河津博史日本弁護士連合会刑事調査室室長

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 50 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

まず前提として、現在の令状審査がどの程度厳格に行われているのかということについての評価は先ほどの成瀬参考人の意見と私の認識では食い違いがございます。これは、先ほど御紹介した統計数字だけからはどちらが正しいのかということを一概に申し上げることはできないのかもしれませんが、私は、やはり捜査機関の反対当事者として、非常に抽象的な差し押さえるべき物で令状が発付されてしまっている、それに基づいて相当包括的な差押えが行われてしまっているという実情を目にすることがございます。

例えば、ある一件の金融機関からの融資を受けたことが詐欺に当たるのではないかということで、詐欺被疑事件での捜索差押えで、会社にあった全ての電磁的記録媒体を含む段ボール箱三百箱もの物品が押収されたという事案がございました。

そのほか、私は弁護人として証拠開示を受ける中で差し押さえられた物というものを目にすることがあるわけですけれども、例えば、それもある会社から差押えが行われた物品を見に行ったときに、一つ一つの物が管理すらされていなくて、段ボール箱単位で目録が作られているんですけれども、段ボール箱の中には、明らかに事件と関係のない、従業員の例えばCDであるとかヘアスプレーのようなものまで押収されているということがございました。

そのような実情を目にしておりますので、これまでの令状審査、さらにはその令状の執行がどれだけ厳格に行われているのかということについては、厳しい目を向けざるを得ません。

それを前提にすると、この令状の請求が容易になることによって令状請求の数が増え、発付が増えることによって権利侵害の数が増えてしまうのではないかという懸念はございます。これを防止するためには、まさに、先ほど意見陳述で申し上げましたが、国民のプライバシーを守る裁判所、裁判官の役割が再認識される必要があるだろうと思います。裁判所がきちんと国民の期待に応えているのかどうか、客観的な検証も行われるべきではないでしょうか。

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