高橋正人犯罪被害者支援弁護士フォーラム代表代行兼事務局長

2025年3月26日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 77 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 110 発言)

まず、一点目の冤罪になったときの被害者の支援ですけれども、私はやったことはありません。というのは、三十年、四十年たってから冤罪になっていますから、もう被害者に接触しようもないし、接触すること自体が事件を思い起こさせて、それが間違っていたというふうに思っているわけですから、私が接すること自体が苦しめることになってしまうわけです。ですから、接しようがないんですね。だから、こう言ったら元も子もないんですが、支援のしようがないんです。ですから、冤罪は起こさないでください、もうそれしかないんです。

次に、経済的支援ですけれども、ここは先ほど先生がおっしゃられたのと私は見解がちょっと違うんです。

私は立替え払い制度は反対です。というのはなぜかといいますと、立替え払いというのは、結局のところ、裁判になったときにどのくらいの金額が賠償されるか、それを立替え払いする、そういう文脈で言われていると思うんです。こういう例を出したら失礼かもしれませんけれども、安倍総理が亡くなりました、その奥さんに何億という金額を補償することになってしまいます。あれは、裁判になったらば逸失利益は莫大です。ですから、別に安倍さんに限らず、大企業の社長が亡くなったら、それこそ何億と賠償するわけです。果たして、これは国民が納得するでしょうか。

ですから、私は、立替え払いではなくて、本当にその被害を被って生活が苦しくなった人、例えば一家の大黒柱を亡くしたとか、そういう人に対して厚く補償をするというものが私は一番いいと思っているんです。

そして、立替え払いというのは、言ってみれば、本当は加害者が負担すべきものを私たちの税金で負担することになる。何で加害者が負担しなきゃいけないことを私たちが負担しなきゃいけないんですかと。ですから、その理念自体が、私は、国民の理解が得難いと思っているんです。

ですから、そういう理念ではなくて、本当に被害を受けて困った人に対して、社会連帯共助の精神で厚く保護していく。医療費も全てそれは無料にするとか、そして、生活が自立できるまで毎月毎月、年金という形でもどういう形でもいいですから、そういう形で払っていくというのが私は一番いいと思っているんです。

ドイツが実はそういう制度なんです。ドイツは非常に合理的でありまして、そういうふうに毎月毎月分割で年金で払っていけば、仮に、亡くなった被害者の御遺族の方が亡くなれば、そこでもう払わなくて済むわけなんですね。ですから、国家の予算の観点からいっても有益なわけです。

ですから、私の考え方としては、本当に困っている人に厚く補償する、そして、こう言っては失礼だが、お金をたくさんお持ちの方のところにはちょっと余り補償はしないように予算をうまく配分していくということによって国民の理解が得られるんじゃないかな、私はそう考えております。

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