ちょっとお言葉を返すようですけれども、GPSというのは逃亡のおそれを防ぐためのものなので、罪証隠滅には余り影響しないかとは思うんですが。
今、罪証隠滅に関する八十九条四号の規定を削除すべきだという御意見もあったわけなんですが、私自身は、改正するということは考えられると思うんですが、削除まではちょっと、妥当かどうか疑問は持っております。
といいますのは、私は、実はイギリスにちょっと、研究に二回ほど派遣させていただいたことがありまして、イギリスは大変保釈を広く認めるといいますか、被疑者の身柄拘束をかなり限定する。警察での身柄拘束は一日かそこらしか認めないという制度ですけれども、その上で、裁判官のところに連れていって、保釈をするかどうかの要件の判断で、犯罪の重さにもよるんですけれども、日本でいえば、罪証隠滅に相当するような規定はございます。ただ、もう少し具体的に、釈放すれば被告人が関係者に働きかけるなどして適正な裁判の証拠を阻害するおそれが高いというふうに裁判官が納得できるような場合、ちょっと正確ではありませんが、そんな規定になっていたと思うんですけれども、それと似たような罪証隠滅の文言にするということは考えてもよいかと思います。
そもそも、この刑訴法でその規定が政府から提案されたときは罪証隠滅のおそれという文言だったんですが、それが国会の立法の過程で現在のように罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由となったんですけれども、文言が変わっても実務の用語としては短く罪証隠滅のおそれという形で通っておりますし、その要件だけで変わるかどうかというのは難しい、限界はあるとは思いますけれども、ただ、今申し上げたようなことを現時点では考えております。
22篠篠田奈保子(立憲)
立憲民主党・無所属の篠田奈保子です。
二十五年ほど弁護士として現場で働いてまいりました。まずは、島田参考人に御質問をさせていただきたいと思います。
本日は、この委員会に御出席をいただき、本当に体験した方であるからこそ語ることができる苦しみをお話しをいただいたことに大変感謝を申し上げます。ありがとうございました。
島田参考人からは、全ての取調べに録音、録画を導入してほしい、それから、接見禁止、これについて廃止をしてほしいという御提案がありました。接見禁止については、事件と関係ない家族と面会を禁止する、この必要性は本当に乏しいものでありますし、一般の面…
この発言のページ
23島島田順司大川原化工機株式会社元取締役
私が経験した中で、一人で取調べを受けるという苦しさ、弁護士さんが横にいていただけるだけでも大分違うと思います。何も語らなくても、それだけで、自分が何を話しているのか、自分が何を話して何を聞かれたということもほとんど分からないような状態になってしまうので、立会いがあれば、かなり被疑者の心持ちといいますか、自分が何を話しているのかということは分かるようになると思います。
それから、接見禁止、これは三百三十二日間の間、家族と会うことができなかった。それがやはり精神的なかなりの思いといいますか、先ほどあったように、それがために認めてというような、悩むこともあり…
この発言のページ
24篠篠田奈保子(立憲)
御意見ありがとうございました。しっかりと承りました。
次に、藤井参考人にお伺いをいたします。
まず、私にお褒めの言葉を頂戴いたしまして、大変ありがとうございました。先生から教えを請うてからもう二十五年たちましたけれども、刑事司法、かなり変わりましたが、様々にまだ不備なところがあると思っています。
先ほど藤井教授が御指摘をしておりました論文について、私も拝読をさせていただきました。プレサンス事件と大川原化工機事件において保釈が長期間認められなかったことについて、その反省の上に立って、「「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」について」というような論…
この発言のページ
- (上の発言)
25藤藤井敏明日本大学大学院法務研究科教授
ちょっとお言葉を返すようですけれども、GPSというのは逃亡のおそれを防ぐためのものなので、罪証隠滅には余り影響しないかとは思うんですが。
今、罪証隠滅に関する八十九条四号の規定を削除すべきだという御意見もあったわけなんですが、私自身は、改正するということは考えられると思うんですが、削除まではちょっと、妥当かどうか疑問は持っております。
といいますのは、私は、実はイギリスにちょっと、研究に二回ほど派遣させていただいたことがありまして、イギリスは大変保釈を広く認めるといいますか、被疑者の身柄拘束をかなり限定する。警察での身柄拘束は一日かそこらしか認めないという制度ですけれども、その上で、裁判官のところに連れていって、保釈をするかどうかの要件の判断で、犯罪の重さにもよるんですけれども、日本でいえば、罪証隠滅に相当するような規定はございます。ただ、もう少し具体的に、釈放すれば被告人が関係者に働きかけるなどして適正な裁判の証拠を阻害するおそれが高いというふうに裁判官が納得できるような場合、ちょっと正確ではありませんが、そんな規定になっていたと思うんですけれども、それと似たような罪証隠滅の文言にするということは考えてもよいかと思います。
そもそも、この刑訴法でその規定が政府から提案されたときは罪証隠滅のおそれという文言だったんですが、それが国会の立法の過程で現在のように罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由となったんですけれども、文言が変わっても実務の用語としては短く罪証隠滅のおそれという形で通っておりますし、その要件だけで変わるかどうかというのは難しい、限界はあるとは思いますけれども、ただ、今申し上げたようなことを現時点では考えております。
26篠篠田奈保子(立憲)
御意見、大変ありがとうございます。
削除に至らなくても、現状の法文を何らかもっと具体的なものに変えていく、それで保釈について原則保釈の運用をかち取れるような法改正をしていく、私もその必要性は痛感しているところでございますので、しっかりと参考にしてまいりたいというふうに思います。ありがとうございます。
次に、村木参考人にお聞きをいたします。
村木参考人が無罪判決を受けてから、先ほどお話ありましたように、取調べの適正化ということで録音、録画が進んだことは事実でございますけれども、まだ全面的な録音、録画には至っておりません。これについては、私たちがしっか…
この発言のページ
27村村木厚子社会福祉法人全国社会福祉協議会会長
ありがとうございます。
大変難しい御質問だと思うんですが、検察官は何か悪いことをしようと思ってこういうことをやっているわけでもなくて、やはり、捕まえて自白をさせて有罪にしたいという本能が働いているわけですから、一つは、ルールで縛ってあげる、録音、録画のように、やりたくてもできない仕掛けをきちんと見せてあげるというのが大事だと思います。
それから、私が大変面白かったのは、事件から後で、よく法務省の方に検察はちょっと変わりましたかという御質問をすると、大体返ってくるのが、若い人は変わりましたというお答えなんですね。ですから、やはりインタビューにも技術があ…
この発言のページ
28篠篠田奈保子(立憲)
大変参考になる御意見、ありがとうございました。
航空事故などでは事故調査委員会が毎回開かれている、だけれども、このように冤罪事件が繰り返されてもそれを検証する第三者機関がない、私はそこも大変大きな問題だというふうに思っておりますので、しっかりと議論をして取り組んでまいりたいというふうに思っております。
私が刑事訴訟法を勉強したときに、平野龍一先生の昭和六十年の論文で、我が国の刑事裁判はかなり絶望的であるという言葉を一番最初にたたき込まれたときから、裁判員裁判が始まり、取調べの録音、録画が始まり、被疑者国選、全面国選が始まり、刑事司法は前進をしてきたと…
この発言のページ