ありがとうございます。
大規模なデータ取得について司法による令状審査でどこまで歯止めがかけられるかという問題が問われているのだろうというふうに思います。
これは、いわゆる強制処分に対する事前規制というふうに学界では言われていますが、もはや事前規制ではコントロール、制御する、あるいは妥当な取得範囲を担保していくのは難しいのではないかということが共通の理解になっております。すなわち、これは事後的にチェックするしかない。
具体的な例を一つだけ申し上げますと、令和三年二月、最高裁決定で、通称FC2事件という電気通信サービス事業者に関わる事案で、わいせつ物の提供があったということで、その者が利用している海外のサーバーから大量の顧客の個人情報が取得されています。数万人規模のそのサービス事業者を利用している個々人の、例えば氏名、住所、クレジットカード、誕生日等々の個人情報が取得されています。これについて最高裁は、これは捜査の必要上致し方なかったということで、違法判断はしておりません。ただ、被告人側は、これは余りにも大規模過ぎるのではないかということで、上告でも争っておりました。
遡りますと、フロッピーディスクの時代に、最高裁は、フロッピーディスク一枚をデータを特定しないで押収しても、それは広範な情報取得に当たらないというふうに適法判断をしております。
ただ、今般のクラウドからの数万人の顧客情報の大量取得が、事後的に、そのデータがどのようにデータ主体に告知され、あるいは廃棄した、消去したというような処分がなされたということは全く不明なままであります。
私は同種の事件が多く発生しているのではないかというふうに想像しますけれども、これを正面切って争った被告人あるいは企業の方がそう多くはないために参照事例がないわけですけれども。議員御指摘の懸念は非常に正当なものであり、この問題を回避するといいますか、防止するには、やはり事後的な規制、押収したデータがきちんと保管、管理され、あるいは消去されているかということを担保するメカニズムが必要だと思います。
これが、GDPRの十分性認定に先立って、欧州委員会側からも、日本の捜査機関のデータ取得に対する透明性が欠如しているのではないかという指摘の前提にあったものと承知しています。
以上です。
29
鎌田さゆり(立憲)
ありがとうございました。
その第十五回の法制審での参事官の発言を私も議事録で拝見しまして、それが今回の法改正に反映されていないなという疑問は残っておりますので、ただいまの御意見は非常に尊重したいなという気持ちで伺いました。ありがとうございます。
次に、指宿参考人に伺いたいと思います。
法制審の刑事法部会設置に先立つ検討会、こちらも先ほどの意見陳述で御紹介をくださいまして、同検討会で取りまとめの報告書ができ上がりました。それも見ますと、検討会でまとめられた報告書で確認された基本的認識というものが、今回の法改正にどこに反映されているのか。全部とは言いま…
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30指指宿信成城大学法学部教授
ありがとうございます。
先ほど御説明しましたように、今般の提供命令の処分の客体が、被疑者、被告人等の事件の当事者である場合と事業者である場合と二通り考えられると思うんですけれども、第三者の。特に第三者は事業者が予定されていると思いますが。前者については確かに、妨げになるということは捜査側からすると考えられると思いますけれども、後者の第三者の、いわゆる大規模データ収集事業者等についてはそういうことがないのではないかというふうに考えます。
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31
鎌田さゆり(立憲)
ありがとうございました。
続けて指宿先生に伺いますけれども、捜査機関による電磁的記録の収集について、市民のプライバシー権など憲法上の権利を侵害する危険性をはらんでいて、果たして、私は、提案されている改正案、今のままでいいのかという危惧を現時点では抱かざるを得ない一人であります。
そこで、電磁的記録提供命令や記録媒体の押収は捜査の初期段階で行われることも想定されると思うんですね。そこで令状が概括的な記載になって、その結果、犯罪と無関係な情報まで捜査機関が収集する危険性は大きいように思われます。
電磁的記録の収集に当たっては、被疑事実との関連性を強く求…
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- (上の発言)
32指指宿信成城大学法学部教授
ありがとうございます。
大規模なデータ取得について司法による令状審査でどこまで歯止めがかけられるかという問題が問われているのだろうというふうに思います。
これは、いわゆる強制処分に対する事前規制というふうに学界では言われていますが、もはや事前規制ではコントロール、制御する、あるいは妥当な取得範囲を担保していくのは難しいのではないかということが共通の理解になっております。すなわち、これは事後的にチェックするしかない。
具体的な例を一つだけ申し上げますと、令和三年二月、最高裁決定で、通称FC2事件という電気通信サービス事業者に関わる事案で、わいせつ物の提供があったということで、その者が利用している海外のサーバーから大量の顧客の個人情報が取得されています。数万人規模のそのサービス事業者を利用している個々人の、例えば氏名、住所、クレジットカード、誕生日等々の個人情報が取得されています。これについて最高裁は、これは捜査の必要上致し方なかったということで、違法判断はしておりません。ただ、被告人側は、これは余りにも大規模過ぎるのではないかということで、上告でも争っておりました。
遡りますと、フロッピーディスクの時代に、最高裁は、フロッピーディスク一枚をデータを特定しないで押収しても、それは広範な情報取得に当たらないというふうに適法判断をしております。
ただ、今般のクラウドからの数万人の顧客情報の大量取得が、事後的に、そのデータがどのようにデータ主体に告知され、あるいは廃棄した、消去したというような処分がなされたということは全く不明なままであります。
私は同種の事件が多く発生しているのではないかというふうに想像しますけれども、これを正面切って争った被告人あるいは企業の方がそう多くはないために参照事例がないわけですけれども。議員御指摘の懸念は非常に正当なものであり、この問題を回避するといいますか、防止するには、やはり事後的な規制、押収したデータがきちんと保管、管理され、あるいは消去されているかということを担保するメカニズムが必要だと思います。
これが、GDPRの十分性認定に先立って、欧州委員会側からも、日本の捜査機関のデータ取得に対する透明性が欠如しているのではないかという指摘の前提にあったものと承知しています。
以上です。
33
鎌田さゆり(立憲)
ありがとうございました。大変参考になりました。
続きまして、池田参考人、池田先生に伺っていきたいと思います。
「証拠を保全する処分の取消し等と事後措置」と題されました先生の御論考を、少なくとも立憲民主党の法務委員は全員拝読させていただきました。柴田委員が御紹介をくださって、みんなで読ませていただきました。
そこで伺うんですけれども、電磁的記録提供命令や記録媒体の押収の処分が違法なものとして取り消されたとしても、電磁的記録は消去されないとすれば、犯罪と無関係な市民の個人情報を含む、違法な処分で収集された情報が捜査機関に蓄積されることになります。また、…
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34池池田公博京都大学大学院法学研究科教授
お答え申し上げます。
まず、委員の先生方に拙稿をお読みいただきまして、大変お礼を申し上げたいと思います。
その上で申し上げますと、将来的な課題としては、やはり、電磁的記録に着目した保管、管理の仕組みというものは設けられてよいものだと思われます、考えられるものだというのが、将来的にはということでありますけれども。
やはり、現状は有体物に着目した規律が中心で、その見方で、それと整合的なものとして今回の法案も考えられておりますので、そこに、特に例えば電磁的記録提供命令のみに着目した何か別の仕組みを設けるとなりますと、それはそれとして全体の整合性を損なうと…
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35
鎌田さゆり(立憲)
ありがとうございます。
法制審での先生の御発言を追って拝読をさせていただきながら、やはりそこがマックスのところかなと。でも、池田先生にあえてお聞きしたんですけれども。でも、将来的にはというところが本当にせめてもの先生の絞り出しての今の御意見だったんだろうと拝察しながら拝聴させていただきました。ありがとうございます。
坂口参考人に再び伺いたいと思います。
先ほど北海道での刑事弁護の活動も御紹介をいただきました。立憲の弁護士では、こちらの篠田委員が同じく北海道で、片道三時間、四時間かけて、直ちにと、憲法に基づいて、行かなきゃいけないという、直ちに、直ち…
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