私は現在は会員、また連携会員ではありませんけれども、学術会議の活動に過去参加していたという観点からしますと、現在の学術会議は非常勤で、また選ばれた会員の方もすばらしい研究成果、業績をお持ちの方なんですけれども、同時に、大変お忙しい方ばっかりが参加されているんですね。
ただ、そういう方たちがあえてやっぱり時間をつくり出して参加し、本当に真摯に議論に参加、審議に参加されているというのを見ますと、現在の学術会議というのが、やっぱり日本のため、また世界のためにナショナルアカデミーとしてしっかり機能していますし、そこで審議するということが、ひいては国民のため、社会のためになると。それは、自分が所属している組織の中でただ頑張るだけではできないような活動ができるんだという、そういうプライドを持って参加されているということで今のような活動が成立しているというふうに思います。それを支えているのが、実は、日本の場合には国の組織でありますし、会員を首相が最終的に任命しているということが、実はそのプライドのもとにも私はなっているんじゃないかと思います。
ところが、現在審議されている法人化法案を見ますと、冒頭でも、私の意見陳述でも言いましたけれども、あと先ほどの議論にもありましたけれども、元々こういう話が起こってきたのが、正当に選ばれた候補が任命されなかった、しかもその理由が分からないという状況の下でこれ審議進んでいますので、多くの研究者、科学者あるいはそのコミュニティーの人間からすると、何か政府とこの学術会議というのが対立していて、その結果としてこういう法人化もなされた組織であると。そうすると、その組織に、じゃ、それ選ばれたといってわざわざそこに参加するのかという観点からすると、もうほとんど科学者コミュニティーに対して冷や水を浴びせかけているような状況でこの新法人が、これもし通ると発足しますので、そうすると、事実上、会員が集まらない、あるいは会員というのがなかなか厳しい状況になるということで。
そういう観点からすると、組織だけはつくっても何かほとんど中身のないような組織になる危険性があるということで、やはり、絶対法人化を反対というわけではありませんけれども、先ほどお話あったように、きちっとナショナルアカデミー、五要件を満たすようなものをつくるという、そういう観点であれば法人化というのもあるとは思いますけれども、そういう中身、しっかりと科学者がそこに参加できるような、プライドを持って参加できるような組織にしていただけないといけないかなというふうに思います。現在のナショナルアカデミーである学術会議はその要件を満たしているというふうに思いました。
35
奥村政佳(立憲)
重ねて川嶋先生にお伺いします。
先生は日本を代表する法学者であられますけれども、その立場からして、そもそも政府がこの法律の条文解釈の内閣法制局審査資料に墨塗りをして国会に提出するということをどのようにお考えでしょうか。戦後初めての事件というふうに承知をしているんですけれども、東京地裁の判決では、現時点で整理した法解釈及び運用だけでなく、当該法解釈及び運用が整理されるいきさつや理由についても国民に十分に明らかにされ、吟味される必要がある、このように解することは情報公開法の理念とも整合すると判示していることも含めて、先生の御見解を改めてお願いいたします。
この発言のページ
36川川嶋四郎同志社大学法学部法律学科教授
どうも御質問ありがとうございます。
私は民事訴訟法の研究者でございますけれども、その法学的な観点から若干お話をさせていただければと思います。
この東京地裁判決というのは、国会が国権の最高機関であり、全国民の代表機関であるということから考えましても、至極妥当な判決であると私は考えております。任命拒否事件は、これ自体、学問の自由に関わる重大な問題をはらんでおります。しかも、それだけではなくて、内心の自由であるとか表現の自由とか、教育なんかの問題にも関係すると私は考えております。
国会が制定した法律の解釈、運用が実際にどのように行われているか、これが把握…
この発言のページ
37
奥村政佳(立憲)
ありがとうございます。
この墨塗り開示というのは本委員会の二〇二〇年の理事会協議事項にも既になっておりまして、与野党の先生方に、法案の賛否を超えて、この墨塗りの開示をなくして政府案の審議は国会としてあり得ないということを共有していただくことを心よりお願いを申し上げたいと思います。
ちょっと川嶋先生に偏っているので、吉村先生にもお伺いをしたいと思います。
先生のお立場から、この政府案に関してどのような御見解をお持ちであるかと。学術会議が、現行法、すなわち改正をされていない現在の学術会議法に基づいて、これは現行法の前文にもなっていますけれども、日本国民…
この発言のページ
- (上の発言)
38吉吉村忍東京大学名誉教授
私は現在は会員、また連携会員ではありませんけれども、学術会議の活動に過去参加していたという観点からしますと、現在の学術会議は非常勤で、また選ばれた会員の方もすばらしい研究成果、業績をお持ちの方なんですけれども、同時に、大変お忙しい方ばっかりが参加されているんですね。
ただ、そういう方たちがあえてやっぱり時間をつくり出して参加し、本当に真摯に議論に参加、審議に参加されているというのを見ますと、現在の学術会議というのが、やっぱり日本のため、また世界のためにナショナルアカデミーとしてしっかり機能していますし、そこで審議するということが、ひいては国民のため、社会のためになると。それは、自分が所属している組織の中でただ頑張るだけではできないような活動ができるんだという、そういうプライドを持って参加されているということで今のような活動が成立しているというふうに思います。それを支えているのが、実は、日本の場合には国の組織でありますし、会員を首相が最終的に任命しているということが、実はそのプライドのもとにも私はなっているんじゃないかと思います。
ところが、現在審議されている法人化法案を見ますと、冒頭でも、私の意見陳述でも言いましたけれども、あと先ほどの議論にもありましたけれども、元々こういう話が起こってきたのが、正当に選ばれた候補が任命されなかった、しかもその理由が分からないという状況の下でこれ審議進んでいますので、多くの研究者、科学者あるいはそのコミュニティーの人間からすると、何か政府とこの学術会議というのが対立していて、その結果としてこういう法人化もなされた組織であると。そうすると、その組織に、じゃ、それ選ばれたといってわざわざそこに参加するのかという観点からすると、もうほとんど科学者コミュニティーに対して冷や水を浴びせかけているような状況でこの新法人が、これもし通ると発足しますので、そうすると、事実上、会員が集まらない、あるいは会員というのがなかなか厳しい状況になるということで。
そういう観点からすると、組織だけはつくっても何かほとんど中身のないような組織になる危険性があるということで、やはり、絶対法人化を反対というわけではありませんけれども、先ほどお話あったように、きちっとナショナルアカデミー、五要件を満たすようなものをつくるという、そういう観点であれば法人化というのもあるとは思いますけれども、そういう中身、しっかりと科学者がそこに参加できるような、プライドを持って参加できるような組織にしていただけないといけないかなというふうに思います。現在のナショナルアカデミーである学術会議はその要件を満たしているというふうに思いました。
39
奥村政佳(立憲)
ありがとうございます。
加えて吉村参考人にちょっとお伺いしたいんですけれども、今日の説明の中で、防災や災害対応のように、科学と政治が協調して対処することもあれば、結果的に科学的合意形成の結果と政治的意思決定が対峙するケースが出てくることがあるというふうにおっしゃっておりました。
これ僕聞いたときに、地球温暖化の問題とかここに当たるんじゃないかなと思ったんですが、要するに、つまり、科学の方は、温暖化をしている、ただ、産業の方は、それを認めるといろいろと活動が制約されてしまうのでできないみたいなことがあると思うんですが、ちょっと短めに、そういうことがあり…
この発言のページ
40吉吉村忍東京大学名誉教授
基本的に、一つ一つの産業であるとか個人って、いわゆる意思決定者というのは、どうしても自分の関われる範囲というのが限られますので、どうしてもそういう観点からしか判断できないわけですけれども、学術会議の方では、長い時間スパンであるとか広い視点でしっかり議論したものがあった中で何を選び取るかというのを個々人が考えることができるというのが何よりも重要だし、それは場合によっては、ある方はそれに反するという、反対するということもあり得るかなと思います。
この発言のページ
41
奥村政佳(立憲)
ありがとうございます。そういうのが対峙する場合があると、やっぱり僕はそこは危惧するわけです、非常にね。
済みません、最後、上山参考人にお伺いしたいと思います。
先ほど企業の方から寄附があって研究がという話がありましたけれども、この結果、企業から寄附をもらって活動をする学術が増えると、逆にそっちにも忖度をするようなことが増えてくるんじゃないかなと私自身は思ったりもするんですが、この辺の何か御見解があればお答えいただければと思います。つまり、政府と企業がくっついていて、そこが更に間接的に政府の方を向いてしまうという場合です。お願いします。
この発言のページ