御質問ありがとうございます。
先ほども述べましたように、私は、現在の日本学術会議は五要件、これを満たしておりますけれども、遺憾ながら、極めて遺憾ながら、法案の新しい日本学術会議なるものは、五要件の中の形式的な部分、これはともかくとしまして、実質的な部分、コアの部分、最も大切な部分、その部分が欠けていると。つまり、安定した財源の基盤というものの確保がこれで本当にできるのかどうかと。
先ほど外部資金というふうにおっしゃられて、それは非常に美しい言葉ではございます。ところが、非常勤の私たちがそれを取ってくるという作業をしなければいけませんし、外部資金といいましても非常に多様でございまして、例えば、何かを申請すると、申請してから採択があるまで、これタイムラグがございます。その間、その活動はできない、ペンディングになっているということ。仮に採択でそれが認められたとしても、その期間の間、会員の任期が続くかどうか分からない。そうすると、せっかくもらったお金がその後どうなるのと。まあ継続的に使える何らかの工夫は可能だと思いますけれども、そもそも外部資金、そのような申請型の外部資金を取ってくるということは、活動の基本的な考え方とは私は相入れないんじゃないかなと考えております。
したがいまして、寄附文化というものが必ずしも十分でないこの日本におきまして、財政的な基盤というのは非常に脆弱になると。確かに、多様な財源が可能になるという美しい言葉が出てきます。この法案には、美しい言葉、例えば外部の知見であるとか、ガバナンスの確保とか透明化とか、美しい言葉が出てきますけど、これ、この出てくる文脈をよく読むと、結局、それによって監視、監督、統制をしていくというシステムが組み込まれたところにそういうことが書かれているという落とし穴がある、トロイの木馬があるということでございます。
二つ目のコアの部分。一つ目は財源、二つ目のコアの部分、活動の自主性、自律性ということでございますけれども、これももちろん予算にまず制約をされるわけでございますけれど、財源に制約をされるわけでございますけれども、この活動が全て評価されていくと。で、監事、先ほども申しましたけれども、監事の職務内容が非常に広過ぎて、どこまで監査されるか分からない、そういう中で活動せざるを得ないということ。これは非常に活動に萎縮が伴うことになるというふうに思いまして、監事の存在、これがもうどうしても消すことができないということでしたら、是非、その職務内容の限定というようなこと、あるいは監事として選任される人の資格の限定というようなことは必ず書いていただきたい、あるいは職務の中立性ということもきちんと書いていただきたいと私は考えております。
それから、三つ目のコオプテーション。これは、やはり外部の知見というのは非常に重要です。しかも、人間というのは無い物ねだりをすれば切りがございません。つまり、科学者の総意ということを仮に形式的、実質的に実現しようと思えば、まず科学者を定義しなきゃいけません。誰をもって科学者というのかと、科学者だというふうに言っている人が全て科学者かと。これ非常に難しい問題がございます。
それから、全ての科学者の意見を聞かなきゃいけないということにすると、これは恐らく立ち行かないと。そうすると、一定の学協会でありますとか、あるいは科学的な知見を持った人たちの集まりと、そういうものに限定せざるを得なくなってきて、結局は現在の日本学術会議におけるコオプテーションの方式というのが、最終的には、歴史的な試練を経た最も最適な日本的な専門的知見を持った科学者の選抜方式になっているということを結局は実証してしまうんじゃないかと。つまり、外部の非科学的な目が少しでも入る、あるいは少しでも忖度が働く。まあ私みたいに忖度をしない人間というのも少なからず科学者の中にはいますけれども、必ずしもそういう人たちばかりではございませんので、どうしても萎縮効果というのが生じてきます。
したがいまして、それは活動の本質的な部分でございまして、もうそれが認められなければ、ああ、日本にはそういうものがあるんだという、学術会議というような存在があるんだというぐらいにおとしめられてしまうんじゃないかなと私は思います。恥ずかしいと思います。
ありがとうございます。
73
竹詰仁(国民)
ありがとうございます。
続いて、上山参考人にちょっともう少し聞かせていただきたいのは、その外に出るというのは先ほどの、今までの上山参考人の御回答にもあったんですけれども、であれば、外に出すだけで、それ以外の運営助言委員会だとか、まあいろんな、今回、ちょっと私もすぐにはぱっと言えないぐらいの委員会が出ているんですけれども、そういった委員会はむしろ要らない手もあったんじゃないかと、ただ外に出すだけですと、ということもあったんじゃないかと思うんですが。
これに付随して、いろんな評価委員だとか運営委員会、助言委員会だとかというのがこうやって付随してきたことに…
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74上上山隆大政策研究大学院大学客員教授
運営助言委員会なるものができた経緯あるいはその提案が入った経緯というのは詳しくは存じませんが、私は政府の外に出すべきだと考え、例えば、じゃ、これからあなたたちは政府の外に行くんですよと。例えば、その後の組織のつくり方、恐らく今のように全くゼロの状態から、外に出た瞬間に組織がどのようになっていくかに関しては、私が学術会議の側であれば非常に不安に思うと思います。
例えば、財務構造を誰が見るのか、あるいは運営の組織体を誰がつくっていくのか、誰が政府との交渉において資金を取っていくような窓口をやるのか、この組織体というものをつくっていくときに、相当程度大きな助…
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竹詰仁(国民)
続いて、川嶋参考人と吉村参考人、同じ質問をさせていただきたいんですが、川嶋参考人には先ほどもう意見陳述の中でも触れていただいたんですけど、ちょっと改めて。
そのナショナルアカデミーの五要件が、今もこの制度では五要件が整っている、今提案されている政府案についても五要件は整っているかいないかについて、お二人に同じ質問をさせていただきます。
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- (上の発言)
76川川嶋四郎同志社大学法学部法律学科教授
御質問ありがとうございます。
先ほども述べましたように、私は、現在の日本学術会議は五要件、これを満たしておりますけれども、遺憾ながら、極めて遺憾ながら、法案の新しい日本学術会議なるものは、五要件の中の形式的な部分、これはともかくとしまして、実質的な部分、コアの部分、最も大切な部分、その部分が欠けていると。つまり、安定した財源の基盤というものの確保がこれで本当にできるのかどうかと。
先ほど外部資金というふうにおっしゃられて、それは非常に美しい言葉ではございます。ところが、非常勤の私たちがそれを取ってくるという作業をしなければいけませんし、外部資金といいましても非常に多様でございまして、例えば、何かを申請すると、申請してから採択があるまで、これタイムラグがございます。その間、その活動はできない、ペンディングになっているということ。仮に採択でそれが認められたとしても、その期間の間、会員の任期が続くかどうか分からない。そうすると、せっかくもらったお金がその後どうなるのと。まあ継続的に使える何らかの工夫は可能だと思いますけれども、そもそも外部資金、そのような申請型の外部資金を取ってくるということは、活動の基本的な考え方とは私は相入れないんじゃないかなと考えております。
したがいまして、寄附文化というものが必ずしも十分でないこの日本におきまして、財政的な基盤というのは非常に脆弱になると。確かに、多様な財源が可能になるという美しい言葉が出てきます。この法案には、美しい言葉、例えば外部の知見であるとか、ガバナンスの確保とか透明化とか、美しい言葉が出てきますけど、これ、この出てくる文脈をよく読むと、結局、それによって監視、監督、統制をしていくというシステムが組み込まれたところにそういうことが書かれているという落とし穴がある、トロイの木馬があるということでございます。
二つ目のコアの部分。一つ目は財源、二つ目のコアの部分、活動の自主性、自律性ということでございますけれども、これももちろん予算にまず制約をされるわけでございますけれど、財源に制約をされるわけでございますけれども、この活動が全て評価されていくと。で、監事、先ほども申しましたけれども、監事の職務内容が非常に広過ぎて、どこまで監査されるか分からない、そういう中で活動せざるを得ないということ。これは非常に活動に萎縮が伴うことになるというふうに思いまして、監事の存在、これがもうどうしても消すことができないということでしたら、是非、その職務内容の限定というようなこと、あるいは監事として選任される人の資格の限定というようなことは必ず書いていただきたい、あるいは職務の中立性ということもきちんと書いていただきたいと私は考えております。
それから、三つ目のコオプテーション。これは、やはり外部の知見というのは非常に重要です。しかも、人間というのは無い物ねだりをすれば切りがございません。つまり、科学者の総意ということを仮に形式的、実質的に実現しようと思えば、まず科学者を定義しなきゃいけません。誰をもって科学者というのかと、科学者だというふうに言っている人が全て科学者かと。これ非常に難しい問題がございます。
それから、全ての科学者の意見を聞かなきゃいけないということにすると、これは恐らく立ち行かないと。そうすると、一定の学協会でありますとか、あるいは科学的な知見を持った人たちの集まりと、そういうものに限定せざるを得なくなってきて、結局は現在の日本学術会議におけるコオプテーションの方式というのが、最終的には、歴史的な試練を経た最も最適な日本的な専門的知見を持った科学者の選抜方式になっているということを結局は実証してしまうんじゃないかと。つまり、外部の非科学的な目が少しでも入る、あるいは少しでも忖度が働く。まあ私みたいに忖度をしない人間というのも少なからず科学者の中にはいますけれども、必ずしもそういう人たちばかりではございませんので、どうしても萎縮効果というのが生じてきます。
したがいまして、それは活動の本質的な部分でございまして、もうそれが認められなければ、ああ、日本にはそういうものがあるんだという、学術会議というような存在があるんだというぐらいにおとしめられてしまうんじゃないかなと私は思います。恥ずかしいと思います。
ありがとうございます。
77吉吉村忍東京大学名誉教授
今議員から御質問のあった件に関しまして言うと、結論から言いまして、今の学術会議が満たしている五要件のうちの一部がこの法案の中では毀損しているというふうにまず理解しておりますし、それの理由のほとんどは、今、川嶋委員から、参考人からあったのとほとんど一緒です。
ただ、一つ私がこの場でちょっと強調したいことが、財源的な話です。
現在の学術会議は、事務の方は多くの方が役所からの出向という形になっておりますけれども、実は、学術会議がしっかりとした提言活動、審議活動あるいは国際連携をやろうとしたときに何が足りないかというと、非常勤の職員を補う例えば学位を持った優…
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竹詰仁(国民)
ありがとうございました。
もう一問、吉村参考人にですね。
先ほど、学術会議の会員の皆さん忙しいんだということで、ちょっと私もどれだけ忙しいかというのはもちろん分かりようもないんですけれども、この中で、新しい組織になったらそれが解消されるんですか。あるいは、何か新しいことをやるためには今よりもいいことが期待できるということが本来あるべき法改正だと思うんですけれども、そのことについて、この新しい法律で今の事務局の運営だとかが何か改善できる期待値というのは、参考人は何かお感じになることがあれば、あるいは感じないということだったら感じないとおっしゃっていただ…
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79吉吉村忍東京大学名誉教授
科学者であるのに科学的なベースに基づいた発言にはなりませんけれども、法人化前の国立大学と現在法人化された後の国立大学でいうと、法人化されれば、もっと先生たち自由に好きなように研究できますよというふうに言われたところですけれども、現在は、その法人組織のいろんな維持とかいろんなことの管理運営のために、現役の先生方も大きないわゆる力をそこで使わなければいけない。
当然、大学のスタッフの方もそういうことに使わなければいけないということが起こっていまして、正直言って、先ほど研究教育と言いましたけれども、それに外部資金であるとか評価であるとか管理運営、特に、例えば…
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