藤井敏明日本大学大学院法務研究科教授

2025年3月26日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 33 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 110 発言)

まず、一つ目の御質問でございます。

裁判官、元裁判官の守秘義務がございますので、具体的なことは申し上げられませんが、自分で最後まで担当する前に途中で異動してしまった事件で、後になって、あの自白は虚偽だったんだということが分かった事件というのはございます。

それから、自分が担当している事件で、特に録音、録画ができて以降、高等裁判所で仕事をしておりましたときに、検察官の供述調書で、被告人の主観的な認識、故意とか目的とかいうものがありますが、それについて供述調書にはしっかりとあったように書かれているんですが、録音、録画が一審で調べられていたので、高裁でもそれを確認したところ、被疑者、そのときは被疑者ですね、被疑者はそんな認識があったと言っていないんですけれども、一生懸命、取調べの検察官は言ってもらおうとしていろいろな質問をされている。それで、最終的に調書にした段階では微妙に言ったような表現になっていて、それで間違いないねと言われて署名指印されているわけなんですが、これは、言っていないことが書かれているからその点は証拠に使えないねということで、一審はそれを是認、是認といいますか、その前提での判決をしていたんですが、それを破棄したという経験はございます。

特に主観面で似たようなことがあるということは、よそでも耳にする場合があります。

ただ、冤罪事件ってそんなにしょっちゅう起こっちゃ困るわけで、例えば、昨年亡くなった木谷さんがお書きになっている「違法捜査と冤罪」という本がございますけれども、そこで紹介されているのも、全部が全部、再審無罪の事件だけじゃなくて、一審で有罪で上訴審で破棄されたものも入っていますが、それも三十一件でございますから、全国で、それも昭和二十三年から最近までの三十一件でございますので、裁判官がそういった事件に遭遇する機会というのはそんなに多いことはないと考えております。

以上です。

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