情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明をいたします。
現行の刑事手続等において、関係書類は、紙媒体で作成・管理・発受されており、また、公判における手続等の多くは、裁判官や訴訟関係人等が公判廷等において対面する形で行われています。
こうした中、近年における情報通信技術の進展及び普及に伴い、刑事手続においても、それらの技術を活用することにより、手続を円滑・迅速なものとするとともに手続に関与する国民の負担を軽減することが喫緊の課題となっております。
また、情報通信技術の進展等は、社会に恩恵をもたらす一方で、それらの技術を悪用した新たな犯罪事象も生じさせており、現下の犯罪情勢に鑑みると、そのような犯罪事象に対し、刑事法として適切に対処できるようにすることも急務であります。
そこで、この法律案は、刑事手続等の円滑化・迅速化及びこれに関与する国民の負担軽減を図るとともに、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処することにより、安全・安心な社会を実現するため、刑事訴訟法、刑法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、刑事手続等において取り扱う書類について、電磁的記録をもって作成・管理・発受することを可能にするための規定の整備であります。
すなわち、電磁的記録である証拠の閲覧・謄写の方法を定めるとともに、裁判所に対する申立て等について電子情報処理組織を使用する方法等によることや、令状について電磁的記録により発付・執行することを可能にするほか、裁判官の発する令状等に基づく強制処分である記録命令付差押えを廃止し、同様の強制処分としての電磁的記録提供命令を創設する等の措置を講ずるものであります。
第二は、刑事手続等において関係者が対面する形で行われる手続について、ビデオリンク方式の一層の活用を可能にするための規定の整備であります。
すなわち、勾留質問及び検察官による弁解録取について、被疑者等を刑事施設に在席させて同方式により行う場合の手続等を定めるとともに、公判期日における手続について、被告人や被害者参加人等を公判廷以外の場所に在席させて同方式により行うことを可能とするほか、同方式により証人尋問等を実施することができる範囲を拡充する等の措置を講ずるものであります。
第三は、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処するための規定の整備であります。
すなわち、行使の目的で電磁的記録文書等を偽造する行為等について、現行の文書偽造罪等と同様に処罰する規定を整備するとともに、暗号資産等の電子情報処理組織を用いて移転する新たな形態の財産について没収の裁判の執行及び没収保全の手続を整備するほか、犯罪捜査のための通信傍受の対象犯罪に財産上の利益を客体とする強盗罪・詐欺罪・恐喝罪を追加する等の措置を講ずるものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において、一部修正が行われております。
その内容は、第一に、検察官等が電磁的記録提供命令を受ける者に対してする、みだりに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らしてはならない旨の命令について、一年を超えない期間を定めてすることとするものであります。
第二に、附則において、電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体を押収するに当たっては、できる限り被疑事件等と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないこととするものです。
第三に、附則において、政府は、刑事訴訟法第三十九条第一項の規定による接見のほかに、身体拘束中の被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について、地域の実情を踏まえ、被告人等と弁護人等との間の秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ、必要な取組を推進することとするものであります。
以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
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2
関口昌一議長
御異議ないと認めます。
弔詞を朗読いたします。
〔総員起立〕
参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ 特に院議をもって永年の功労を表彰せられ さきに国土交通委員長 少子高齢化・共生社会に関する調査会長の要職に就かれ また国務大臣としての重任にあたられました 元議員正三位旭日大綬章田名部匡省君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
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3
関口昌一議長
この際、日程に追加して、
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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4
関口昌一議長
御異議ないと認めます。鈴木馨祐法務大臣。
〔国務大臣鈴木馨祐君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
5
鈴木馨祐(自民)法務大臣
情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明をいたします。
現行の刑事手続等において、関係書類は、紙媒体で作成・管理・発受されており、また、公判における手続等の多くは、裁判官や訴訟関係人等が公判廷等において対面する形で行われています。
こうした中、近年における情報通信技術の進展及び普及に伴い、刑事手続においても、それらの技術を活用することにより、手続を円滑・迅速なものとするとともに手続に関与する国民の負担を軽減することが喫緊の課題となっております。
また、情報通信技術の進展等は、社会に恩恵をもたらす一方で、それらの技術を悪用した新たな犯罪事象も生じさせており、現下の犯罪情勢に鑑みると、そのような犯罪事象に対し、刑事法として適切に対処できるようにすることも急務であります。
そこで、この法律案は、刑事手続等の円滑化・迅速化及びこれに関与する国民の負担軽減を図るとともに、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処することにより、安全・安心な社会を実現するため、刑事訴訟法、刑法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、刑事手続等において取り扱う書類について、電磁的記録をもって作成・管理・発受することを可能にするための規定の整備であります。
すなわち、電磁的記録である証拠の閲覧・謄写の方法を定めるとともに、裁判所に対する申立て等について電子情報処理組織を使用する方法等によることや、令状について電磁的記録により発付・執行することを可能にするほか、裁判官の発する令状等に基づく強制処分である記録命令付差押えを廃止し、同様の強制処分としての電磁的記録提供命令を創設する等の措置を講ずるものであります。
第二は、刑事手続等において関係者が対面する形で行われる手続について、ビデオリンク方式の一層の活用を可能にするための規定の整備であります。
すなわち、勾留質問及び検察官による弁解録取について、被疑者等を刑事施設に在席させて同方式により行う場合の手続等を定めるとともに、公判期日における手続について、被告人や被害者参加人等を公判廷以外の場所に在席させて同方式により行うことを可能とするほか、同方式により証人尋問等を実施することができる範囲を拡充する等の措置を講ずるものであります。
第三は、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処するための規定の整備であります。
すなわち、行使の目的で電磁的記録文書等を偽造する行為等について、現行の文書偽造罪等と同様に処罰する規定を整備するとともに、暗号資産等の電子情報処理組織を用いて移転する新たな形態の財産について没収の裁判の執行及び没収保全の手続を整備するほか、犯罪捜査のための通信傍受の対象犯罪に財産上の利益を客体とする強盗罪・詐欺罪・恐喝罪を追加する等の措置を講ずるものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において、一部修正が行われております。
その内容は、第一に、検察官等が電磁的記録提供命令を受ける者に対してする、みだりに電磁的記録提供命令を受けたこと等を漏らしてはならない旨の命令について、一年を超えない期間を定めてすることとするものであります。
第二に、附則において、電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させ、又は電磁的記録に係る記録媒体を押収するに当たっては、できる限り被疑事件等と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう、特に留意しなければならないこととするものです。
第三に、附則において、政府は、刑事訴訟法第三十九条第一項の規定による接見のほかに、身体拘束中の被告人等と弁護人等との間における映像と音声の送受信による通話を可能とするための運用上の措置について、地域の実情を踏まえ、被告人等と弁護人等との間の秘密の確保に配慮するとともに不正行為等の防止に万全を期しつつ、必要な取組を推進することとするものであります。
以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
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6
関口昌一議長
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。打越さく良君。
〔打越さく良君登壇、拍手〕
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7
打越さく良(立憲)
立憲民主・社民・無所属の打越さく良です。
私は、会派を代表し、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案について、鈴木馨祐法務大臣に質問を行います。
情報通信技術は、何よりも国民の権利利益の保護、実現のために活用されるべきであり、刑事手続における情報通信技術の利用の拡大が憲法上保障された国民の権利を侵害するようなことはあってはなりません。
本法案の作成に先立って設置された刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会の取りまとめでも、刑事手続における情報通信技術の活用は、刑事手続に携わる者の負担を軽減し、その合理化に資…
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鈴木馨祐(自民)法務大臣
打越さく良議員にお答え申し上げます。
まず、電磁的記録提供命令の創設に当たっての国民の権利の保護についてのお尋ねがありました。
本法律案においては、捜査機関による電磁的記録提供命令について、必ず裁判官の発する令状によることとしており、捜査機関が提供を命ずることができる電磁的記録は、制度上、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録したものに限定されることとなっている上、その命令に対しては、不服申立てをすることができることとしております。
したがいまして、本法律案には国民の権利を保護する規定が欠けているとの御指摘は当たらないと考えております…
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