近時、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末が広く普及し、そうした端末の映像面に表示して人に見せることにより様々な電磁的記録が紙媒体の文書と同様に利用されるようになっております。
そのような中、近時、他人に成り済まして虚偽の内容の電磁的記録を作成し、インターネット上で悪用する行為が社会問題化している上、本法律案による改正後は、電磁的記録による令状の発付や執行が可能になることに伴いまして、電磁的記録による令状を偽造して悪用する事案の発生も懸念されます。
しかし、このような電磁的記録を偽造する行為等につきまして、現行刑法の下では、電磁的記録は文書偽造罪等に言う文書には該当しないことから、処罰できない場合がございます。
そこで、本法律案においては、文書と同様の機能を営む電磁的記録の社会的信頼を確保する観点から、文書として用いられる電磁的記録を偽造する行為等について現行の文書偽造罪等と同様の処罰をすることができるようにするために、電磁的記録をもって作成される文書を対象とする電磁的記録文書等偽造の罪を創設することとなっております。
個々の事案の成否は証拠関係を踏まえて判断されるものでございますけれども、一般論として申し上げれば、例えば、投資詐欺の手段として、SNS上で他人に示すために著名人の名義を無断で使用し、虚偽の投資実績を紹介する内容の電磁的記録を作成した場合でありますとか、他人に成り済まして消費者金融から借入れ目的で金銭を詐取する手段として、消費者金融の従業員に示すために自己の運転免許証をPDFの電磁的記録として取り込んだ上、同電磁的記録の氏名等を改変した場合などに成立し得るものと考えております。
97
谷合正明(公明)
刑事デジタル法案、新法においてそのような最高裁の判例に触れるような運用はあってはならないわけですけれども、そういうことはあり得ないということで理解してよろしいですか。
この発言のページ
98森森本宏法務省刑事局長
もちろん、最高裁判例にそのように明示されておりますし、そのような捜査手法というのはこれは禁止されているということでございますので、そういったことは捜査実務におけるものとしては当然しないということを前提に、もちろん電磁的記録提供命令についても適正になされるように周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
この発言のページ
99
谷合正明(公明)
それでは、ちょっと時間が限られていますので、別のテーマに行きたいと思います。
情報通信技術の進展等に伴って生じる新たな犯罪事象への適切な対処というところです。余りこれ質疑がなされていませんので、質問をさせていただきたいと思います。
一つ目に、まず電磁的記録をもって作成される文書の偽造等の罪の創設に関して、その趣旨、概要、また該当することが想定される事例について説明を求めます。
この発言のページ
- (上の発言)
100森森本宏法務省刑事局長
近時、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル端末が広く普及し、そうした端末の映像面に表示して人に見せることにより様々な電磁的記録が紙媒体の文書と同様に利用されるようになっております。
そのような中、近時、他人に成り済まして虚偽の内容の電磁的記録を作成し、インターネット上で悪用する行為が社会問題化している上、本法律案による改正後は、電磁的記録による令状の発付や執行が可能になることに伴いまして、電磁的記録による令状を偽造して悪用する事案の発生も懸念されます。
しかし、このような電磁的記録を偽造する行為等につきまして、現行刑法の下では、電磁的記録は文書偽造罪等に言う文書には該当しないことから、処罰できない場合がございます。
そこで、本法律案においては、文書と同様の機能を営む電磁的記録の社会的信頼を確保する観点から、文書として用いられる電磁的記録を偽造する行為等について現行の文書偽造罪等と同様の処罰をすることができるようにするために、電磁的記録をもって作成される文書を対象とする電磁的記録文書等偽造の罪を創設することとなっております。
個々の事案の成否は証拠関係を踏まえて判断されるものでございますけれども、一般論として申し上げれば、例えば、投資詐欺の手段として、SNS上で他人に示すために著名人の名義を無断で使用し、虚偽の投資実績を紹介する内容の電磁的記録を作成した場合でありますとか、他人に成り済まして消費者金融から借入れ目的で金銭を詐取する手段として、消費者金融の従業員に示すために自己の運転免許証をPDFの電磁的記録として取り込んだ上、同電磁的記録の氏名等を改変した場合などに成立し得るものと考えております。
101
谷合正明(公明)
同様に、電子計算機損壊等による公務執行妨害の罪の創設、これに関しまして、その趣旨、概要、該当することが想定される事例について、説明を求めます。
この発言のページ
102森森本宏法務省刑事局長
近時、情報通信技術等の進展等によりまして、警察官等の公務員がその職務の執行に電子計算機を用いる状況が生じており、本法律案による改正後の刑事訴訟法の下においても、例えば電磁的記録による令状を警察官がタブレット端末等の映像面に表示させて相手方に提示して執行するなどが予定されております。
しかし、現行の公務執行妨害罪は、公務員が職務を執行するに当たり、暴行又は脅迫を加える行為を対象としているため、公務員が職務に使用する電子計算機の動作を妨げる行為をしたとしても、当該公務員に対する暴行、脅迫に当たらない限り、同罪による処罰の対象とはなりません。
そこで、本法…
この発言のページ
103
谷合正明(公明)
理解いたしました。
それでは最後になりますけれども、この法案全体の話になりますが、全体の話と言いながら、まず、電磁的記録提供命令について、これが適正に運用されるためにはということ、これが大きな論点になっているわけですけれども、捜査機関が電磁的記録提供命令による令状を請求する際、裁判官がその請求を精査して、審査して令状を発付する際に提供させるべき電磁的記録をできる限り特定するということが重要であります。また、衆議院の修正でも留意事項が追加されたところでございます。
前回の質問で高村副大臣に御答弁いただく機会を失ってしまいましたので、今日は副大臣にこの点…
この発言のページ