力強いお言葉、ありがとうございます。
これまで国際的な研究人材獲得の戦略の必要性について議論してまいりました。ただ、もう一つ、極めて本質的な観点があると思っています。それは、研究者は研究資金や施設の整備だけで動くわけではないということです。彼らが何より重視するのは、政治からの独立性、つまり、科学が自由で真理に忠実であることを保障する制度的な土台です。
アメリカは、今、トランプ大統領の復権に伴って、科学、学問の軽視、気候変動やLGBTQプラス、多様性といった研究領域への資金削減や、大学への監視の強化をしつつあります。だからこそ、今、米国の研究者が国外移動を検討しているわけでございます。
しかし、アメリカのこうした政権による露骨な介入が続く中でも、アメリカのナショナルアカデミー、NASは、政府からの独立性を制度的に維持しています。会員は、政府ではなく学術界自身によって選出され、政府はその人事に関与できません。しかし、確固とした制度を持ったNASですら、政権の圧力や予算削減によってその機能や信頼性が試されている状況です。
学術の独立性という近代国家の常識すら持ち合わせない無知な政権が出現したら、国民に保障されるべき科学の中立性を保つのは容易なことではありません。
こうした背景を踏まえると、先般、衆議院で通過した日本学術会議の改革法案には重大な疑問を感じざるを得ません。学問の自由とは、単に個々の研究者の権利を守るにとどまらず、学術機関や研究コミュニティー全体が政治的介入から自律的に運営され、自由な発想と批判的精神を保持することを意味するものではないでしょうか。
そうした前提に立ったとき、今回の日本学術会議改革の法案が結果として学術界の独立性や自由な研究環境を損なうおそれがあるのではないか、学術会議改革の議論の前提として、学問や学術、研究の自由の本質をどのように捉えているのか、文部科学省の率直な意見を、見解をお聞かせください。
59井井上諭一文部科学省科学技術・学術政策局長
委員御指摘の点、これは、我が国の研究力強化のためには、アメリカからの研究者の受入れ、これは非常に重要だと思います。優れた人材の確保という意味で、まさにチャンスだと考えております。
このようなこともありますので、先ほど大臣からも答弁がありましたけれども、海外の優秀な研究者を引きつけるための世界トップレベルの研究拠点の整備や大学ファンドなどを通じた国際卓越大学の支援、これを進めておりまして、まずは、こうした取組をしっかりと進めていく、またこのような既存の取組の中で優秀なアメリカの研究者を呼び込む、そういった活動を、非常にこれはもうチャンスということでござい…
この発言のページ
60高高橋永(立憲)
文科省から、まさに今の国際的な頭脳流出、アメリカの頭脳流動の加速は日本にとってチャンスであるという御答弁をいただきました。
しかし、率直に申し上げて、まだ今の状態では、検討するという状態では、政策上よく使われますけれども、現場にとってはこれは停滞しているということになりかねません。日本は、いつ、どうやって、何の予算で誘致策を更に本格化するのか、是非、文科省がその旗振り役として、関係省庁を巻き込みながら、日本版研究者誘致戦略の中核を担っていただきたい。私としては、明確な予算枠と制度設計が提示されることを期待しています。
この場で、文科省として、国家戦略…
この発言のページ
61
あべ俊子(自民)文部科学大臣
委員にお答えいたします。
私どもも今鋭意、様々な形で、どういう形ができるかも含めて、既に各大学に問合せが米国から来ているというのも私ども聞いておりまして、そこをどういう形で制度的に受け入れることができるかということをしっかり考えているところでございまして。
また、繰り返しになりますが、やはり、国際的な頭脳循環の確立に向けましては、海外研究機関から優秀な研究者を積極的に呼び込むことがまさに重要でございますが、私ども文科省と関係省庁としっかり連携を進めていきながら、速やかに必要な予算の確保、まず、予算の確保を含めた制度設計をしっかり今鋭意やっているところ…
この発言のページ
- (上の発言)
62高高橋永(立憲)
力強いお言葉、ありがとうございます。
これまで国際的な研究人材獲得の戦略の必要性について議論してまいりました。ただ、もう一つ、極めて本質的な観点があると思っています。それは、研究者は研究資金や施設の整備だけで動くわけではないということです。彼らが何より重視するのは、政治からの独立性、つまり、科学が自由で真理に忠実であることを保障する制度的な土台です。
アメリカは、今、トランプ大統領の復権に伴って、科学、学問の軽視、気候変動やLGBTQプラス、多様性といった研究領域への資金削減や、大学への監視の強化をしつつあります。だからこそ、今、米国の研究者が国外移動を検討しているわけでございます。
しかし、アメリカのこうした政権による露骨な介入が続く中でも、アメリカのナショナルアカデミー、NASは、政府からの独立性を制度的に維持しています。会員は、政府ではなく学術界自身によって選出され、政府はその人事に関与できません。しかし、確固とした制度を持ったNASですら、政権の圧力や予算削減によってその機能や信頼性が試されている状況です。
学術の独立性という近代国家の常識すら持ち合わせない無知な政権が出現したら、国民に保障されるべき科学の中立性を保つのは容易なことではありません。
こうした背景を踏まえると、先般、衆議院で通過した日本学術会議の改革法案には重大な疑問を感じざるを得ません。学問の自由とは、単に個々の研究者の権利を守るにとどまらず、学術機関や研究コミュニティー全体が政治的介入から自律的に運営され、自由な発想と批判的精神を保持することを意味するものではないでしょうか。
そうした前提に立ったとき、今回の日本学術会議改革の法案が結果として学術界の独立性や自由な研究環境を損なうおそれがあるのではないか、学術会議改革の議論の前提として、学問や学術、研究の自由の本質をどのように捉えているのか、文部科学省の率直な意見を、見解をお聞かせください。
63伊伊藤学司文部科学省高等教育局長
お答え申し上げます。
憲法二十三条に定められてございます学問の自由は、広く全ての国民に保障されたものでございますが、特に大学における学問研究の自由、研究発表の自由、教授の自由を保障したものであると認識をしております。
この発言のページ
64高高橋永(立憲)
ありがとうございます。
学術会議の法案改正でやるべきなのは、政治的圧力に屈しやすく独立性を弱めることではなく、むしろ、国民の利益に資するように、学術会議が政府に対してより積極的に忠実に助言を行うための制度的な改革と組織機能の強化であったと私は思います。
アメリカのNASの状況を見れば、独立した予算枠の確保、会員選出の自己完結的な仕組みを維持強化しつつ、例えば新型コロナウイルス感染症への対応であれば、学校の一斉休校やアベノマスク、そしてイソジンによる予防といった、政府や地方自治体による科学的根拠に基づかない誤った施策や発信があった際にはスピード感を持っ…
この発言のページ
65矢矢作修己内閣府大臣官房総合政策推進室副室長
お答えいたします。
日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会では、近年、サイエンス・フォー・ポリシーが強く求められるようになっていることは世界的な潮流であり、ナショナルアカデミーの使命、目的の中で大きなウェートを占めるに至っている、学術会議には、海外アカデミーのように社会の関心、状況を踏まえつつ科学的エビデンスや学術的な知見を適切に整理し、政府等とコミュニケーションを取りながら適時適切に提供していく役割を積極的に引き受けていくことも期待されているという議論がございました。
また、懇談会報告書におきまして、学会や審議会ではできないナショナルアカデミーに…
この発言のページ