというところの問題が一つあると思いますね。

そこをどういうふうに打開していくかというときには、もう一度やはり食の在り方をきちんと地産地消的な形のものに見直していくことが重要なんですけれど、食生活というのは結構変わっているので、トウモロコシに移ったというのもそうですが、もう一度、キャッサバとか、干ばつに強い穀物、ソルガムとか、そういったものも調理の仕方とかを変えることによってもう一度戻ってくる可能性というのはあると思います。都市で調理しやすくするとか、そういう工夫をすることで国内で生産できる作物を充実するということは一つの方法かなというふうに思っています。

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