森本宏法務省刑事局長

2025年4月24日・第217回国会 参議院 法務委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 73 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 284 発言)

まず、取り消される場合というのは、電磁的記録提供命令に基づく処分に対して不服があるということで不服申立てがなされて、その不服申立てが通って原処分が取り消されるというような場合が一般的に想定されます。

そのような下で、その証拠、電磁的記録提供命令によって収集された電磁的記録の取扱いでございますけれども、現行刑事訴訟法の下では、捜査機関が証拠を押収した場合に、その押収処分が事後的に取り消されたとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去とすることとはされておりません。

最高裁判例によっても、令状主義の精神を没却するような重大な違法があって、これを証拠として許容することが将来における違法捜査の抑制の観点から、見地からして相当でないと認められる場合に証拠能力が否定されるというのが、取扱いが確立しております。

こうした我が国の刑事法の考え方に照らしますと、電磁的記録提供命令が取り消された場合であったとしても、それによって得られた電磁的記録が直ちに消去されるような運用にはならないというふうに考えております。

ただ、その上で申し上げれば、捜査、公判に必要なものとして作成された、あるいは取得された書類等につきましては、捜査中から刑事事件終結後に至るまで、刑事手続の適正かつ円滑な遂行のためにありのままの形で保存、保管すべきというのが現行の制度でございまして、そういった取扱いになるものというふうに考えております。

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