松尾豊東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授

2025年4月16日・第217回国会 衆議院 内閣委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 73 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 237 発言)

ありがとうございます。

最初の、これまで負けた理由ですね、大変重要な御質問かと思います。

私は、いろいろな経営者の方にお話を聞いておりますと、例えば一九九〇年代後半に今のGAFAMに相当するようなビジネスというのはいろいろな企業に芽吹いていました。それをやろうとしてきた方も何人もいる。ところが、それが本流のビジネスとかち合うから、バッティングするから等の理由で、中で余り支援してもらえなかったという中で、そういった芽が伸びてこなかったということがあるかと思います。

結果的に、検索エンジン、Eコマース等の世界的なサービスが出てこなかった。これはウィナー・テイク・オールの傾向が非常に強いですから、それがきちんと国の中で育っているのは、今、米中の二国になっている。そうしますと、AIへの投資もこの米中の二か国が圧倒している。そこら辺の構造、兵たんの部分で今負けてしまっているので苦しいということかなというふうに思っています。

そういった意味では、新しい芽を摘まない、新規のビジネスというのをたとえ本流とかち合うとしてもしっかりやっていく、そういった文化をつくっていくということが重要かと思います。

二つ目の点に関して、おっしゃるとおり、生産性の向上と生活の向上は別と。生産性が上がるということは、ある人にとっては自分の仕事が減る、なくなるということを意味する場合もあるというふうに思います。

ただ、機械化の歴史で考えてみていただくと分かりやすいんですけれども、自動車の生産なんかも多くの場合、機械化されています。機械化すると、最初は、そういった意味で、今まで手作業をしていた方の労働はなくなります。ただ、長期で見ると、生産性が上がり、それが競争力につながって、生活の向上につながってくるということがありますので、長期ではそこは私は連動していると思っています。

ただ、短期においてはいろいろな不具合が出てきますから、そこはしっかりセーフティーネットをつくっていくということも同時に必要かというふうに思います。

以上です。

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