大変重要な答弁をいただきました。
衆議院憲法審では、本年に突如として衆議院法制局長が五十四条の連関構造説なる独自説を説明し、長谷部先生は連関構造説に基づく七十日限定説だが緊急事態の法理によって無限定説に立つという先ほどの説明を行いました。しかし、これは、ただいまの参議院法制局長答弁にあるように、事実と法理に反する見解であると言わなければなりません。
衆議院の連関構造説については、前回の佐藤筆頭の自民会派意見においても法理として否定され、深く敬意を表する次第ですが、長谷部先生は、衆参憲法審で繰り返し、五十四条一項の四十、三十日は比較法的にも解散時の内閣居座り排除の規定であり、緊急集会の継続期間が限定されているかのように見えるのは、実はその間接的、派生的な効果にすぎない、任期延長改憲は本末転倒の議論ではないか、条文のそもそもの趣旨、目的を踏まえた解釈が求められるとまで訴えられています。
その長谷部先生が、条文の姿形を前提とすれば、原則として期間限定はあるのだろうなどとおっしゃっているのでしょうか。この衆議院法制局長の説明は、私がただいま御紹介した長谷部先生の御発言の直前の、確かに憲法五十四条の規定を素直に読みますと、最大七十日間にしか求めることができないかのように見えます。しかしながら、そもそも、憲法五十四条が四十日そして三十日と日数を限っているのは云々云々という御発言の曲解ではないかと疑います。
この証拠に、長谷部先生と土井真一先生は、本審査会での私からの五十四条一項の内閣居座り排除の趣旨及びGHQとの国家緊急事態をも含む災害等の有事を想定した立法事実の両者からして七十日間限定説は憲法解釈として無理があるのではとの質問に対して、そのとおりだと思っております、そのように解釈しておりますと明確に答弁してくださっております。ここには連関構造説も緊急事態の法理のかけらもございません。
しかしながら、三月二十七日の衆議院憲法審の改憲五会派は、そろって連関構造説を主張し、しかも、口をそろえて長谷部先生が連関構造説及び緊急事態の法理による無限定説であるという主張をしています。こうした改憲会派の誤った見解を支えていると思われる衆議院法制局の説明及びその令和五年版及び本年の補訂版資料の過ちについては、前回も指摘しましたが、先ほどの参議院法制局長の答弁で明確に否定されたように、従来の樋口陽一先生らや高辻内閣法制局長官らの学説等を七十日間限定説に勝手に位置付け、長谷部先生や土井先生を含む多数の学説を四十日間限定説なるものにも位置付けるなど、不可解極まりないものになっております。
なお、さきの私の本審査会の質疑も補訂版に掲載されておりますが、その扱いも質疑の本旨を離れた切取り、曲解と受け止めざるを得ず、誠にゆゆしき事態と申し上げなければなりません。
最後に、三月二十七日の衆議院憲法審では、自民党筆頭幹事が、条約承認、総理指名、本予算を緊急集会の権能に認め得ると、従来の改憲五会派の見解から離脱し、その一方で、五十回余りの毎週開催で立法事実のGHQ協議記録にようやく初めて言及した維新会派が、それを曲解し、突如として緊急集会自然災害限定説を唱えています。もちろん、あらゆる角度からめちゃくちゃな憲法違反の暴論でございます。緊急集会をめぐる改憲会派の見解は、衆参で分裂するだけではなく、改憲会派の中でも深刻な分裂、矛盾を来しております。
なお、先ほどの松沢委員、古庄委員の任期満了では緊急集会を使えないという見解は、それぞれの衆参の会派の見解からも違っているところでございます。
先ほどの衆法の問題を含め、もはや横にも縦にも矛盾、過ちだらけのカオスと化した緊急集会の暴論に依拠する任期延長改憲の即刻の破棄を求めて、意見といたします。
53川川崎政司参議院法制局長
従来においては、学説上、必ずしも七十日限定、非限定といった観点からは議論されてこなかったものと承知しております。
この発言のページ
54
小西洋之(立憲)
ありがとうございます。
もう一問、法制局長に。
五十四条一項の四十、三十日の規定は二項の緊急集会の開催期限を法的に制限する法規範であるとの理解、すなわち、これらの条文の連関構造という見解を前提にして、二〇二三年常会の長谷部恭男先生の衆参憲法審での御意見について、総選挙の実施が見通せるような場合には、条文の姿形を前提とすれば、原則として期間限定はあるのだろう、しかし、そのようなことは言っていられない場合には期間限定はないということになるはずである、その結果、全体として煎じ詰めれば、期間限定はないということになると長谷部先生がおっしゃっているとする見解が…
この発言のページ
55川川崎政司参議院法制局長
第二百十一回国会の衆参の憲法審査会の会議録を私なりに確認しましたが、長谷部恭男参考人が、御指摘の文言どおりの発言をし、あるいは全体として御指摘のような見解を述べている箇所は、見当たりませんでした。
この発言のページ
- (上の発言)
56
小西洋之(立憲)
大変重要な答弁をいただきました。
衆議院憲法審では、本年に突如として衆議院法制局長が五十四条の連関構造説なる独自説を説明し、長谷部先生は連関構造説に基づく七十日限定説だが緊急事態の法理によって無限定説に立つという先ほどの説明を行いました。しかし、これは、ただいまの参議院法制局長答弁にあるように、事実と法理に反する見解であると言わなければなりません。
衆議院の連関構造説については、前回の佐藤筆頭の自民会派意見においても法理として否定され、深く敬意を表する次第ですが、長谷部先生は、衆参憲法審で繰り返し、五十四条一項の四十、三十日は比較法的にも解散時の内閣居座り排除の規定であり、緊急集会の継続期間が限定されているかのように見えるのは、実はその間接的、派生的な効果にすぎない、任期延長改憲は本末転倒の議論ではないか、条文のそもそもの趣旨、目的を踏まえた解釈が求められるとまで訴えられています。
その長谷部先生が、条文の姿形を前提とすれば、原則として期間限定はあるのだろうなどとおっしゃっているのでしょうか。この衆議院法制局長の説明は、私がただいま御紹介した長谷部先生の御発言の直前の、確かに憲法五十四条の規定を素直に読みますと、最大七十日間にしか求めることができないかのように見えます。しかしながら、そもそも、憲法五十四条が四十日そして三十日と日数を限っているのは云々云々という御発言の曲解ではないかと疑います。
この証拠に、長谷部先生と土井真一先生は、本審査会での私からの五十四条一項の内閣居座り排除の趣旨及びGHQとの国家緊急事態をも含む災害等の有事を想定した立法事実の両者からして七十日間限定説は憲法解釈として無理があるのではとの質問に対して、そのとおりだと思っております、そのように解釈しておりますと明確に答弁してくださっております。ここには連関構造説も緊急事態の法理のかけらもございません。
しかしながら、三月二十七日の衆議院憲法審の改憲五会派は、そろって連関構造説を主張し、しかも、口をそろえて長谷部先生が連関構造説及び緊急事態の法理による無限定説であるという主張をしています。こうした改憲会派の誤った見解を支えていると思われる衆議院法制局の説明及びその令和五年版及び本年の補訂版資料の過ちについては、前回も指摘しましたが、先ほどの参議院法制局長の答弁で明確に否定されたように、従来の樋口陽一先生らや高辻内閣法制局長官らの学説等を七十日間限定説に勝手に位置付け、長谷部先生や土井先生を含む多数の学説を四十日間限定説なるものにも位置付けるなど、不可解極まりないものになっております。
なお、さきの私の本審査会の質疑も補訂版に掲載されておりますが、その扱いも質疑の本旨を離れた切取り、曲解と受け止めざるを得ず、誠にゆゆしき事態と申し上げなければなりません。
最後に、三月二十七日の衆議院憲法審では、自民党筆頭幹事が、条約承認、総理指名、本予算を緊急集会の権能に認め得ると、従来の改憲五会派の見解から離脱し、その一方で、五十回余りの毎週開催で立法事実のGHQ協議記録にようやく初めて言及した維新会派が、それを曲解し、突如として緊急集会自然災害限定説を唱えています。もちろん、あらゆる角度からめちゃくちゃな憲法違反の暴論でございます。緊急集会をめぐる改憲会派の見解は、衆参で分裂するだけではなく、改憲会派の中でも深刻な分裂、矛盾を来しております。
なお、先ほどの松沢委員、古庄委員の任期満了では緊急集会を使えないという見解は、それぞれの衆参の会派の見解からも違っているところでございます。
先ほどの衆法の問題を含め、もはや横にも縦にも矛盾、過ちだらけのカオスと化した緊急集会の暴論に依拠する任期延長改憲の即刻の破棄を求めて、意見といたします。
57
中曽根弘文(自民)
他に御発言もないようですから、以上で委員間の意見交換を終了いたします。
本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後二時二十九分散会
この発言のページ