山下議員から、戦略的環境影響評価制度の導入についてお尋ねがありました。
現在、複数の国において戦略的環境影響評価に係る法的な規定が導入されていますが、各国で規定の制定形式が異なり、その対象となる計画、プログラムや要求するプロセスも国によって異なると承知しており、我が国においても、我が国の実情に応じた制度の検討が必要であると考えています。
その上で、地球温暖化対策推進法や再エネ海域利用法の改正法に基づく仕組みは、個別の事業計画の立案よりも前の段階で環境配慮を図るためのものであり、上位の計画や政策立案段階での環境配慮を確保する戦略的環境影響評価制度の趣旨に資するものであると考えています。
これに加え、我が国における戦略的環境影響評価の在り方や、対象とすべき計画等について検討する場合には、当該計画等に係る国家戦略等の政策や、計画に基づき行われる事業に関連する個別法令の内容などを踏まえ、関係省庁とも連携しつつ、慎重に検討を進めるべきであると考えていますが、引き続き更なる知見の収集に努めてまいります。
次に、原子力発電所の供用時における環境影響評価についてお尋ねがありました。
原子力発電所の設置に当たっては、放射性物質の放出における影響等を踏まえ、その安全性については、独立性の高い原子力規制委員会において、科学的、技術的根拠を基に厳格に審査が行われるものと認識しています。
この認識の下、環境影響評価法では、環境大臣が環境影響評価の項目、手法や環境保全措置等の指針となる基本的事項を定め、各対象事業を所管する主務大臣は、基本的事項に基づき、具体的な項目、手法等を主務省令において定めることとしており、この枠組みにおいて整理がなされるものと考えています。
次に、原子力発電所の事故時を想定した環境影響評価の必要性についてお尋ねがありました。
事故の発生防止の観点も含め、原子力発電所の安全性については、独立性の高い原子力規制委員会において、科学的、技術的根拠を基に厳格に審査が行われるものと認識しています。その上で、環境影響評価法においては、発電所の設置に伴う土地の形状変更等が環境に及ぼす影響を評価しなければならないこととしています。
原子力発電所の設置や稼働に関する環境保全については、このように関係する行政機関がそれぞれの制度を適切に運用していくことが重要であると考えています。
次に、火力発電所の建て替えにおける環境影響評価手続の合理化についてお尋ねがありました。
今回の改正は、必ずしも環境影響評価法上の手続を緩和するものではなく、既存事業の環境影響を考慮した環境配慮の内容を配慮書に記載させることにより、建て替え事業の特性を踏まえた手続の適正化を行うものとなります。
また、効果的、効率的な環境影響評価の実施の観点から、配慮書段階の検討結果を環境影響評価の項目選定や調査、予測等に反映、活用していくことが重要であり、既存事業の稼働中に実施した調査結果を活用すること等により、環境影響が限定的となり得ると判断された場合には、方法書以降の手続において環境影響評価の評価項目の絞り込み等を行うことが適切と考えています。
建て替え事業に係る環境影響評価手続においても、適正な環境配慮の確保が検討されることは大前提であり、法に基づく基本的事項等において既存事業の環境影響を踏まえた環境配慮の検討に関する考え方等を定めていく際には、有識者等の意見も踏まえながら適切に進めてまいります。
最後に、累積的影響の評価についてお尋ねがありました。
近接した区域に複数の事業が集中することにより、累積的な影響が懸念される風力発電事業については、環境大臣意見において、累積的な影響について適切に調査、予測及び評価を行い、その結果を踏まえ、風力発電設備等の配置等を検討することを求めています。
また、累積的な影響の回避、低減には、累積的な影響評価に係る技術的な検討を進め、予測技術の向上や環境保全措置の具体的な事例の蓄積を図ることも重要であり、環境影響評価図書の継続公開を進めることにより、このための情報収集が可能になると考えています。
加えて、諸外国における参考事例等も整理の上、累積的な影響が懸念される環境項目の整理を行った上で、その評価の技術的な考え方を検討し、ガイドライン等の策定を進めてまいります。(拍手)
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
18
加藤勝信(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
浜野議員からGX経済移行債を発行する理由についてお尋ねがありました。
政府としては、GXの移行に向けて長期、複数年度にわたる投資促進策を講じるため、受益と負担の関係を見える化するようにエネルギー特別会計を用いて歳入歳出を管理することとしています。
その上で、安定した財源を確保してGXを推進する観点も踏まえ、カーボンプライシングを導入し、大胆な先行投資支援を実現するために、そのカーボンプライシングの将来財源を裏付けとしてGX経済移行債を発行することとしております。
次に、自国通貨建てである日本国債に関し、債務不履行となる可能性や安定消化できている理由…
この発言のページ
19
関口昌一議長
山下芳生君。
〔山下芳生君登壇、拍手〕
この発言のページ
20
山下芳生(共産)
日本共産党の山下芳生です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました環境影響評価法、以下、アセス法の一部を改正する法律案に対し、関係大臣に質問します。
日本の環境影響評価制度は一九七〇年代半ばより検討が始まりましたが、発電所の建設が遅れることを危惧する電力業界や通産省が抵抗したことによって、長年にわたり法の制定が実現しませんでした。公害、環境問題が深刻化し、国民の怒りと運動が高まる中で、ようやく九七年にアセス法が成立しましたが、発電所だけは電気事業法の定めるところによるとして適用除外とされました。さらに、計画段階配慮書が新設された二〇一一年の法…
この発言のページ
- (上の発言)
21
浅尾慶一郎(自民)環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)
山下議員から、戦略的環境影響評価制度の導入についてお尋ねがありました。
現在、複数の国において戦略的環境影響評価に係る法的な規定が導入されていますが、各国で規定の制定形式が異なり、その対象となる計画、プログラムや要求するプロセスも国によって異なると承知しており、我が国においても、我が国の実情に応じた制度の検討が必要であると考えています。
その上で、地球温暖化対策推進法や再エネ海域利用法の改正法に基づく仕組みは、個別の事業計画の立案よりも前の段階で環境配慮を図るためのものであり、上位の計画や政策立案段階での環境配慮を確保する戦略的環境影響評価制度の趣旨に資するものであると考えています。
これに加え、我が国における戦略的環境影響評価の在り方や、対象とすべき計画等について検討する場合には、当該計画等に係る国家戦略等の政策や、計画に基づき行われる事業に関連する個別法令の内容などを踏まえ、関係省庁とも連携しつつ、慎重に検討を進めるべきであると考えていますが、引き続き更なる知見の収集に努めてまいります。
次に、原子力発電所の供用時における環境影響評価についてお尋ねがありました。
原子力発電所の設置に当たっては、放射性物質の放出における影響等を踏まえ、その安全性については、独立性の高い原子力規制委員会において、科学的、技術的根拠を基に厳格に審査が行われるものと認識しています。
この認識の下、環境影響評価法では、環境大臣が環境影響評価の項目、手法や環境保全措置等の指針となる基本的事項を定め、各対象事業を所管する主務大臣は、基本的事項に基づき、具体的な項目、手法等を主務省令において定めることとしており、この枠組みにおいて整理がなされるものと考えています。
次に、原子力発電所の事故時を想定した環境影響評価の必要性についてお尋ねがありました。
事故の発生防止の観点も含め、原子力発電所の安全性については、独立性の高い原子力規制委員会において、科学的、技術的根拠を基に厳格に審査が行われるものと認識しています。その上で、環境影響評価法においては、発電所の設置に伴う土地の形状変更等が環境に及ぼす影響を評価しなければならないこととしています。
原子力発電所の設置や稼働に関する環境保全については、このように関係する行政機関がそれぞれの制度を適切に運用していくことが重要であると考えています。
次に、火力発電所の建て替えにおける環境影響評価手続の合理化についてお尋ねがありました。
今回の改正は、必ずしも環境影響評価法上の手続を緩和するものではなく、既存事業の環境影響を考慮した環境配慮の内容を配慮書に記載させることにより、建て替え事業の特性を踏まえた手続の適正化を行うものとなります。
また、効果的、効率的な環境影響評価の実施の観点から、配慮書段階の検討結果を環境影響評価の項目選定や調査、予測等に反映、活用していくことが重要であり、既存事業の稼働中に実施した調査結果を活用すること等により、環境影響が限定的となり得ると判断された場合には、方法書以降の手続において環境影響評価の評価項目の絞り込み等を行うことが適切と考えています。
建て替え事業に係る環境影響評価手続においても、適正な環境配慮の確保が検討されることは大前提であり、法に基づく基本的事項等において既存事業の環境影響を踏まえた環境配慮の検討に関する考え方等を定めていく際には、有識者等の意見も踏まえながら適切に進めてまいります。
最後に、累積的影響の評価についてお尋ねがありました。
近接した区域に複数の事業が集中することにより、累積的な影響が懸念される風力発電事業については、環境大臣意見において、累積的な影響について適切に調査、予測及び評価を行い、その結果を踏まえ、風力発電設備等の配置等を検討することを求めています。
また、累積的な影響の回避、低減には、累積的な影響評価に係る技術的な検討を進め、予測技術の向上や環境保全措置の具体的な事例の蓄積を図ることも重要であり、環境影響評価図書の継続公開を進めることにより、このための情報収集が可能になると考えています。
加えて、諸外国における参考事例等も整理の上、累積的な影響が懸念される環境項目の整理を行った上で、その評価の技術的な考え方を検討し、ガイドライン等の策定を進めてまいります。(拍手)
〔国務大臣武藤容治君登壇、拍手〕
22
武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
山下芳生議員の御質問にお答えをさせていただきます。
電気事業法による環境影響評価法の適用除外について御質問、お尋ねをいただきました。
電気事業法では、発電所の設置等を行う者に対し工事計画の届出を義務付けていますが、当該計画は環境影響に係る評価書に従っていることが要件とされており、これにより環境影響評価の実施を担保しています。加えて、講じた環境保全措置等を記載した報告書の公表を義務付けています。このため、環境保全措置の内容などが明らかにされていないとの御指摘は当たらないものと考えているところであります。(拍手)
この発言のページ
23
関口昌一議長
これにて質疑は終了いたしました。
─────・─────
この発言のページ
24
関口昌一議長
日程第一 日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第二 日本国の自衛隊とイタリア共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とイタリア共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
(いずれも衆議院送付)
以上両件を一括して議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長滝沢求君。
─────────────
〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
─────────────
〔…
この発言のページ