成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 54 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

今回の法案におきましては、疎明資料として出す書類を紙媒体でなく電子データにすることができ、また、令状請求する際に裁判所までその紙媒体の資料を持っていく必要はなくて、オンラインで裁判所に疎明資料を提供することができるようになると。その限りにおいては捜査機関が令状請求をしやすくなるわけですけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、裁判官に令状を発付していただくためには、特定の事件に関する被疑事実というか、疑いがあるということを前提に、かつ、それに関連するデータであるということまでを疎明しなければなりませんので、その疎明資料自体を準備する作業というのはこれまでと大きくは変わらないのだろうと思います。ですので、本法案が成立した直後に直ちに令状請求が増大するとまでは容易には予想し難いところでございます。

さらに、裁判官の令状審査の内容というのはこれまでと全く変わらず、要件も全く同じでございますので、これまでどおり厳格な審査、先ほど来強調しております被疑事実と関連するデータであるかの部分については、とりわけ慎重に判断がなされるものと考えております。

さらには、令状発付後も不服申立ての機会が設けられておりまして、別の裁判官による審査も行われ得るということを考えますと、今回の法案が成立しても、この令状主義の仕組みというものは有効に機能し得るというふうに考えております。

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