本村伸子 (日本共産党)

2025年4月18日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 166 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 179 発言)

私は、日本共産党を代表して、刑事デジタル法案に反対の討論を行います。

本法案は、刑事訴訟手続のデジタル化に乗じて、捜査機関の利便性や権限を拡大するものです。一方で、国民、住民の権利保障や弁護活動に資する制度は盛り込まれず、人権保障に逆行するものです。

現行法上のUSBなど電磁的記録媒体での押収、任意捜査による情報収集においても、捜査機関は本人等に知られることなく大量の電磁的記録を入手しています。スマートフォン等が一度捜索、差押えされると、そのデータ等は全て捜査機関の支配下に置かれ、必要な情報が抜き取られます。大量の情報は分析することで、人の思想や私生活などを明らかにし、新たな権利侵害を生み出します。現状でも、犯罪と無関係の個人情報が集められ、プライバシー侵害が起きています。

罰則つきの電磁的記録提供命令が創設されることで、捜査機関はデータの帰属主体の本人に知られることなく、より速く大量の電磁的記録を収集、蓄積、利用することが可能となり、事件との関連性がない大量の情報が収集される危険性は高まります。しかも、捜査機関に提供したことを漏らさないことを義務づける秘密保持命令も可能となり、違反した場合の罰則も創設されます。捜査機関の濫用を防ぐ手続は盗聴法よりもありません。

犯罪と関係のない個人や団体の情報を捜査機関が収集、蓄積するのに何の歯止めもなく、消去義務の規定、捜査機関の濫用への罰則もありません。

通信の秘密を侵す盗聴法でさえ、個人情報の収集への不服申立ての機会を保障するために当事者への事後通知が必要なのに、この法案で設けられている電磁的記録提供命令では本人に通知されません。

電磁的記録の性質上、事件との関連性がある情報を特定することは困難であり、令状は包括的で無限定な提供命令になる危険性があります。

最高裁は、これまで、裁判官は厳格に令状審査を行ってきた、電磁的記録提供命令の令状審査においても変わらないと説明しています。しかし、参考人質疑で、複数の参考人が、今も事件と関係ない個人情報が包括的に差し押さえられており、問題があると指摘しました。

令状審査に当たって、データが保管された時間、通信の相手方、事件と関連性がある情報内容等の特定を法定する必要があります。

国民、住民の権利、利益、自由を守るため、検察当局、検察機関、捜査機関の情報の収集、保有、利用などの濫用防止、消去のルールを作ること、独立した第三者機関を設置する立法措置こそ必要です。

以上を申し述べ、反対討論といたします。

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