森本宏法務省刑事局長

2025年5月15日・第217回国会 参議院 法務委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 113 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 228 発言)

本法律案における改正後の刑事訴訟法においては、裁判官が発する電磁的記録提供命令の令状に提供させるべき電磁的記録等を具体的に特定して記載、記録することとしており、捜査機関が提供を命ずることができる電磁的記録は、制度上、裁判官が被疑事件等との関連性を認めて令状に記載、記録したものに限定されます。

さらには、電磁的記録提供命令については、現行の差押えと異なり、被処分者に電磁的記録の提供を命ずる処分であり、そうした処分の性質上、被処分者において何を提供すればよいのかが判断できるようにする必要があることから、一般的には、令状における提供させるべき電磁的記録は、現行の差押えにおける差し押さえるべきものに比べて、より具体的に特定されることになるものと考えております。

その意味でも、電磁的記録提供命令については、制度上、被疑事件と関連性のない情報が収集されることにならないと考えておりますが、他方、現行の刑事訴訟法におきまして、捜査機関が捜査の過程で収集し、保有する証拠について、被疑事件との関連性が乏しいことなどを理由として廃棄や消去等をすることができるとする規律は設けられておりません。

実質的に見ましても、捜査の過程で収集した証拠と被疑事件との関連性の有無や程度では、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、捜査の進展や争点等に応じて変化し得るものでありまして、捜査のある段階でさほど重要でないと思われていた証拠が、後に有罪方向か無罪方向かを問わず事案の解明に重要となる場合もあり得ることなどからすると、収集した証拠につきましては、弁護人等への開示も含め、刑事手続における利用に備えて適切に保管することが相当であるというふうに考えております。

したがいまして、御指摘のような消去の規律を設けたり、そうした運用を行うことについては慎重な検討を要するものというふうに考えております。

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